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続:デザイナーとエンジニアの中間

ちょっと前にこういう文章を書いた。
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http://dehabo1000.cocolog-nifty.com/holder/2013/06/post-e560.html

(前略)この雑誌の連載にはなかなか興味深いものがある。この記事はワークショップにおける「中間の立場でデザインと技術の両方を洗練させる」というのを実践させているのが面白い。ただし、本当に中間の立場というのが取れるのかというと私は疑問である。
割と似た位置にプロダクトデザイナーという呼称がある。エンジニアリングメインの上にアートデザインの資質が重畳されているのがプロダクトデザイナーというなら、デザインエンジニアと呼称するのはアートデザインに加え解析行動にエンジニアリングを用いるように考えたという概念の積み重ねの違いなのかなあと思うのである。(後略)

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この内容を読んで、「基本的にプロダクトデザイナーと、デザインエンジニアはまったく相容れないもので、割と似た位置という表現はきわめて理解不足ではないか」ということを強く指摘する人がいる。ううむと悩んでしまった。
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確かに大きく異なった側面は否定しないし、あえて言うとデザインエンジニアが開発工程前期・企画段階で主務を行うというところに対して、プロダクトデザイナーは製品を実製品なり成果物を作り出す機構を誘導構築するという業務まで幅広いところがあると認識している。

本当にいい表現とはいわないが、一番一般人にも分かるよう平たく書いている事例(Wiki)を使い、手短にをまとめてみると・・・
プロダクトデザインは、工業生産物や製品のみならず、製作物(ある計画によって生み出された成果)全体をデザインする行為である。さらには、近年においては、「もの」だけでなく「こと」のデザインが重要であるという内省的な意識もあり、プロダクトデザインとは即「モノゴトのデザイン」であるとも言える。また、プロダクトデザインを行う技術者をプロダクトデザイナーという。
ただし、プロダクトデザイナーには、工業製品本体のデザインを行うのみでなく、家具や食器、パッケージのデザイナーも含まれ、場合によってはデザイン的方法論を導入する作家までを包括する場合がある。このため、関与するプロジェクトによってはグラフィックデザイナーやファッションデザイナーと同様の作業を行うこともしばしばであり、このため実際の仕事は多岐にわたる。

現実にはプロダクトデザイナーの意味は、本質的にデザイナーとほぼ同義という表現も見られる。それに対してデザインエンジニアはその一部の要素とまた製作物が形になっていない要素検討・新規性の構築・立案を含むものと考えていると定義するならばまあ異なるのかなあという気もするのである。
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ただ実務運用の面において、主なプロダクトデザイナーの仕事を見てみると、否が応でもデザインエンジニア領域に踏み込まない以上業務が何も進まないような仕事を、「なんとかする」様な形で実績を作ってきた人が多いし、企業を対象にした業務の中では、あえて生産経済性を低くしてもとるべきというせめぎあいの選択が多いなら、そのための説得というほうがほとんどの場合業務内容になっている。
もちろん、プロダクトデザイナーといってもインダストリアルデザイナーより姿勢を持ち、具体的な製品のデザインを考え、素材の開発や設計に関与してもあえて、生産システムまで踏み込んだ姿勢を強くは持たないことで、折り合いをつけるのも業務としてはなくはない。しかし、全体をデザインする姿勢を顧客が求めるとなると、たしかに業務の特性として、プロダクトデザイナーと、デザインエンジニアは職分は異なるとはいえども、同一資質の人間が場に応じてプロダクトデザイナーとデザインエンジニアの顔を使い分けなければならない場面のほうが一般的には多いのではと思っている。だったら、まったく相容れないという内容を二刀流で使うことしか実務上もとめられていない環境の下で仕事をするのであれば、基本的にプロダクトデザイナーと、デザインエンジニアはまったく相容れないというより、やや技術企画などに有利な視点を持っているプロダクトデザイナーという志向で現実はかまわないのではと考えている。そして、デザインエンジニア的視点を重視するか、インダストリアルデザイナの視点に重きを置くかというのは、その各自の思想で、統制や定義で調整するものでないとあくまで私は考えている。
ただし、「エンジニアリングメインの上にアートデザインの資質が重畳されているのがプロダクトデザイナー」というなら、「デザインエンジニアと呼称するのはアートデザインに加え解析行動にエンジニアリングを用いるように考えたという概念」というのはすこし定義を狭くしすぎたというのは指弾されてもしかたがないかもしれない。

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