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隠して掃除は終わりにならない

年末になってきたので大掃除を考えている。
事務所はどうもよその部屋からゴキブリがやってくるようだ。少なくともこの時期にやっておくことも価値がないとはいえない。
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ということを考えると、ふと目の前に「バルサン」が。
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1954年に中外製薬から発売された燻蒸式殺虫剤であり、当時は高純度のγ-BHCを小型錠剤化したものだったという。ゴキブリやダニにもよく利く住居用の燻蒸剤だったのだが、人に対する毒性も強く、また、異性体の残留問題などがあった。このため現在は使用が禁じられ、より体に優しい成分に成っている。
『バルサン』ブランドは米国の有機塩素系殺虫剤『バルカザン』に似せ、これに元々有していた商標『バルサン』をあてたものだというし、また『バルカザン』から「カ」の文字を抜くことで、「カ="蚊"」を取るという解釈も含まれているだとか。

燻蒸剤は、隠れたゴキブリや見つけにくいダニ・ノミなどの害虫、部屋中の害虫をくまなく駆除できるので、よく使われるのだが、発生する煙で火事と誤認されることがよくある。そういえばサンレッドにもそれが原因で問題になったり、アパートの火災警報機を発報させるという問題点がある。また、うっかり植木などをそのままにするとか、食べ物があるとかすると、これまた厄介である。
さて、空気の流れを可視化手する手法という話にすると世の中にはこういうものがある。
●壁面トレース法・・・油膜法、電解腐食法、感温皮膜法等
●タフト法・・・・・・表面タフト法、タフトグリッド法等
●トレーサー法・・・ トレーサーは、液体など流体の流れ、あるいは特定の物質を追跡するために使うもの
  (直接注入法)注入流脈法、表面浮遊法、感温液晶法等
  (化学反応法)非電解法、電解発色法
  (電気制御法)水素気泡法、スモークワイヤ法等 
  (光学的方法)シャドウグラフ法、シュリーレン法、サーモグラフ法等 、
『バルサン』のくん煙剤は入手性が良く、比重・色相など物性が知られている。いわゆる風洞実験における「トレーサー」は線香とかパラフィン(この場合は電熱線に塗布し、横に張った電熱線に瞬時に高電圧を当てて煙を出させる「スモークワイヤ法」)などが使われるが一長一短があり、風洞の中で写真(しかも暗いところでシャッターを開放して)をとり、色調から濃度などを推察し、それを元に流れを解析する用いるということを考えると線香は品質のばらつきがあるようだ。この場合は注入流脈法としてバルサンをつかうことになる。そのため実験材料として代表的なものとされ、しかも風洞がとかく湿っぽいことになることも考えればバルサンをたいたほうが防虫にもいい。(さらに実験時に蚊やハエは邪魔者でしかない)
そのため、外国の風洞実験に関する書面に燻蒸剤(かっこ書きのなかに(Varsan))というデータベースの記載があり、国際的な論文でもたしかに解析材料として使われた時代があったようだ。昨今はシミュレーションの実験回数が減少するなどがあるが、基礎実験ではやっぱり必要なもので、そうかんがえると、私の場合まだ解析技術が其処まで発達していない時期に研究職にあったのだが、普段は線香の煙をトレーサーとし、時々表面タフトを使っていた。ここぞのときにバルサンを使ったと記憶している。
しかし、殺虫剤を実験機材として扱うというのは、健康面・労働安全面を考えるとなかなか昨今の状況では認められるものではない。其の上燻蒸・燻煙式自体の欠点であるが、害虫を積極的に捕食する肉食性の益虫まで駆除してしまうことで、当座はよくても将来に害虫繁殖を促進してしまうケースがあるということである。よい虫も悪い虫も制御が利かないのが欠点である。
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ところで、ホルローギーン・チョイバルサン(Khorloogiin Choibalsan)という日本人が聞くとなによという人が居る。この人はモンゴルの革命家、軍人、政治家として都市名にも其の名を残す。1924年のモンゴル人民共和国成立後、種々の役職を経て1939年から1952年(没)まで首相兼外相を務め、最後はモスクワ旅行中に客死した。
