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盆休みである。こんな時に医者にかかるはめになってしまい、精密検診を受けてきた。大事に至らなかったのではあるが、今年はあまりの暑さが影響しているようで、すこし休もうと思う。
さてこの暑さであるが、省エネも必要だがからも大事、いるときは空調はつけっぱなしである。但し、28~30℃設定 サーキュレータ併用、時々換気。あるときCO2センサーをつけると1250ppmという値を示した(ビル管理法では1000ppm以下)。換気することで10分後には400ppm程度になるが、よくよく調べるとエアコンにセンサーが付いている。なるほどセンサーが反応したら換気するようにすればいいわけだ。
-----------------------------引用
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/06/-how-far-the-uk-has-come-in-tackling-the-energy-crisis_n_7945876.html
イギリスは経済成長を続けながら、エネルギー消費量も減らしている(グラフ)
The Huffington Post UK   投稿日: 2015年08月06日
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イギリスにとって、2014年はエネルギーの歴史を塗り替える記念すべき年だった。
イギリスの「エネルギー・気候変動省(DECC)」が発表したデータによると、イギリスの2014年のエネルギー使用量は、ここ半世紀のうちで最も少なかった。

具体的なエネルギー源に目を向けてみると、石炭の使用量は1800年代の産業革命以来最低レベルを記録した。また、二酸化炭素の排出量も前年に比べて約10%減少した。経済成長を続けながら、エネルギー消費量を減らしたことになる。
発電には、水力・火力・石炭・原子力・太陽光・風力など様々なエネルギー源が使われているが、それぞれの特性を生かしてなるべく安価かつ安定的に電力を供給するようバランスをとることを「エネルギー・ミックス」という。
気候やエネルギーのニュースを紹介するサイト「Carbon Brief」は、DECCのデータをもとに、イギリスのエネルギー・ミックスの変化を5つのグラフをまとめた。
------------------------------(図を省略)--------
● 経済成長にもかかわらず、エネルギー消費量は最低。石炭使用量は1800年代の産業革命以来最低レベルになった。
  http://www.carbonbrief.org/media/427753/uk-primary-energy-use.png
イギリスの主な電源別エネルギー消費量。(上から)緑:バイオエネルギー、赤:輸入エネルギー、青:風力&水力、紫:ガス、茶:石油、黒:石炭
● 太陽光発電は2倍、風力発電は1割近く増加した
http://www.carbonbrief.org/media/427773/share-uk-power-mix.png
2014年のイギリスの電源構成。最も多いのはガス(30%)と石炭(30%)。続いて原子力(19%)、風力(9.5%)、バイオエネルギー(6.8%)、水力(1.8%)、太陽光(1.2%)
●石炭火力発電は23%減少、再生可能エネルギーは21%増加した
http://www.carbonbrief.org/media/427783/uk-elec-gen-by-source.png
発電に使った燃料の種類。(上から)黒:石炭、灰色:ガス、紫:原子力、緑:再生エネルギー、赤:その他。再生エネルギーは、2000年代半ばから急増している
● 化石燃料が占める割合は過去最低だった
http://www.carbonbrief.org/media/427763/fossil-fuel-share-uk-energy-mix.png
1990年以降のイギリスのエネルギーミックス。(上から)緑:その他、灰色:化石燃料
●輸送用に使うエネルギーが増加。産業用、家庭用は減少
http://www.carbonbrief.org/media/427793/energy-use-by-sector.png
部門別のエネルギー使用量。(上から)緑:産業用、青:輸送用、赤:家庭用、灰色:その他。1970年と比較して、産業用は3分の1程度減った。一方、輸送用は2倍程度増えている。
-----------------------------------
グラフから、イギリスはここ10年で着実にエネルギー消費量を減らしていることがわかる。一方で、火力発電の際の熱損失や、送電中の電力損失などで、大量のエネルギーを無駄にしている現実もある。こうしたエネルギーの損失を減らすことができれば、まだまだエネルギーを節約できそうだ。
----------------------------------終了
ほー。英国のエネルギー・気候変動省は日本でいうと経産省の資源エネルギー庁と環境省の業務の各々一部を管掌している
