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まあ考え方は妥当だ

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岩手県北自動車とヤマト、本格貨客混載バス運行 国内初    2015.6.4 07:01  産経新聞
 岩手県北自動車(通称・岩手県北バス)とヤマト運輸は3日、路線バスに宅配便の荷物を載せた「貨客混載便」の運行を盛岡-宮古間(95キロ)で始めた。同様のサービスは以前からあるが、荷室を備えた専用車両での運行は国内で初めてという。
 ヤマト運輸は岩手県交通と平成5年から、北上市と西和賀町の間で、通常の路線バスを使って宅配便を運んできた。岩手県北自動車は過疎化と高齢化による利用客減で中山間地のバス路線維持が、ヤマト運輸は長距離トラックのドライバー不足で物流網の維持がそれぞれの課題となっており、今回の運行は、両社の思いが一致した形だ。
 貨客混載便「ヒトものバス」は1日1便を運行。従来の車両に比べて座席を45席から32席に減らし、車体後部に荷室を備えた。
 JR盛岡駅前で開かれた出発式では、関係者がテープカットで祝った。岩手県北自動車の松本順社長は「他の路線にも貨客混載バスを広げたい」、ヤマト運輸の長尾裕社長は「今後もこういう活動を通じて地域貢献をしていきたい」と、それぞれ抱負を語った。
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どうも、これに関しては誤解を招いている節がある。
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まあ確かに、物流の効率化とバス路線の生産性向上によって、物流網とバス路線網の双方の維持を目的にしている。たとえば荷物輸送をトラック運行から路線バスに「まとめる」ことで、CO2排出量を低減するというのは意味がある。しかし、報道によっては革新的といっていいのかは、ちょっと疑問である。過去事例を見事に取り入れた側面に着目するべきで、使える地域はかなり限られるという前提はあるのだが。

ここで注意するべきは後部座席を荷台スペースにした新開発のバスを使い、貨客混載で運行するということである。もともと郵便物が路線バスに混載の上輸送されるのは、私でも青森(たしか野辺地ー十和田市間だったと思う)で、ワンマンバスにて普通郵便を受け取りに来たバイクを見たことがある。(おまけにこの時は、乗せるべき郵袋を載せずにバスが走り出し、しばらくして「バイクが追っかけている」ことに気がついた運転手がバスを停車させるという失態も。)また奈良交通でもバスの前に〒のマークが入っている中距離バスがきて???と思っていたら、郵袋をしこたま載せていたということもある。(ちなみに中距離であるが各駅停車のバス)今なら、郵便の抜取の可能性等を指摘され、それなりに問題になりそうである。また、バスで荷物を搭載しており、バス停に待っていた人に渡すという形の託送は時々やっているバス会社はある(そしてここでも盛岡 - 宮古間を即日配達する「106急行宅配便」を行っていた)が現在は終了している。そう便利なシステムではなかったのだろうと思う。

では宅急便においては、となると岩手県においては、ヤマト運輸とのコラボ先行事例がある。たまたま、車両保守等の関係で前からヤマト運輸と岩手県交通(盛岡市内から南の方を管轄する比較的大きなバス会社。こちらも倒産寸前に何回も至っており、また閑散線区を多く抱えている)はかなり関係があり、湯本-北上で類似の活動をやっていた。
参考:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_koutu/senkujirei/date/jirei_01.pdf
この時は当初専用のバスを用意し(当初はかなり古いバス・・・いすゞBU04ではなかったか・・・の後ろを網で仕切っていた記憶があるが、そのあとはバス車両下部のトランクルームを利用していたようである)ていたが、今はどうなっているかというと、運用されていないようである。というのは今年になって『ほっと湯田駅』~『和賀仙人』間が土砂崩れで、道路が五月雨式に崩壊しており、補修の見込みが立っていないため。高速道で一般車は高速道路に特例で迂回しているありさま。しかも、

宅配バスを開始した当時と比較して貨物の取扱数量が8割程度減少してきている。これは、宅配事業者側の輸送方法の選択肢が増え、導入時と比べ宅配バスを利用するメリットが少なくなっていることが要因として考えられる。

となっている。8割減少ということは1/5になったということ。貨物自体のマズの減少(人口減もあろう)と、こっちは自主活動ということもあり、定着しなかったということとになるのかもしれない。但し、宮古-重茂半島間の路線バスに関しては類似の運用・車体の改造を行っている可能性がある。
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ポストバスとは、旅客と郵便物を輸送するバスのことであり、スイスやオーストリアの路線バスの名称である。国内各地の郵便物を配達する車(馬車)のネットワークから始まった公共交通機関である。スイスの場合は現在でも郵便物の運搬にも使われているが、一部路線ではバスが頻繁運転になってしまい、人荷分離となった事例がおおいようだ。
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と考えると、少なくとも今までこの発想がなかったのはヤマト運輸が郵便とは異なる、政府系の公共企業体でないものということから、たまたまこのようなニーズが出なかったか、むしろ所轄官庁なども否定的に見ていたのではと想起する。
それとは別に、盛岡-宮古間の路線というのは、1時間ごとに運行されている106急行バスであり、どちらかといえば都市間中距離バスである(並行するJRがあまりにも貧弱ということもある)。かつてはかなりの運用があったのだが地震以降人口の流出が進んでいるとも聞く。(1日片道17便。往時が24便あったのだが・・・)そうなると従来の車両に比べ座席を45席から32席に減らしても一部の便では何とかなっているという、旅客全体の減少という側面がこの裏にあったことを認識する必要はあろう。

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