其の前の政権が対日宥和政策を取ろうとした経緯などがありスターリンと対立しており、スターリンの計画を受け入れたチョイバルサンは自らの独裁権確立に利用し、人民を「日本のスパイ」として処刑した。ソ連の衛星国としてのモンゴルの立場を築くとともに自国軍の近代化を推し進め、表向き親ソ路線をとりながらもその実独立を維持した。このため自国民を大量粛清した独裁者の視点はあるものの、独立を維持したことや、ソ連の中のスターリン時代の大量粛清が伝わっていることから考えると、隣接国との比較からしかたがないという見方をされており、むしろ国内の近代化を推し進めたということを評価するなど、そこまで悪人とはされていないらしい。
ただ、13年の間、しかも没まで首相の位置にあって、後続の政治にも、もともと地政学的に難しいモンゴルの国家的存立はソ連に依存・癒着し、中国を敵対化した政治体制から変わることのできる余地も人物もこの政治体制は育てなかった。親日は是か非かという議論はここでは隣接国との直接的問題対峙の問題で意味をなさない(あくまで一時期隣接した満州国は日本国の傀儡であっても形上は独立国である)が、どっちにせよ「害となる人」の処置のために、「益となる人」まで駆除してしまうことが、当座はよくても将来に害の系譜を伸張させてしてしまうケースなのはまさに『バルサン』と通じるものがある。ちなみにこの2つは時期がダブっていない(苦笑)。
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権利侵害6割超…特定秘密保護法案で調査    [2013年11月24日19時48分]日刊スポーツ(共同通信配信)
 共同通信社が23、24両日に実施した全国電話世論調査によると、特定秘密保護法案が成立した場合に国民の「知る権利」が守られるとは思わないとの回答が62.9%に上った。守られると思うとの回答は26.3%だった。法案をめぐり与党と日本維新の会、みんなの党が修正合意したが、法案への賛成は45.9%、反対は41.1%と割れた。知る権利が侵害されるとして反対が根強いことが浮き彫りとなった。
 安倍内閣の支持率は57.9%で、10月下旬の前回調査から2.8ポイント下落した。不支持率は0.8ポイント減の26.2%となった。支持理由のトップは「経済政策に期待できる」の30.2%だった。
 最高裁が昨年の衆院選の「1票の格差」を違憲状態とした判決については「どちらかといえば」を含め計61.1%が評価した。評価しなかったのは計23.0%だった。
 次期衆院選に向け選挙制度を抜本的に見直すべきだとする回答が46.2%を占めた。1票の格差をさらに是正すべきだとの回答は30.0%、現行の区割りのままでよいとする回答は12.8%にとどまった。
 定数配分に関しては、50.7%が人口の少ない地域への配慮を求め、1票の価値を平等にするため人口比例の配分を望んだのは44.1%だった。
 政府の減反政策廃止の方針に賛成したのは50.2%で、39.1%が反対を唱えた。環太平洋連携協定(TPP)への参加賛成は53.9%で、反対は33.4%だった。
 東京電力福島第1原発事故に伴う除染などへの国費投入については、「どちらかといえば」を含め計68.1%が理解を示し、理解できないとした計30.8%を上回った。
 政党支持率は、自民党が前回から1ポイント減の43.6%で、民主党6.9%、みんなの党4.9%、日本維新の会と公明党は3.9%、共産党3.0%、社民党1.7%、生活の党0.5%、新党改革0.1%となった。支持政党なしは30.4%だった。
--------------------------------------終了
政治的な問題でなぜこのような治安維持法の再来のようなものがいまぞろ出てくるのかねと思う。
私は国際政治的な側面とか、それこそ海外での公電露呈に伴う政治的不安定、さらにはどの国でも出てきた政治的安定を求めるための外野による意見が余りにも活発になって、「決められない政治」が自由な意見による活発な政治の足をひっぱるようになったといえるからこその結果と考えている。過去の治安維持法が、関東大震災の2年後、かつ普通選挙との同時の施行であることを考えると、いくばくかの類似点を感じる。それはそうなのだが、今回の場合はIT情報化という問題が促進した側面もあるのか、世界各国で同じような問題が同時に生じだして居るのだということだろう。そして皮肉なことに、自由な意見による活発な意見の相互提示の一例・一切片がこの引用したような世論調査の存在にあるということだってありうる。
「害となる人」の処置のために、「益となる人」まで駆除してしまうことが、当座はよくても将来に害の系譜を伸張させてしてしまうケースになるという懸念は、まあすべての行為には混ざるものとは言えるのだが、過去現在未来において排除したくても排除できない性なのだろうと、ある意味私も無常を感じているのである。

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