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大きなところがますます大きくなる

-------------------------------引用
http://anond.hatelabo.jp/20150530023603
起業支援者なんだけど、普段は言わないことを書く。酔ってるから。
起業家支援の仕事をしている。
行政か、金貸しか、コンサルかは秘密。したたか酔っぱらって気持ちいいので世のため人のためになるけど、普段は絶対言わないことを書く。
今、僕のいる会社を含め世の中は、開業者を倍以上に増やそうとしているけど、この記事を読んでいる君がそれを少しでも考えているなら、決して起業なんてしてはならない。特に、今のベンチャーブームにのっかて起業しようと考えている人は絶対にやめたほうがいい。それはなぜか?今ベンチャーブームに乗せられて起業を考えている人のレベルはたいてい中途半端だからだ。
三桁の起業家とそれ以上の数の起業家になりたい人たちと会ってきた、彼らは大体こんな具合に層別されている。
(一部記載省略)
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①ハイエンド起業家
彼らの目的は、「名声を得、大金を得て好きなことをする」ことだ。だからこそ、VCは簡単に騙される。
事実ギークが作る商品の技術力は高くて、MBAが作るビジネスモデルは完璧だ。だから社内稟議はスイスイとおるし、融資部の許可もおりやすい。結果として、ぶち上げてから数年で国内でも新しい分野に台頭し、第一人者になるか、大失敗をしたベンチャーの烙印を押される形で世の中に知れ渡る。
②ローエンド起業家
①ビジネスモデルを新たに考える必要がないこと、②技術職であること、③ちょっと調べればめちゃくちゃ割にあわないとわかる業種であること。つまりは、正直、起業することそのものが正気の沙汰ではないようなそういう業種に進出できちゃうくらい度胸があって、考える力がない人たちだ。
③意識高い系起業志望者
世間知らずな人達。
具体的には、学生・フリーター・メーカーで管理部門や開発部門にずっといた。という類の方々。面白いのはたいていが、そこそこ有名な私立大学を出ている人が多く、また修士までとっている方が少ないことだ。

ただ、こうした起業家志望者に伝えたいことが一つある。
起業家支援者の中で、起業を勧める人間がいたら彼らの言葉に耳を貸してはいけない。
起業のリスクの本質は50年前から少しも変わっていない。起業家に貼られるレッテルは昔のままだし、社会的信用なんて成功するまで0に近い。
それなのに、起業を勧めてくる奴には裏がある。そこそこの知性があるからこそ騙されてしまう、起業家志望者は多くいる。自分だけはその例外などと決して思わないでほしい。それでも起業したいなら、せめてMBAくらいは取って履歴書の見栄えを良くして転職の準備をして、あわよくば、ハイエンド層の仲間入りをしてから起業してほしい。
世界を変えることができるのは、いつも天才か策士か大ばか者だ。リスクを取れることは一つの才能だと思う。
でも、就職市場がほしがるのは、天才か策士だけだ。あなたの一度しかない人生のためにも、けして大ばか者の烙印を押されたまま終わることの無いようリスクヘッジをしてほしい。
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なるほどねえ。
起業支援業務を他の業務とともにしているものだと、何となくこの人がベンチャーキャピタル系の人ではないかと思える言動である。
概してこれらの①ハイエンド起業家においては、多くの投資額を必要とする内容であり投資内容の精査や評価・支援を考えると、支援工数という見方で出てくる人件費としての投資回収量は莫大になるわけで、そのような案件を見出すためには、高度な(真似される事もない)技術と確実な収益を得るビジネスモデルの構築である。そうなると、「社内稟議はスイスイとおるし、融資部の許可もおりやすい」ということは、疑問となることを全て抽出した優等生な答案が書けるわけで、それなりの資質の人材(=高額の報酬等のインセンティブが必要)がいることが前提である。逆に言うとベンチャーキャピタルに類する場所では(一定割合のはずれを確保する前提で)それでも投資回収ができるような付加価値が大きい案件を特に選ぶしかないのである。
反対に②ローエンド起業家と言っているものは、どっちかと言えば投資案件に対し堅く融資先を選び、堅いビジネススキームに乗せること、また初期投資を少なくしてその代わり確実な販路・製造工程を望んでいる融資業務というものがある。地銀や信用金庫・協同組合等での融資能力・査定能力では、技術能力の査定が難しくなるため、どうしても、融資担当者が見える範囲の業務指導等におさまる。そのため、「正直、起業することそのものが正気の沙汰ではないようなそういう業種」ともいえるが、少なくとも生活する段階で充分な規模での起業を目指しているような人という(ある意味、起業でバカスカ収益を上げるということが前提の人にとっては、「クソ」みたいな)業態が多くなるのである。他方投資が軽く始められるというのは、廃業する場合も多く、または廃業の際の敷居も低いわけである。
また、(これは上記の本文ではなく他者のコメントにもあったのだが)小さく、収益も少ないが、そこそこ自分に対して自由に納得する仕事をしたい人が行う④スモールビジネスというのもある。これはそもそも銀行などに求めるのは決済能力だけなので、融資に関しては多分上記筆者の志向では引っ掛かってこないものであろう。むしろ自己資本のみでやっていこうとするため、VCや起業家支援者等に関わるべきでないという意識の人もいる。(なお、「意識低い系起業志望者」といういい方をしている場面もあるが、この記載はストレートでちょっと幅が狭いと考えた。)
そうみると、上記の人は「ベンチャーキャピタル・都銀・証券」というところの人で東京などの都市での担当者であろうと考える。この場合、事業計画の立案等は個人の資質によるところもあり、そのような訓練ができているということになると(少なくともVCに対して訴求できるという手法を習得しているという意味で)修士とかMBAとかは若干ののアドバンテージがあるともいえるし、そのような資格取得者という肩書で融資側は初期的には信用するとか投資家への説得材料になるという場面もあるらしい。
私の場合は、どっちかといえば先行投資的かつ技術的には2番手の中小企業に対する指導ということが今まで多かった。となると、地銀や信用金庫クラスに融資先との交渉、ないしは研究開発費としての大学ベンチャーなら、研究費用の獲得ということにするのである。
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さて、ここでも問題になると思うのが、③なのである。

