インフォーマーシャルによる人材活用
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テレ東・紺野あさ美 謎の「深夜ダンス番組」と「干されっぷり」 2015年4月17日 アサヒ芸能
テレビ東京の紺野あさ美アナ(27)が出演したダンス番組が話題だ。元「モーニング娘。」として鳴り物入りで入社したが、いまいちパッとせず。これが浮上のきっかけとなるのか──。
初冠番組「紺野、今から踊るってよ」が放送されたのは、3月29日深夜2時55分。ふだんは停波中で何も放送がない時間帯である。
美女の部屋や職場を訪れて一緒に踊るだけという異色の内容。企画書を見た時に本人がいちばん驚いていたと、スタッフが明かす。
「『えっ‥‥』と絶句する感じで苦笑いでした。紺野さんにはテンションが上がる曲を選んでもらい、できるだけ完コピで踊れるようにお願いしました」
紺野アナが抜擢されたのには理由があった。昨年夏に、同局のバナナをモチーフにしたマスコット「ナナナ」が、音楽に合わせて激しく踊る動画が配信されたのだが、その時に、紺野アナと白石小百合アナ(27)がバックダンサーを務めた。テレ東関係者が話す。
「振り付けを教えると、白石アナは覚えるのに時間がかかったのですが、紺野アナは1回でマスター。踊りもキレキレで主役のナナナが目立たなくなったほど」
これがきっかけとなって、ひたすらダンスを踊る番組の企画が立ち上がったのだという。(中略)
女子アナ評論家の丸山大次郎氏はこう絶賛する。
「他局の番組で、アナウンサー同士の箸にも棒にもかからない話を聞かされてげんなりするより、はるかに見る価値があった。本気ダンスの見応えだけではなく、紺野アナの隠れた大きい胸が縦揺れしたセクシーシーンも評価に値します」
とはいえ、紺野アナの局内での立場は干されっぷりが止まらない状況だ。
「注意するとふてくされ、落ち度があっても謝らないから、局内で浮いています。入社時からスポーツ取材を希望していたので担当させたら、プロ野球選手と熱愛が発覚して幹部の評判は下がったまま。何の番組を任せればいいのか、頭を抱えています」(テレ東局員)
14年3月には、心労が重なり、担当スポーツ番組を突然降板。復帰以降も活躍には程遠かった。
「原稿読みがすごくうまいという印象もなくいまだに生放送で表情が硬い。大江麻理子、大橋未歩という成功例のように、報道とバラエティで結果を出して看板アナになるため、この番組を足がかりに低迷を打破できれば‥‥」(丸山氏)
ダンスで原点回帰して、やる気を取り戻すのか。
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なんだ、Disっているのかと記載にあきれたのだが、たしかに言いたくなることはわからなくはない。一度一定の成果を得た人には、ある意味融通性を欠くところがあるし、「やりきった」人、「出来上がった人」が潜在的価値を新たに出すのは、一定の時間が必要である。但し、テレビ東京はアナウンサーを報道とバラエティ双方で使うということで育成できる環境はある。TV単営局の上アナウンサーが少ない、経済ニュースの需要度が高いという特徴のこともあろう。実はかなり幅の広い業務ができる可能性は高く、女性アナウンサーが活躍しやすい環境でもあるようだ。
日曜日深夜24:30からニュースをたまたま見ていたら彼女がストレートニュースを読んでおり二度見したことがある。(この番組は担当アナウンサーは交代で務める)やっぱり堅いなあ、柔軟性はまだななあと思ったことがある。一方選挙報道などでは、レポーターとしてそれなりの活躍見せる。このためか、ニュース等を読む等のこともやっているのにもかかわらず、他国語のWikiではこんな書き方をされている。
Asami Konno, born May 7, 1987, is a television presenter at TV Tokyo. She is a former Japanese pop idol singer, television personality and gravure model, best known as former fifth generation member of the all-girl Japanese idol pop group Morning Musume.・・・It was announced via the Hello! Project official site on October 1, 2010 that she would debut as a reporter for TV Tokyo in April 2011.
