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在宅勤務についての私の考え

日本と海外の在宅勤務というのは結構違うのだそうな。
北米では、日本に比べると在宅勤務が一般的なのだとかいう。インターネットによる業務のコミニケーションが取れる業務ではエンジニア業務であっても、めったに行かないとか。「年次集会」や「業務体制変更」以外ではオフィスに行かないため、「上司の顔を忘れ」ることさえあるようだ。アメリカだと、「普段、時差があるところに住んでいる」人同士が同じプロジェクトで働くという事もあると思う。
その場合、日本的な視点ではコラボレーションによる業務はどうするのかということを私は考えてしまう。昨今はテレビ会議システムを用いる事例も多いようだし、Skypeを使った事例もある。これらの場合は海外企業との会議(意外支社やWebEx(テレビ会議システム)を使っているところを昨今良く見るが、基本個人宅へのテレビ会議システムは使うようではなく、労働意識の差もあるのかコスト意識なのか、会議システムがある拠点地域までは出向くことにはなるようである。
というわけで、日本企業でも在宅勤務をしている事例はそれなりにあるのだろうし、実際には何人かの事例を見ているが、根本的には労働成果のエビデンスの見かたの差ではないかと考えている。
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日本では15.3%が在宅勤務という調査がある。(平成21年度テレワーク人口実態調査によると全体の15.3%が「テレワーカー」というのだ。「テレワーカー」の定義は以下の通り。
* 普段、収入を伴う仕事を行っている人の中で、仕事でITを利用している人
* かつ、自分の所属する部署のある場所以外で、ITを利用できる環境において仕事を行う時間が1週間あたり8時間以上である人

 この定義自体に問題がないわけはないが、ではもうすこし明確にといっても判断しにくかろう。 そもそも、15.3%が「テレワーカー」というのが私も感覚的に合わない。

もっとも、在宅勤務が普及しない理由の一つとしては、管理内容によっては労務管理がしにくいからであろう。
全ての社員が共有された目標に向かって貢献する事を期待するのがマネージメントであり、個人の報酬と成果を結びつけるということができにくい。成果の一位的評価手法をとることが、従前の日本社会でコンセンサスが取りにくく、また就業者と会社が合意してみても、その扶養家族や関係者、果ては単純労働時代の雇用手法が時間拘束トいう形で法体系が構築されていることから、第3者の評価指標には説得が不可能な問題がある。このため、管理者は仕事を管理するより、人を管理するのが基本的作業である。更に、人の管理は遠隔的内容では成果評定はできても、意欲・適性・倫理観の判断は困難であるため、どうしてもテレワーカーは使いにくいとなろう。

もうひとつは業務特性によるものである。すり合わせで物を作り、社会とのすり合わせで売り上げが立ち、という中で成果主義を個人に対して達成し人事の評定・管理に活用するのには、調整行為ということが必要である。つまり制作工程のように遠隔就業が達成できる内容で業務が終わる内容はだけではその人の業務の成果というものにならない。このようなう業務フローを前提に業務も、社会体制も構築されているならば、テレワークの可能な業務はプログラムの構築等の内容の内ルーチン的内容になるとか、制限されかつ勤務評定が一意的なものしかなりたたない。業務の推進において調整・すり合わせがなければ成果を得る業務にならないという、業務評価内容の基準・責任配分の違いを考えると、これの分担し直しというビジネスフローの根底的な見直しと過去蓄積したノウハウの廃却という企業継続の問題まで関わる。このような企業のある意味の資産滅却を考えてまで、成果主義の在宅勤務を採用することには、巨大な資産が必要になる理由だと思う。

経営側が「社員は目の届くところに置いておかないとサボる」と思っているというのは、このほかに考えられる問題である。業務モチべ-ションの維持が遠隔では困難であるという現実はあるのだが、これ自体は手法としてはそれなりの手法をとれば対策できるように感じることもある。(なお、勤務時間管理は雇用保険の問題で必要という見方もあって、これも日本特有の問題である)しかし、この人員管理の問題・そしてすりあわせに関する業務に関しては別に日本だけの問題ではない。
----------------------------引用
米ヤフーの「在宅勤務禁止」 ネットで賛否両論に  CNN.co.jp  2月27日(水)15時15分配信 
米ヤフーが社員の在宅勤務を禁止する方針を発表したことに対し、IT業界にとどまらず各方面から賛否両論が噴出している。新方針が伝えられた25日以降、ネット上では何千件もの意見が飛び交っている。
インターネットの交流サイト(SNS)「グーグル・プラス」には、息子の手術を在宅勤務で乗り切ったという母親から「ばかげている。私はヤフーを志望していなくてよかった」と書き込みがあった。この女性は大手IT企業の社員ではない。ヤフーの発表は業界を問わず、幅広い層の注目を集めたようだ。
遠隔勤務に関する調査とコンサルティングを手掛ける米テレワーク・リサーチ・ネットワークが2011年に実施した調査によると、オフィスから離れた場所で勤務する米国人の数は、05年からの6年間で73%も増加した。
ヤフーは26日、「これは業界全体としての意見ではなく、現時点でヤフーにとって何がベストかという問題だ」とする短いコメントを出した。
だがネット上の議論はヤフーの方針自体というより、「技術革新に適した職場づくり」や「勤労意欲と生産性の関係」を焦点に展開されているようだ。

