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たしかにそう考えれば

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人間国宝・桂米朝さん肺炎で死去 89歳  2015年03月19日 22:34 ORICON STYLE
 人間国宝の落語家・桂米朝(本名・中川清)さんが19日午後7時41分、肺炎のため大阪市内の病院で亡くなった。89歳だった。
 米朝さんは1925(大正14)年に旧満州・大連生まれ。47年に三代目桂米團治に入門。1996年、柳家小さんさんに次ぐ落語界から2人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたほか、1987年に紫綬褒章受章、2002年に文化功労者顕彰、2009年には演芸界初の文化勲章を受章した。
 1967年から関西テレビ「ハイ!土曜日です」の総合司会を務めるなど、テレビタレントとしても活動するほか、俳優としてNHK朝の連続テレビ小説『てるてる家族』(2003年)、『だんだん』(2008年)などに出演してきた。
 6代目笑福亭松鶴、3代目桂小文枝(後の5代目桂文枝)、3代目桂春団治らと共に「上方落語四天王」として、上方落語の普及に大きく貢献。米朝一門として故・桂枝雀さんをはじめ、月亭可朝、桂ざこばなど著名な落語家を多数輩出している。
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彼は親族が落語家というわけでなかったという。もとから落語は好きであったが、むしろ落語愛好家からプロになっており、また落語家が一時漫才に人気を奪われ衰退した時期と、その後の第二次世界大戦による都市機能壊滅の際に活躍することで、時代背景から失われかけた落語を多く発掘したなど、落語の研究者という側面でストイックな姿勢を保ってきたといえると思う。この辺りが「芸人を目指す」という落語家とは異なっていたと思う。
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同じ落語家としても、テレビタレントという活動は主にはせず、(この辺り当代の文枝とは異なる方向性である)あくまで、芸能を追求する側面が強かった。そして晩年は落語はせずにあくまでゲストとしての舞台に立つ側面がある。あくまで総帥としての立場になっていたのである。確かに加齢による問題はあったというのを気にしていたのだろうが、その引き際は比較的明確であったと私は見ている。
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「何ちゅうええ空間や…」後進うならせた落語家の理想形  2015.3.19 23:23 産経新聞
 5年前の秋、文化勲章受章を記念したDVD発売会見でのこと。桂米朝さんは車いすで登壇したが、質問に的確に答えられる状態にはなかった。
 高座姿の米朝さんを見たのは平成14年、旧サンケイホール(大阪市北区)閉館前の独演会での「厄払い」が最後。でなければ、遡ること約30年。一門伝統の京都・安井金比羅宮の勉強会での凛とした姿だ。「老い」に凌駕されつつある大看板に、内心ショックでいっぱいだった。
 5年ほど前だったか、ラジオ局ではこんなこともあった。司会者が差し入れた大阪の十三・喜八洲(きやす)総本舗のまんじゅうを、米朝さんはほおばっていた。「私ね、甘辛ですねん。ここのまんじゅうに目がおまへんのや」。その振る舞いは希代の落語家ではなく、ごく普通の好々爺のそれだった。
 一門でも、晩年の米朝さんが表舞台に出ることに反対する人がいたと聞く。だが、米團治さんは「本人が『引退したくない』と言ったんです。ならば、素のままを見ていただこうと」。
 ある時、米朝さんが舞台に現れるだけで、会場全体がえもいえない心地よい“空気”に満たされることに気づいた。居合わせた笑福亭鶴瓶さんもこうつぶやいた。「何ちゅうええ空間や…」 その時の感覚を、私は早世した筆頭弟子の枝雀さんが生前、理想とした高座姿に重ね合わせた。「こちらが黙ってニコッとしているだけで、お客さんも機嫌よくニコッとする。そんなんがよろしいなぁ」
 極めた者だけが醸し出す存在感。少なくとも最晩年の米朝さんは、愛してやまなかった筆頭弟子が語る落語家としての理想形を、本能的に体現していたと信じてやまない。 
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まあ、おしい人には違いないのだが、末節を汚すこともなく、きれいに人生を終えたということで、大往生ということではなかったか。ご冥福をお祈りいたします。

さて、ばくち好きや、ストーカー事件などむちゃくちゃな私生活で有名な、かの月亭可朝が弟子というのに驚く人もいるだろう。名前を替えるにあたり、江戸時代の月亭生瀬を最初としながら、長年後継者が少なく当時途絶えていた桂派の由緒ある亭号「月亭」を復活させたのは、最もこの弟子のあくの強さにもよるのだろうが、それなりに芸の能力が高いこともあったと思う。確かに時々本格的な落語を披露すると、腕の違いを見せつけるのだが、他方、師である米朝や米朝一門にもこのむちゃくちゃな私生活と、プロダクションの違いなどで、疎遠ぎみというところがある。けど、逆に言うと噺を聞けば、「米朝一門」というのは感じると思う。(このため月亭方正は広義では米朝一門になる)
韓国の新聞がが金日成死亡という誤報を発信したことがある(後に誤報が分かる)。2・3回このようなことがあったようだが、私が覚えているときはTVは番組を特別番組に切り替えていた。この日は土曜日であり、つぶれたのは関東では当時めったにない「米朝独演会」の1時間中継であったのだが、見事に差し替えられてしまった。しかし、国交のない国でもあり、情報は断片的(誤報だからそうなるわな)で、その内アナウンサーは「米朝関係」の話をし始めた。
妻いわく「結果的に米朝の話だよね」

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