但し注意するべきことはこの場合エネルギー消費量自体の構成の問題であり、根本的にはイギリスが一般的な生産過程での産業構成ではなく、ある意味通商や商取引などの依存が高まっていることを示していると考える。ある意味災害や 外乱などの影響に対して極めてぜい弱な体制に変化しているという見方もできる。
そう考えると、単純に「エネルギー消費を減らしながら経済成長できる」のを素晴らしいと手放しで喜んでいいのかというのは疑問である。
●エネルギー消費量(原油換算値)
たしかにバイオエネルギーは増加しているのだが、その増加率は全体に大きな影響を与えるには至っていない。油も変化ない。一貫して減少しているのは石炭であり、近年はこれにあわせてガス(天然ガス)・原子力も減少しだした。イギリスは燃料資源が豊富な地域であり、それを考えると、燃料産業自体の衰退も伴った産業の変化である。石炭はCO2排出量が多い燃料であり、二酸化炭素の排出量は前年に比べて約10%減少というのは石炭やガスの使用量を考えるとある意味当然の成り行きである。
●イギリスの電源構成
ガス≒石炭>原子力>風力>バイオエネルギー>水力>太陽光
元がほとんどなかった太陽光発電が2倍、風力発電が1割増、これはある意味当然であるが、なかなか大変な努力をしているともいえる。というのは、太陽光発電は設備投資の割には発電効率は高くなく、またイギリスの天候を考えても効率は高くなりにくい。つまり太陽光発電機器を大量に導入したということになる。
● 発電に使った燃料の種類
 再生エネルギーが2000年代半ばから急増しているのは事実であろうが、再生可能エネルギーは21%増加したという表記は誤解を招く。注意しておかなければならないのは、燃料から得られるエネルギー効率が極めて悪いことがあるため、とてもたくさんの燃料が消費されているように見えるわけである。(それは太陽光発電でも言えることである。)たとえば2014年ではバイオエネルギー発電の原料燃料と、原子力の原料燃料がほとんど同じらしいが、でてきた発電量が原子力発電 2.8に対しバイオエネルギー発電1ということは、効率が1/2.8以下ということになる。原子力発電の発電端効率がざっくり30%ということからバイオエネルギー発電は10%ぐらい。ざっくり言うとおかしな値ではない。
● 化石燃料が占める割合
とはいえ、85%以上の燃料が化石燃料(石炭・石油・ガス)となっているのは現実である。少しずつ化石燃料の占有率が減少しているのは、原子力・風力・バイオエネルギー・水力・太陽光のうち、風力・バイオエネルギー・太陽光の増加が原子力の微減をカバーしてエネルギー占有率を増やしているというのは、エネルギー転換を積極的に行っていると評価できる。
●輸送用に使うエネルギーが増加。産業用、家庭用は減少
1970年と比較して、産業用は2/3になり、輸送用は2倍になった。輸送量が2倍となっているとはいえ石油の使用量は変わらないことを考えると、燃費向上もあるが、電化、その他ガス等の(古い定義になるが)「代用燃料」の使用(燃料転換)などもあろう。但しいくら製造業が衰退したからといっても、その減少がここまでになっているというのは、単純に効率化とは言えないと考える。すなわち製造業(農鉱業等も含む)自体の依存度が減少し、資源を海外から物流で賄っているということになる可能性がある。経済成長を続けているというのは、(特許等の知的財産というのはそこまで急激に増加しないから)金融等の非生産部門の増大、輸出入等の物流産業依存で、見掛け上エネルギーが減少したという側面があるのではと思う。
他方、家庭用の減少は最近の傾向である。これは省エネ機器の普及(特に照明)は大きいと思う。空調があまり重視されない(そこまで気温が高くならないことから空調は普及しえない)という地域特性もあり、時期的にも省エネ機器への移行によって達成したと思われる減少率である。
なお、日本(2009年)は、2009年度の実態は 産業用 35%、運輸用 27%、業務用他(イギリスの定義になると、産業用とその他に分類)22%、家庭用16%である。
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だから、「エネルギー量のみならず二酸化炭素の排出量も減少」というのは、たしかな地道な省エネルギー推進、エネルギー転換活動も大きいが、大きなエネルギー減少理由は消費量の少ない産業構造にシフトしていることにより、驚くことではないのである。(日本でも類似の傾向はある)むしろ、物流サービスの方にここまで依存が高まるとするなら、製造業を外国に追い出し続けた結果とも見える。これは欧州諸国・発展途上国にエネルギー使用量の大きな産業が移転し、諸外国への経済の依存度がたかまるということが、実は大きいのではと思うのである。
イギリスは経済成長を続けながら、エネルギー消費量も減らしているというのは事実だろう。これは一定の評価をするべきであるが、その経済活動が省エネルギーもその一端に関わることによっていびつになって、いざというときに対応できなくなっている硬直した産業体制になってしまう憂いも多少見え隠れするのである。

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