心理学者のイブ・アッシュ氏は、チームで力を合わせることが飛躍的な技術革新につながると肯定的な見方を示す。
社会学者のレイモンド・フィスマン氏もCNNに寄せた論考で、「企業の方針は面と向かって話すことで最も効果的に伝わる」「新しいアイデアは偶然の出会いから生まれる」との説を展開し、ヤフーの決定に共感を示した。
ITブログを執筆するショーン・ファーナー氏は「ヤフーが必要としているのは本社ビルの中を歩き回り、同僚と昼食をともにし、ホワイトボードの前で意見を出し合い、モニターを囲む社員だ。仲間意識を重視する小さな新興企業と同じことだ」と主張する。
一方、否定的な見方もある。
英ヴァージン・グループ創業者のリチャード・ブランソン氏は、人とうまく仕事をするための基本は「働く場所や監督の有無にかかわらず、職務を全うしてくれると信じることだ」と指摘する。
米IBMの元社員、リン・ダング氏も交流サイト「フェイスブック」のコメントで、ヤフーの方針に反対を表明。その理由として、(1)生産性の低い社員はどこにいても同じ(2)現在トップクラスの業績を挙げている社員を失う恐れがある(3)新方針は管理主義と不信感の表れであり、意欲向上にはつながらない――の3点を挙げた。
----------------------------------終了
これに関しては、少なくとも労働の内容を分析せず、どうこう言っているのであろう。自分の仕事はどういう特性を持っているのか、を分析しなければ自分の業務がそもそも適しているかとか、在宅勤務を行わなければならない場合は仕事をどう変えていくかという前提が出てこないと思う。普及しない理由は成果主義になっていないからという視点などは、成果を査定する人間が遠隔的に判断できるのかということになるわけである。

業務には、作る、造る、守るという構成要素ががあり、ほとんどの業務ではこの3つが組み合わされて各個人に関わってくる。
設計者にとってはたとえば、作る(設計して図面を作る)だけの仕事というのはなく、もし、作る(設計して図面を作る)業務が80%としても、作業標準を構築するとか社外に知らせるための報告を行うという業務、ないしは後継者を育てるという「造る」業務が10%あり、更に特許の問題から回避手段を考えるとかセキュリティーを維持する等の全員協調が必要な業務が10%あるというようになり、これらがイレギュラーで入ってくるならば、業務において遠隔的な配置を行うのはそれなりに業務の整理を行っていかないと難しいということがわかる。
逆に、ITエンジニアで遠隔作業環境が確実に達成されうる場合は在宅勤務は成り立つともいえるが、その場合はタスクが明確で、タスクが拡張される事が早々ないという条件になるという。出産を控えた社員など、通勤が大変な事例などでは、業務を一定に限るということにすることで在宅勤務・遠隔業務というのはあるだろうし、日本においては職務内容のクロスオーバーということもあり、イレギュラーな業務が入らない職務に関して、週に2~3日出社とか昼の数時間のみ出社という形はあると考える。
これとは異なったパターンで、企業の出張所として遠隔地に一人でいるなどの業務がある場合に、在宅業務ではないものの遠隔業務となる場合はある。このような場合、出張所が自宅兼用(甚だしき場合は自宅を企業が借り上げて出張所とする)ということがあるが、この場合のも在宅勤務といえなくもなく、このような事例ではIT化がすごく進んでいる場合もある。この場合も業務がかなり限られているということもあり、移行しやすいというのはあるんだろう。
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ということであんたの考えは・・・となるのだが、以下のように考えている。
(1)既存品の顧客対応設計・顧客巡回型の提案営業などの業務の独立性が高くかつ専門職特性が強いものは、成果の内容が一意に明確化されるため打ち合わせなどの対応はあっても在宅勤務は可能で高々週1日のみ出社等は進めるべきである。但し自宅に事務所を構築するなら、日本の場合はそれなりの財政的負担(事務所手当)を与えたり、サテライトオフィスなどを設置する必要はあるため、事務所削減や通勤費用削減というような経営的利得は取れない。
(2)業務管理・調整など人間同士の調整業務を行う専門職の場合、時に遠隔的な業務をとることはあっても基本的にはITによる業務は適しないと考える。但し、ルーチン業務など(たとえば給与計算)を抜き出して、遠隔業務にするのは一つのあり方であるが、これは昨今では外部の専門業者に委託となっていくだろうし、遠隔業務とすることにはならないだろう。
さぼるどうこうといいよりも、その業務特性をよく考えて、「共業による効果が薄い。範囲の決まった仕事」にしか在宅勤務は向かない(・・・そういえば「内職」もそういう特性がありましたねえ・・・)という前提であるということを考えると、おのずから業務に制限が入ってくるのではとはおもう。

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