紺野朝美是東京電視台的播音員,前偶像藝人。
アメリカにおけるアナウンサーという位置付けは、アナウンス技術以上に意見をわかりやすく伝えることを旨としている。この局では、大江麻理子がそういう形になるのだろうと思う。それでもテレビ東京は経済情報などのエリアもあまねく全員が担当することから、そのようなルートはここではあるのだが、英語圏においては彼女はreporterでしかないのだろう。また、中国語でも「播報員」という表現にはなっていない(播音員というのはMC・司会者という意味を含む)ところが、対外的な見方を示している気がする。
アナウンサーが、あえて話をあまりせず前後の練習シーンとか一緒に踊る人との会話をほぼカットして、踊って(しかも基礎訓練を受けているのでうまいw)しまうのが、かなり意表を突く。ただひたすら色んなアイドル曲を踊り、アナウンサーがあえてアナウンスをしないでまた踊ってる最中にCMをかぶせ、外見上は14分ノンストップというのが、おどろきだし、しかも結果的に彼女は得意分野で不得意分野を隠ぺいさせてしまうのである。その意味では 尖った編集である。しかも期末のこの時期に良く押し込んだなあとも。
私はすでに、モーニング娘。の年代ではないのだが、最後は、「某イベント会場」と紹介された場所のステージ(女性ブロガーの集いらしい「ガールズブロガースタイル2015 S/S」)で紺野アナがセンターでのモー娘の「恋愛レボリューション21」・「ザ☆ピ~ス!」を昔取った杵柄で、満足げに踊って喝采を浴びている。そこで唐突な番組終了。エンディングは「紺野、またいつか踊るってよ」となっている。
彼女は成功した経験のある人の宿命でもあるのだが、アナウンサーになってからは適性もありもうひとつパッとしなかったため苦労していたようである。一時期休養までしており最近は企業向けの会合の司会とか、各種企業・商品のレポートが多いようである。そのことはこの番組の構成にかなり近い位置の仕事というところにも触れる必要があろうし、アドリブや瞬時の対応力。ただし上述のようにダンスが評価されており(モー娘。時代はあんまり習得が得意でないといわれていたようだが、)今やテレビ東京専属の体操のおねえさん状態である。確かにこの切れでは比較される白石小百合アナはかわいそうだなあ。
ナナナのナナナたいそう~紺野アナのお手本動画(本社前ver)~
ナナナのナナナたいそう ~紺野アナのお手本動画~
【世界卓球2015】紺野アナがようかい体操第一を踊ってみた。
紺野アナが頑張ってるというのは変に感動する人が多いのは、キャリアがかなり特殊ということになるのかもしれない。この番組は普通なら停波する深い時間に放送されたので、視聴率はそこまで重視されなかったはずだが、スポンサーはそれなりについた。番組が話題となってしまうことは彼女にも自信がつき、特殊なポジションが得られるし、子供番組(テレビ東京は多い)への起用を考えることもできる。また、スポンサーがつく(いわゆる数値を持っている)というのも雇用側としての判断基準かもしれない。
また、かなりきついキャリアを積んでいることから、「アナウンス能力をあえて否定した」内容を、不器用な生き方ながらとにかく与えられたなかでできる限りやっているのを聴衆からは判断されているのではと思う。そして最後のモー娘の「恋愛レボリューション21」・「ザ☆ピ~ス!」のダンス、そして唐突なきり方の動揺で、落涙した人は多かったらしい。なぜかわからんが、必死さが見えているものの成果が出せない中(アナウンス業務ができないわけだし)で、キレキレのダンスを淡々と仕上げていくのに私も動揺し、しばし涙がでた。
実際試験的ではあるが、レギュラー化という話になった。「紺野アナが踊るだけの番組再び!5月に深夜5分のミニ枠12回」という報道が出て深夜5分のミニ枠として放送する。前回の「番組平均視聴率は1.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。同時間帯の前4週平均0.6%から倍増し、この時間帯の占拠率24.3%(占拠率=シェア:該当局の視聴率が放送全体の視聴率に占める割合)だという。(ということは、この時間はいつも停波中の時間ということではないようだ)
