« 政治家に求めるものは何か(2/2) | トップページ | 承認欲求よりも実務的な養成であろうが »

なーんだ、人材育成か

--------------------------引用
企業による恋チュン動画投稿 「人材育成効果も」と経済評論家 NEWS ポストセブン 11月17日(日)7時5分配信
 AKB48のヒット曲『恋するフォーチュンクッキー』に合わせて踊る動画がネット上で大ブームとなっているが、個人だけではなく企業や地方自治体が積極的に参加しているのがこの現象の特徴だ。彼らはただブームに乗っただけではないはずだ。企業や地方自治体が恋チュン動画を投稿する狙いはどこにあるのだろうか?
 指原莉乃の初センター曲として初登場チャート1位になったこの曲。わかりやすくてキュートな振りつけがうけ、動画サイトにダンスをする姿を投稿するファンが増えていった。その後、YouTubeの「AKB48公式チャンネル」では、企業や地方自治体も参加し、それぞれの従業員らがダンスを踊る動画が相次いで投稿された。現在、神奈川県、佐賀県といった地方自治体から、企業ならサイバーエージェント、サマンサタバサグループ、ジャパネットたかた、タクシーの日本交通まで、あらゆるジャンルの団体が参加している。
ブログランキング・にほんブログ村へ
 神奈川県庁の担当者によると、黒岩祐治知事がAKB48の関係者から企画を持ちかけられたことから制作が決まったという。制作費は約43万円で、県と県の観光協会が負担した。撮影は県側が行ったが、動画の編集はAKB48サイドに依頼したという。

 ほかの団体も、必ずしも自らAKB48サイドに参加を働きかけたわけではないようだが、いずれも参加することのメリットを考えて参加を決めたのは言うまでもない。
--------------------------中断
まあ、なんだかなあという感じを思っている。その旨は先に述べたしわかるところもある。
http://dehabo1000.cocolog-nifty.com/holder/2013/10/post-b371.html
http://dehabo1000.cocolog-nifty.com/holder/2013/11/22-6e01.html
そこで、下記のような視点はやっぱり出たといっていいだろう。
-------------------------再開
 経済評論家のH氏は、経営的な視点から「誰もが知っている人気アイドルであるAKB48の知名度によってr自分たち企業や自治体のブランド力を上げようという狙いなら目新しさはないが、この戦略は別次元」と指摘する。
「企業や商品をPRするための戦略として、インターネットなどを利用したバズマーケティングという手法があります。いわゆる口コミです。ところが、飲食系の口コミサイトで発覚したやらせ広告などによって、口コミ自体の信用性が低くなってきた。そうしたこともあって、スポンサーサイドとしては近年、企業や商品をPRするためには、まず、透明性、信頼性を高めることを戦略の主眼にするようにし、基本は自前で、かつ、スタッフの見える化がその証明を図れる手法であると考えています。
 そして、スタッフを参加させる目的のもうひとつが身近さ、親近感の提供と共有にあります。最近のバズマーケティングでは、その企業や商品を売ることを目的に置くのではなく、公益性、公共性に主眼を置き、幅広く参加し、その内容を共有し、多くの人に拡散してもらう。その商品と企業と関係ないサービスを提供することによって、結果として高い広告効果をあげる手法が増えています。
 日本交通も、サマンサタバサも直接、AKB48や曲と関係している企業ではないですよね。この点では、AKB48など、最近のアイドルユニットが、身近な存在で親近感があることも、そのイメージを共有してもらう上でもわかりやすいということでしょう。『恋するフォーチュンクッキー』が流れたときに、サマンサタバサ、サイバーエージェント、日本交通、神奈川県、佐賀県=AKB48、というように頭の中で“身近”というイメージを一致させる効果が生まれています。バズマーケティングとしては、今後の王道といえる戦略です」(H氏)
 動画の再生回数はサマンサタバサが430万回、サイバーエージェントが310万回、ジャパネットたかたは170万回、日本交通は120万回を超えている。地方自治体では、神奈川県バージョンは250万回を突破した。「いずれも極めて高い広告効果があったと言えます」(H氏)。
------------------------中断
初め、バズマーケティングってのはどういうものかわからなかった。buzzというのは英語で機械音やハチの羽音のごとくがやがやいうという側面もあるのだが、一見、説得力があるように見えるが、具体性がなく明確な合意や定義のないキーワードをバズワード(英: buzzword)ともいうので、感覚としてつかみにくかった。
どうも口コミをマーケティングと考えた場合、漠然としたイメージを消費者に植え付けるの時に使われる用語で、たとえば、漠然かつ肯定的な連想、興奮、商品やサービスの予想を植えつける材料ということらしい。また、既得権益を持つと認識されている企業よりも個人を信頼しやすいという状況下で成り立つ傾向がある。そしてまたソーシャルメディアと親和性が高いというのも想像がつく。
過去の分析ではバズマーケティングの効果が強い製品や企業もあるらしい。その意味では選挙における活動も、バズマーケティングの側面もあるのではと思う。其の分「嘘も百回言えば真実となる(ナチスドイツの国民啓蒙・宣伝大臣。パウル・ヨーゼフ・ゲッベルスの言葉)」という側面や「交差ネットワークによる二度聞き効果」(参考)が出てくるという側面は否定できない。
要するに既存のマーケティングに対し、やらせとか、ステルスマーケティングだとか(この用語自体を使うことは誤用であろう)という視点が出てきて、実際このやらせという見切りによって、正当に行った広報活動が効果にならないどころか負に働くことが事例として出てきており、その意味では