世間知らずな人達。  具体的には、学生・フリーター・メーカーで管理部門や開発部門にずっといた。という類の方々。面白いのはたいていが、そこそこ有名な私立大学を出ている人が多く、また修士までとっている方が少ないことだ。

ここでなんとなくわかるのだが、筆者はVCや投資銀行、政府系の研究所等の人と思うのだ。
私はこの程度では投資不適格とはしない。というのはこれらの人は仕事の行き詰まりを感じている問題意識は概して高い人なのである。むしろ、①や②のなかで高級スタッフとして活躍した方がいいという人も多く、どちらかというと腕一本の人であるから成り立つ側面がある。つまり、起業家としては支援しにくいが、その意欲や人材評価という意味では無視できないのである。
しかし、いわゆる「意識高い系」である場合、自分の経歴や人脈を裏付けなく演出した結果「一見スゴい人のように思えるが実際の経歴や活動はそうでもない」という人もあるわけだが、ダメ出ししまくる割には基本的な事ができていない人もいるわけである。意識高い人は自己向上の為に行動するのだが、行動自体を周りから評価される為にやっているという場合もある。
世間知らずだけなら、スタッフとしての立場から押し上げてもらうこともまた一つであるし、また資格をもっている等の基本的な技術の第三者的認証(・・資格をもつことは優れたという意味でのアピールにはならないが、基本的なラインのレベルは持っていることになる・・・)があればまだその道での活躍ステージがあると言えるのだが。その意味で、ギークとMBA資格取得者は社会で失敗した時に、ある程度の失敗をしていてもその資質をもっても活躍できなかったのはまあ時代などの問題もなくはないということで、(人間性を伴うという前提はあるが)逆に失敗したという実績を評価された結果、サラリーマン・経営者というのはちょこちょこあるようだ。

「世間知らずな人達」と、「意識高い系」が混在しており、起業支援という意味でなく起業サポートに必要な人材という働き口をもっていればいいのだが、「世間知らずな人達」が真面目な横道にそれないタイプで結果的に「意識高い系」とそう変わらない場合もある。更に、「意識高い系・勘違い系」が、タイミングが良かったりした結果その中身に反して成功したりすることもないわけではなく、このことが成功事例を遡及して考える場合、問題をより複雑にさせてしまうこともある。まさに、

「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」   松浦清(平戸藩第9代藩主)
(負ける場合理由もなく負けるわけではなく、必ず何か負ける要素がある。勝ったときでも、負けにつながったかもしれない要素が潜んでいる)

のであるが、そこをかいくぐって負けにつながる要素をすり抜け勝っちまうことはある。このようなことになると個人の資質によるものであるが、実はその時々にこれを判断するには時間があり、どうしてもVCでも銀行でも支援するという判断では、時間的になかなか確実な確認ができないというのもまたあるので、結果的には普通の投資業務では起業者Grの資格やプレゼンによる事業計画に頼ってしまうのも残念ながら事実である。

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