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この番組は似たものがある。かのおっとりし、やや天然であるはずのタレント・吉木りさ(27)が一人芝居で「数分間、吉木りさに怒られるだけ」という意表を突いた形で演じるシリーズ化された「吉木りさに怒られたい」シリーズの企画に近い。番組中に曲にかぶせて男性アナウンサーのCMが入る、唐突な広告モードに受けたという意見もあるが、このシリーズの方向性はCMと番組を分けることが容易にできない形にし、いわゆるテレビショッピングのような内容とコマーシャルメッセージを視覚的には切断しているという極めて巧妙な手法である。そして、この番組シリーズのスポンサーに共通しているのは、スマホアプリとか、名刺整理ソフトとかビジネススキーム、ビジネスフォームなどであるものの広範なIT系の尖った企業、しかもスタートアップに近い企業ばかりなのである。
そうなのである。この番組は彼女が今までやってきた「企業向けの会合の司会とか、各種企業・商品のレポート」に近いインフォマーシャル番組の構成であるし、経済新聞がバックにあることを考えると、テレビ東京はここに近い立ち位置にあるわけで、コンテンツとして彼女を使うことを考えているのだろう。ある意味フジテレビの方向性に近いかもしれない。
また美女5Gr6名が出てくるが、聞くと彼女らはその道ではひとかどのモデルなのだそうな(たとえば女子高生・・・実際はサポート校である。彼女はミスセブンティーン2013年度の最終候補者という記載もある)どうもこう考えると、でてくる人全部が「各種コンテンツ商材」ともいえ、ほとんどがインフォマーシャルと考えるべきである。だとしたらスポンサー単価は低く、社内リソースは使え、制作時間は短くというQCDの高いコンテンツスキームともいえるのである。(この番組に対して「撮って出し」と紺野アナも言っているのがコストミニマムということだろう)実は、アナウンサーというよりも、自身にコンテンツスキルを持っている人材ということがいまさらながら分かってしまったともいえるのである。
テレビショッピングは特に経験談から商品(たとえば青汁(おい))の紹介をするものが知られているが、それ以外の日本における「インフォマーシャル」としては、生コマーシャルに似せた番組別のCMなどもそうであるが、他にもこういうものがある。
● 商品PR番組:ミニ番組や内包番組で、依頼された特定「商品」の内容・企業紹介を出演者が紹介するもの。そのスポンサーが放送局自体ということもある。放送局事業部門の絡む公演・行事・イベント案内や、番組のビデオソフトのCM、放送局経営の住宅展示場とかも類似。
● 情報番組:商品やイベント、店舗(特に新規開店)の番組内PRコーナー。中にはこれだけでミニ番組を作った例もある。例:https://youtu.be/A0Xn6m0_1eI
● 旅番組:鉄道会社・航空会社・旅行会社・時に地方自治体による提供で沿線・就航地への観光地の紹介を行う紀行番組にもそのようながある。観光地の紹介といっても文化的な視点という場合もある。
この中で今回の場合は、商品PR番組に近いのではと思ってしまう。
そう見ると、人材として考えるべきなのか、コンテンツとして彼女の活動を見守るのが妥当性があるのかなかなか難しい側面はある。ただ「大江麻理子、大橋未歩という成功例のように、報道とバラエティで結果を出して」事項を示すアナウンサーとなる(但し大江麻理子さんは現在は記者という扱いなのだそうな)というストーリーを構築するより、番組制作の方の視点から業界に関わる方が、彼女の汗は今は評価されやすいのかもしれない。
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