飲食系の口コミサイトで発覚したやらせ広告などによって、口コミ自体の信用性が低くなってきた。そうしたこともあって、スポンサーサイドとしては近年、企業や商品をPRするためには、まず、透明性、信頼性を高めることを戦略の主眼にするようにし、基本は自前で、かつ、スタッフの見える化がその証明を図れる手法であると考えています。
という見方を模索している間で出てきた視点であり決してメジャーな広報戦略にならないという、おのずから限界のある広報戦略であろう。
むしろ私は、こちらのほうが重みとしてあるのかなと思う。
-----------------------------------再開
 さらに人材育成の効果も見込める、とH氏は指摘する。
「これは、企業自体のスタッフのモチベーションの上昇、想像力を高めるきっかけにもなり、企業の人材活力の上昇にも寄与します。むしろこれらの人材育成予算で見た場合には、お金には換えられない効果もあったといえます。特に自治体の職員はまじめ一徹でイノベーションが起こりにくい環境ですから、佐賀県はITイノベーション、住民自治イノベーションなど先駆的な取り組みもしており、神奈川県のイノベーションなども起これば、面白いのではないでしょうか」(H氏)
---------------------------------中断
たしかに、この指摘はかなり強くあると思う。
サマンサタバサの画像を見ているとどっちかというと日ごろ顧客と接している営業サイドの人が中心にでていて事務系スタッフが其の中に混ざっている。サイバーエージェントの場合も近い。
日本交通はタクシー会社なので運転手はそのままお客さんと接する業務である。
これらの場合は、どうしても業務そのものはルーチン的であり、感情労働的な側面で付加価値を求められる側面がある。まあその意味では末端の職員にとってはイノベーションを求められていても、そのイノベーションを発揮する場所に対する場所を、自ら確保しなければならない。そのなかで、このように集団的・協調性を求める
神奈川県・佐賀県・猪名川町の場合は、「神奈川県の官庁職員」という言いかえをした場合には似ている。特に水道局とか観光施設とかは日陰の業務という側面もなくはなく、スタンドプレーが余り向かないことが、守旧的になりがちなところが見える。其の守旧的な雰囲気を一部でも打破し、しかし協調性をもどちらかといえばリテールサービスないしはそれに近い職種ということである。
同時にこの企業は、見識あるオーナー(創業者とは限らない。たとえば日本交通は創業者の子孫が経営している)が高いリーダーシップを取っており、其のリーダーシップにある程度同意した人が集まっているという同族性の高いことが企業の存在価値向上に繋がっているといえるのである。また、其のリーダーシップに同意することがむしろ少なくただ単に階層的職種の中で黙々としごとをするが、トップダウンがどうしても強くなるような機構になっているのが民選される首長を頂く、地方自治体の同調的志向とも言えるだろう。

