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真情吐露から自己主張へ

「心のプラカード」は、AKB48の楽曲である。現在では JKT48.もインドネシア語のリリース(Kokoro no Placard)があるようだ。作詞:秋元康 作詞:板垣祐介 
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AKB「心のプラカード」18作連続ミリオンで初登場1位確定   2014年9月2日 05:30 スポニチ
 AKB48の37作目のシングル「心のプラカード」(8月27日発売)が8日付オリコン週間ランキングで初登場1位になることが1日、確定した。発売初週で100万6000枚を売り上げ、18作連続の100万枚以上を記録。通算では19作目。AKB48は「連続ミリオン獲得数」「通算ミリオン獲得数」の男女グループ、ソロを通じた歴代1位記録を保持している。同作は6月の第6回選抜総選挙で選ばれた選抜16人によるシングル。
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まあ華やかな曲である。
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昨年の「恋するフォーチュンクッキー」の誰でも歌いながら踊れるコンセプトとかぶっているという声がある。「プラカード」は「昭和ディスコ」で「恋チュン」は「80年代ディスコ調」という差があるんだとか。これはPVを実在の町(恋するフォーチュンクッキーは福岡市中央区の劇場近くの道路、心のプラカードは静岡市清水区の商店街)で撮ったということもあるかもしれない。ここではこの類似性とかどうこうという話ではない。

上記の歌ではプラカードを表立った印象を出さない心象風景の吐露という形で使っているが、これ自体は過去「演劇に於いてセリフのない役者が発言する上でふきだしのかわりに利用」ということもあるぐらいであるから、さほど目新しいものではない。けど交通誘導や高校野球の入場式、サンドイッチマン等の使用を考えるとまあ、存在はわかるだろう。
そういう事を考える人には言葉の前提が少ない方がいいかもしれない。JKT48版では全体に簡単な「プラカード」をつかっており、「ああ、言いだせないことを示すのに使ってるんだな」というのはわかりやすいかもしれないですな。

一方、デモ行進ではスローガンなど主張を示したプラカードを掲示することで他人に伝えるための意思伝達に用いられる。これは使い方を考えるとプラカードというとちょっと古い人にはいい印象を持たない人が居ることが、スタッフには思いつかないかもしれない。

プラカード事件というものがある。1946年5月19日の「飯米獲得人民大会」という示威運動で、参加者の一人がこんあプラカードをあげた。
ヒロヒト 詔書 曰ク 国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね ギョメイギョジ
これが悪意を持った不敬罪として6月になって検挙されたものである。もっとも不敬罪で起訴されたものの、名誉棄損罪とすることとされ、第一審は不敬罪でなく天皇個人に対する名誉毀損(懲役8ヶ月の実刑判決)、控訴審は不敬罪を認定した上で、新憲法公布に伴う大赦令により免訴(つまり実質無罪)とした。上告審では多数意見として大赦により公訴権が消滅しているので、裁判所は審理をなしえず、控訴審の審理は破棄するが免訴は正しいとした。
当時の食糧事情は国外からの帰還者が多いのに、農地は荒れて復旧に至らず、(そもそも米騒動(1918年)以降、人口増加で米は朝鮮や満州から移入していたぐらいであり、それがなくなった以上供給能力が不足していた)食糧不足の危機的状況を考慮しGHQは北海道から順次食料供給を実行している。このため、単純にデモに政治的目的がないとは言えないらしいが、このクラスの人にこれらの事情を知らせる状況にはなかったようである。
何よりも、食料の需要過多、供給過小が同時に起こっているという中でのこの記述は、現状分析能力があるというより八つ当たりに近い心象風景の吐露であるとは言える。もっとも、この当時は皇室も存亡の問題が常にあり、実際皇居の蔵をあけてもほとんど米はなかった(市民と同等の配給を受ける供給状態であったり、持っていた米も放出していたらしい)という話もあるのだが。このように、「朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね」が真情吐露という形でも、それこそ名誉毀損ということになる場合もある。なお当人は苦学して高等教育を得た人物のようで、後に共産党の専従から共産党中央委員の要職を務めているようだから、人物どうこうというより、情報の偏りという問題に理解を求めるべきという見解もあろう。
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海外でも人権闘争などのシーンであるのだが、安保闘争時期のデモのように火炎瓶が飛ぶ、路面電車の架線が切れる・・・・のを見たことがある当方にとっては、プラカードで練り歩くというのは、「世情」(中島みゆき)のように感じてしまうことになる。だいたい、現代史の授業に「シュプレヒコール」という言葉は出てくるのだろうか。
本当は、示威行動に対する歌だったのだが、実際デモによる逮捕拘束は一時期頻発しており、そのうえ、『3年B組金八先生』の衝撃的シーンである逮捕・連行シーンの挿入歌として効果的に用いられたことで有名になったため、むしろ「逮捕・強制連行」のシチュエーションでのイメージが強すぎる物になってしまった。これと「激やせ否定」とは印象が異なるわけで、私はむしろ後者に動揺した。(参考:http://akbmato.doorblog.jp/archives/8475119.html
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AKB48高橋みなみ激ヤセ報道に「そんなことないんですよ」  トピックニュース  2014年07月31日17時10分
30日放送のラジオ番組「アッパレやってまーす!」(MBSラジオ)で、AKB48の高橋みなみの激ヤセ報道に対して、ケンドーコバヤシが若い頃はふくよかであるべきと力説した。
29日、T.M.Revolution西川貴教が、その日同じ現場だったという高橋を撮影した写真に「また痩せてません?」とコメントを付けTwitterに投稿したのがきっかけで、複数のメディアが「高橋みなみ”激やせ”」と報じた。
そして同番組の序盤、西川がその話題に触れると、高橋もその事がニュースになっていたことを認識したうえで「そんなことないんですよ。食べてるんですけどね全然」と、本人としては”激ヤセ”の感覚はないかのように答えた。
----------------------------後略
もっとも、この「激ヤセ否定」の演出自体はフリップ芸を楽曲に取り入れたともいえ、知恵者が居るんだなと感心する。それでも社会的な意見を心情を含んで提示するということが少なくなってきており、またそのネガティブなイメージがある世代(またそれによって資産的な被害を伴った人が居る世代)にとっては、なかなかこのような楽曲そのものは着想しにくく、作りにくいのではないかと思ってしまったのである。心象風景の吐露自体も社会不安があると人権侵害にロジックを回されるのであろう。
もし、「 国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民 飢えて死ね」てプラカードが清水区の商店街にあったらこれまたこれで異様かもしれないねえ。現下の社会では。

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