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都市間交通と地域間交通の目的混在

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http://toyokeizai.net/articles/-/45068
鉄道+バスで地方の「交通難民」を救えるか  東洋経済オンライン 2014/8/11 06:00 大坂 直樹
 「鉄道が廃止されて栄えた町はありません」――。三陸鉄道の望月正彦社長はこう訴える。
 利用者減にあえぐローカル線が廃止されると、代わって路線バスが沿線の“足”を担うことが多い。だが、バスは交通渋滞に巻きこまれると、停留所への到着が遅れてしまう。バスへの切り替えと同時に運賃が値上げされることもある。
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 次第にバスは利用されなくなり、運行本数が削減される。すると利便性が悪化して、さらに利用客が減るという悪循環に陥る。確かにこんな状況では、バスは鉄道にかなわないと思わされる。

■ 運行の「見える化」への取り組み
 だが、バスが無力かというと、決してそんなことはない。
 埼玉県を地盤とするバス会社、イーグルバスがその代表例だ。同社は川越の観光地を結ぶ「小江戸巡回バス」で有名だが、2003年には路線バス事業に参入。大手バス会社の撤退後に引き継いだ日高―飯能線など4路線を運営し、利用者を増やしている。
 7月15日に都内で開催された「NPO法人交通まちづくり戦略会議」のシンポジウムの席上で、イーグルバスの谷島賢社長がその取り組みについて語った。(中略) 
 イーグルバスのようにさまざまな工夫を施せば、鉄道廃止後の代替バスも健闘できるかもしれない。あるいは、イーグルバスが鉄道事業に進出すれば、赤字路線を立て直せるのではないか。
 これから鉄道事業に進出するバス会社は実際にある。“バス業界の革命児”ウィラー・アライアンスだ。同社は高速バス市場を率先して開拓してきたが、2015年春からは赤字続きの北近畿タンゴ鉄道の運行受託することが決まっている。
受託会社の募集に際して、鉄道会社からの応募は1社もなかった。だが、ウィラーの村瀬茂高社長は、「鉄道を軸として、そこへ機動力のある路線バスをスムーズにつなげば駅へのアクセスがよくなり、利用客を増やせる」と考えている。ひょっとしたら、鉄道とバスが連携することで、赤字ローカル線の利用者減少に歯止めをかけることができるのではないか。
この点について、秋田県の第三セクター鉄道・由利高原鉄道社長で交通まちづくり戦略会議の理事長も務める春田啓郎氏に意見を求めたところ、同社でも、最近になって貸し切りバス事業ができるように定款を変更したという。「自宅が駅から遠いので鉄道を利用してもらえない人には、貸し切りバスが自宅近くまで迎えに行き、駅まで送るといったことを検討している」と、春田社長は語る。(中略)
ローカル線の赤字は、地方の人口減少やモータリゼーションといった構造的要因によるところが大きい。個社の経営努力で改善できる部分は限られるが、それでも知恵を絞れば現状を打開できるかもしれない。
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さて、たしかにイーグルバスはデータの定量化を図り、効率的な運用に対する実証活動(すなわち、運行の「見える化」への取り組み)を行っており、利用者を増加させているという。その取り組みは革新的である。
ただし、冒頭の「鉄道が廃止されて栄えた町はありません」という言葉から、下のイーグルバスの事例に直接つなげることができるかというとこれは飛躍があると感じる。イーグルバスの担っているのは地域内交通・地域間交通のテリトリーであり、かつ地域間交通においてはJR線の並行路線等に代替性がある状況でのもとでの議論であるから、後段の北近畿タンゴ鉄道との比較はかなり議論に無理があると思う。
たしかに、結論を見ると廃止後長年かかって市街地化が押し寄せたという事例ではいくつかの事例があるものの(武州鉄道仙台鉄道のように再度鉄道が来た例もある)一般的にはこのような事例は、北海道中標津町以外には本邦では見えないようである。
定性的な議論になるが、たとえば地域での交通は「地域内交通」「地域間交通」「広域交通(都市間交通)」という区分で整理することができる。地域内交通に関しては教育活動や日ごろの交通という生活に密着した内容を持つが、自動車・場合によってはバイクや自転車との競合に関わる。これに競合するには、相当の地域の住民数などが具備されないと、収益業務にならない。ただこれは絶対的な居住人員ということよりも、地域の高校の配置などのかなり複雑な要因がからむため、一般性が得られないとは思われる。つまり高校生の通学などは「地域間交通」「広域交通(都市間交通)」のどちらになるかは、事例ごとの判断が必要であり紙幅が足りない。
ただし、「地域内交通」に関しては(個人的には違う答えもあろうかとおもうのだが)このようなスキームの構築は方針として出されている。
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人口減社会の足に予約型バス普及支援…政府方針  2014年08月15日 09時03分  Yomiuri Shimbun
 政府は、地方自治体が主体となって「乗り合い・予約型」で小型バスやタクシーを運行する仕組みを本格的に普及させる方針を固めた。
 人口減社会を支える新たな公共交通としての役割を期待している。2020年度をめどに導入自治体数を、今の倍以上の700市町村に拡大させる目標を、交通政策の基本計画に盛り込む。
 この仕組みは、利用者の予約を受けて運行するため「デマンド(需要)交通」と呼ばれる。今年3月末時点で314市町村が導入している。自動車を運転できない高齢者が増えているほか、人口減でバス路線の廃止が相次ぐなどして、ここ数年、注目が高まっている。定時に決まった路線で運行するのではなく、それぞれの家を回って目的地まで送ってくれるのが特徴だ。
 政府は、今年中に交通政策の基本計画を閣議決定し、拡大目標を盛り込む。2015年度からは、予約を受け付けるシステムを構築するための補助金制度を新設し、導入する自治体を支援する。予約型バスが既存のバス路線などを効果的に補い、多くの人が便利になる地域交通計画である。
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三陸鉄道の沿線は国鉄がまだあった時期から地域内交通は、自治体の輸送、一部の地域内輸送で地域間輸送にもかかわる輸送のみが民間バスによる輸送であり、これらも基本地域間輸送があくまで収益ベースであった。
つまりこのような状況を考えるからこその、「鉄道が廃止されて栄えた町はありません」という議論であり、も一つは消極的行動によるリスク回避行動は経済的に疲弊している地域では、一見合理的になってしまう選択でに見えることもあろうと思う。
ウィラー・アライアンスが北近畿タンゴ鉄道の運行を受託するというのが、「鉄道を軸として、そこへ機動力のある路線バスをスムーズにつなげば駅へのアクセスがよくなり、利用客を増やせる」というのなら、今度は出資者でもある地元バス会社(私鉄の資本が入っている)との相反関係に今度はあうかもしれない。こちらもその意味では「政治案件」とも見える。
つまり、概論ではOKだが、ほとんどの場合個別的な内容で動かなくなるという現状に対し、首記の記述はなんら方針を示していないのではと、私は感じている。

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