となると、逆に会社の中で群れないことを存在価値とする企業には、これらの活動は人材育成にはならず、むしろ企業の存立意義を否定することになりかねないのである。研究開発型だとかトップ牽引という経営になじまない企業の場合は、このように「ダンスによる企業の総合力を高めよう」という形を取ると、やれ無駄遣いとか言う意見がでてしまい。逆効果どころか優秀な(そして我が強い)社員の離反を招いたり、そうでなければ株主総会で古参の基幹株主が文句をたれる羽目になるのが関の山である。
つまり顧客に平均的な同質性を提供できる同質性のある職員を求める場合には、このような形でのモチベーションアップはきわめて有効と思う。しかし、欧米的な個人が際立った世界を求める場合に「職務として」映像への参画をすると、同質化を否定するからこそこの企業で仕事をしているのにといった人を多く抱える企業ではなじめないのであろう。
なお、下記のような意見もあるが、この事例は似て非なるものではないかと考える。
-----------------------------------再開
また、企業や自治体のトップも自ら踊っているが、「外国のトップが使う戦略に似ている」と言うのはN大学教授のU氏だ。
「アメリカでは大統領が自ら出演するジョークのビデオを作ったりしていますし、イギリスではロンドン五輪の開会式で、ジェームズ・ボンドとエリザベス女王が共演したりもしましたよね。海外ではこういうことをやっても、大統領や王族の権威が落ちることはありません。むしろユーモアセンスがある人ということで親しみも高まり、イメージがアップしていきます。もちろん、彼らはそうしたことをわかった上で、やっているわけです。『恋するフォーチュンクッキー』の動画投稿においてもトップ自らが出演したことで、彼ら個人だけではなく、その団体のイメージが高まる効果が生まれています」(U氏)
 彼らはただ踊っているだけではない。さまざまな戦略が隠されていたのだ。
----------------------------------終了
うーむ。これはたとえば神奈川県知事が一人で踊っていれば、まあ成り立つであろう。しかし、この文章でもあるように、「海外ではこういうことをやっても、大統領や王族の権威が落ちることはありません。」というが、日本ではややもすると会社の金を使って、イメージのみというリターンが明確でないものをやられてもなあ・・・とか、某磁気医療機器のCMのように広告コストの削減とか言わない限りなかなか成り立ちにくいと思う。

ユーモアセンスの発露は、有能な人物という感じであるが、日本のみならず東アジアでは(特に韓国は日本より強そう)職務に対し誠実でないという見方をされ、むしろ市民感情としては悪くなるということがあるのである。そして社員と一緒に
そう。たしかにただ踊っているだけではないく、さまざまな戦略が隠されていたのだが、其の分戦略におぼれているという場面もあるのだろう。少なくともある職種においては、社員の資質の平準化が求められる場合には絶大な効果を発揮するし、またそのような業態がたしかにおおいのではとおもうが、企業の特性を見ながら使わないと非常に難しい広報戦略と人材育成・社風構築ツールであると考える。

|

« 政治家に求めるものは何か(2/2) | トップページ | 承認欲求よりも実務的な養成であろうが »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/58595072

この記事へのトラックバック一覧です: なーんだ、人材育成か:

« 政治家に求めるものは何か(2/2) | トップページ | 承認欲求よりも実務的な養成であろうが »