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企業の中の氏名の扱い

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「勤務先で韓国名強要された」在日男性が社長を提訴 静岡地裁  2013.7.29 12:34  サンケイスポーツ
 勤務先の社長に同僚の前で在日韓国人だと公表され、通名でなく本名を名乗るよう強要されたため精神的苦痛を受けたとして、静岡県の40代男性が社長に対し、慰謝料300万円を求めて静岡地裁に提訴していたことが29日、分かった。
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 訴状によると、男性は韓国籍で、長年通名を使用している。社長は昨年11月、会社で男性に対し「朝鮮名で名乗ったらどうだ」などと発言。男性は「今のままでいいです」と拒否したが、社長はその後も繰り返し本名を名乗るよう求めた。

 今年4月には男性が韓国籍だと知らない同僚もいる前で「この人は在日韓国人だ」と発言、男性の人格権や尊厳を傷つけたとしている。
 男性が6月に提訴した。勤務先の会社は取材に「コメントしない」と話している。
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労働の際、通名強要 在日男性の訴え30日判決   2013/1/29 15:55  神戸新聞
 大阪市内の工事現場で、本名(民族名)でなく通名で働くことを強要されたとして、尼崎市の在日コリアンの男性が、日雇い労働者として雇用した建設業者や元請けの大手ゼネコン、国などを相手に100万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁で言い渡される。男性は「本名がアイデンティティーを支えている。通名を強要される痛みを知ってほしい」と話す。被告側は「通名を押しつけていない」などと反論している。
 原告の男性は尼崎市のKさん(52)。訴えなどによると、Kさんは2009年9月、日雇い先の大阪市の業者から電話を受け、以前本名で働いたことがある大阪・梅田のビル建て替え工事の仕事を紹介された。その際、業者の担当者は「今回は通名で」と、通名使用を求めた。
 Kさんは「本名でいきたい」と話し、事務所を訪問。しかし、業者は、Kさんのヘルメットに貼られた名前の「・・・」のシールをはがし、「・・・・」に貼り替えたとされる。
 Kさんは「通名使用を拒否すれば仕事ができなくなる」と不安に駆られ、この現場で約3カ月半、通名で働いたという。
 業者側は、通名の強要はないと反論し、「通名なら(手続き上)すぐ働ける」との打診にKさんが同意したと主張している。また、Kさんは元請けのゼネコンに対しては監督責任などを問い、国には事実上通名を強制する人権侵害の救済策を怠ったと訴えている。(注:大阪地裁では原告敗訴となり、大阪高裁に控訴した。)
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結果的にアイデンティティーのよりどころをどうするのかの問題である。
日本人でも通称(通名とは大きく違うのだが)を業務で使わないわけに行かなくなっている例はある。ある外資系会社と技術的打ち合わせをしたときに、くる技術者・社員の名詞に漏れなく「ミドルネーム」があることに気がついた。それとなく聞いてみると・・・
(1)親会社の交渉時に、名前が読めないということだけで、帰属意識を疑われたり仕事に疎通を欠き、当人の語学力があっても実質的に仕事にならない。
(2)日本語の発音は、欧州・北米(この親会社が用務を全世界に行っている)の人間では難しく、発音できない。
(3)先にこの会社は香港に駐在員を置いていた経緯があり、それに習った指示である。特に香港では(その前の英国領といっていいのか・・・の経緯もあって)在住者が英語の名前を持っているため、なんら問題がない。
ということである。つまり日本の名前で商売をするのは少なくとも人種差別の意図は希薄でも、現実には必要性が存在するという問題で、アイデンティティーと職務能力は相反関係になり、双方成立つものではないというのである。
実際、日本人の中でもなれないとか屈辱とか嫌って退職するものもいるようだが、そもそも雇用時にこの前提を提示して雇用する上に、英語に慣れた人を雇用するという現状では、問題は今はないということである。ただ、やっぱり企業によっては嫌がる事例もあり、そのときは商社を噛ますそうだ。

となると静岡の場合は、勤務先の雇用時に日本国籍を持つこととか(もっとも在日韓国人でも韓国の名前を持っていることもあって一律にはいえない)そうでなくとも、通名をつかわないという雇用契約ならこのような問題は成立ちにくい。中途で雇用契約を変更させるということが、このようにリスクを生じるということは多々生じることである。どうも、これは雇用体制の上で何らかの他の理由があって(人員整理とか)その過程で精神的苦痛を与えようというハラスメントに近い可能性もある。
後者の場合は、当のKさんがかつて通名で仕事をしていた時期があるということに、もともとの議論がありそうだ。(なお、このKさんは高等教育も受けかつては通名で会社を経営していたのだが、この通名使用もあってか会社がつぶれてしまい、以降本名しか使わないということを旨としているという記載もある)たとえば現実的に施工業者の中で韓国名があると、いきなり忌避する事業者(作業をやっている下請け。これらの業者の中に忌避する人がいれば元受が苦労することになるが、指導などで調整できなくなることは施工管理・工程管理・安全管理という問題が起きてしまう一方、民族的な忌避は教育指導ではすでに不可能になっているという意見も聞く)が出てくるとか、種々の想定があるのだが、類推も多く明確には示さないでおく。
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ただこれらの問題を考えると、彼らの場合母国の氏名での業務活動が、従来からなかなか難しいということが浮かび上がる。だからこそ民族系の金融機関が中国と韓国ではあるわけともいえる。つまりこれは、アイデンティティーを持つことによって日常生活が難しくなるという社会の問題があるのなら、アイデンティティーと職務のいずれかを放たなければならないというのがやっぱり必要というのが、日本では現実的になってしまっているのだろうと思う。
けどそうなると、結婚した人が旧姓を職場で名乗るというのも問題になるのではと私は思う。(最近はこれは便宜的に使われているが、以前は認められていなかった企業が圧倒的に多かった。で今でも一部の業界ではそういうい慣例が定着しているようである)そのあたりの整合性がこれらの企業でなされているのかなど、本当は付帯内容が明らかになれば・・・いやそれこそ各人のアイデンティティーに絡むか。

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