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道義にのっとった恫喝(1/2)

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下地氏も同席 橋下発言、司令官と面談時   2013年5月17日  琉球新報
 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が従軍慰安婦を容認し、在沖米海兵隊に風俗業者の利用を促す発言をした問題で、同党と政策協定を結ぶ政党そうぞうの下地幹郎代表は16日、支持者を集めた会合で、橋下氏が在沖米軍司令官に同発言をした場に同席していたことを明らかにした。
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 下地氏は当時を振り返り、「橋下氏は米軍に綱紀粛正を問いただしていた」と擁護。下地氏によると、橋下氏の発言は、事件・事故の防止に向けた綱紀粛正策を、橋下氏が司令官に問いただした文脈の中で出た。司令官が綱紀粛正策について「フィットネスとジョギングだ」と繰り返したことに、橋下氏が返した発言と説明。下地氏は「米軍の姿勢を非難するためにこういう(風俗という)表現になった」と述べた。

 一方で、橋下氏が風俗という表現を使ったことは「間違いだ」と指摘。「誤解を与える発言をしたなら謝らなければいけない」と指摘した。
 米軍報道官による批判については「米軍が橋下氏を批判すること自体おかしい。事件を起こしている側は米軍だ」と抗議し「事件が1件もなければ、『風俗』という発言もあるわけではない」と持論を述べた。
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軍エリートの門出に警鐘 性犯罪深刻化で米政権  2013.5.26 10:00 [米国]  産経新聞
 米軍内で性犯罪が深刻化する中、オバマ大統領とヘーゲル国防長官が24,25の両日、士官学校の卒業式で警鐘を鳴らす演説を行った。米軍の将来を担うエリートの門出に贈る言葉だけに、米政府の危機感をあらためて浮き彫りにした形だ。
 オバマ氏は24日、メリーランド州アナポリスの海軍士官学校卒業式で「性的暴行を行う者は単に罪を犯すだけでなく、軍の強さを支える信頼と規律を危険にさらしている」と強調した。
 ヘーゲル氏も25日に行われたニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校卒業式で「性的な嫌がらせや暴行は深刻な裏切り行為だ。この悪疫は根絶しなくてはならない」と訴えた。
 米軍では最近、悪質な性犯罪が相次ぎ、ウエストポイントでも教官によるシャワー室の盗撮が発覚したばかり。米兵が関与した性的暴行の報告数も急増しており、米政府は綱紀粛正に向けた対策を迫られている。(共同)
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東国原英夫「橋下『風俗活用』発言で『風俗問題の経験者』として意見求められた」2013年5月28日(火)19時49分配信 J-CASTニュース
日本維新の会の東国原英夫議員(55)が橋下徹共同代表(43)の「風俗活用」発言について、小沢鋭仁国対委員長(58)から意見を求められていたと5月28日(2013年)のツイッターで明かした。
「風俗問題の経験者として、こう言う場合はどう対処すべきでしょうか?」と真剣に相談されたといい、「『風俗問題の経験者として』の部分は内心(笑)『ほっといてくれ』と思った」と話している。東国原議員はタレント時代の1998年に当時16歳の少女が働く風俗店を利用し、任意の事情聴取を受け、その後5か月間にわたり芸能活動を自粛していた。
東国原議員は「勿論、今回の橋下発言と15年前の僕のケースは違う」と話しつつ、「この部分に関しては、弁明や釈明や理論構築が困難な領域なので、潔く即座に謝罪し撤回すべきでしょうね。その方が印象は良いと思います」と答えたという。
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橋下氏の発言が話題となっておりますな。
まあ、品性という話、セックスワークの主体性などによる議論については元々、どの道主観異存である話になり、結論が出るものでない。倫理ベースに議論をすると主観が入り込むことを逃れることは出来ないし、純論理的に議論をするには、生物学などの議論に入ってしまうと研究できない内容がそもそも多く、「仮定」のロジックの中で埋もれる。筆者の主張が激しいとは言え、ある意味http://blog.tatsuru.com/2013/05/29_0836.phpなどは、問題を冷静に分析している。元原稿は10年ぐらい前のものらしいがここも最後は、理論がどうであれ、現実的倫理指針に筆者は帰らざるを得ないジレンマになっている。そしてよき解決策などそもそも存在しないということを「結論」としている。
しかし、現実的倫理指針に筆者は帰らざるを得ないジレンマの文言にも、それでも私には悩むところがある。
『売春は身体が発する信号の受信を停止し、おのれ自身の身体との対話の回路を遮断し、「脳」の分泌する幻想を全身に瀰漫させることで成り立っている仕事である。そのような仕事を長く続けることは「生き延びる」ために有利な選択ではない。』
生き延びることが倫理面で絶対的真理であるから成り立っているなら、戦争自体がそもそもこの絶対的倫理指標から外れている。「生き延びる」ということが部分的に否定された、あたかも桜の花のごとくぱっと散ることさえ奨励される場合には、この言葉はまったく正当性を持たない。「生き延びる」ということを求めない、ないしは求め得ない社会の場合はこれらを語ることさえ傲慢ではとさえ思う。
おおよその労働力商品の供給することによって得る対価には、少なくともこのようなロジックの合わない側面がどこかにまぎれ、感情労働に係る業務にはこのようなものが多く係る。現実に合わないことを言う事が正義として論破や論議のまな板に乗る場合でも同じように「脳」の分泌する幻想を全身に瀰漫させることは免れない。カルト宗教にかぎらず、旧来の宗教でもその修行段階で「悟りを開いた」に値する場合(それは肉体労働時にもあるという)とて、よくよくみると「脳」の分泌する幻想を全身に瀰漫させるというほうが妥当性があるといえる場合もあろう。
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私個人、責任ある業務として、自信を持ってかつ職務選択の中の領域の中で胸を張ってセックスワークの仕事をしている女性・男性が居ることも知っている。また、その人たちが多数決の中や固定概念の中で決まることを善とすると、消極的な社会への追従になるという限りないストレスがあるようだ。少なくとも弁護士という職業に係った橋下氏は、この現実と差異についてはおぼろげながら気が付いていたのだろうが、これらの論議でさえ属人的である。その意味では東国原氏の発言「弁明や釈明や理論構築が困難な領域」というのもさしずめずれた回答ではない。
さて、東国原氏に『風俗問題の経験者として真剣に相談した』るという国体委員長は、この話の前提も論点も全く理解でていないことを露呈しており、なんだかなあという気もしてくる。というのは東国原氏が風俗店の利用で任意の事情聴取を受けたのは、当時16歳の少女が18歳以上に年齢詐称(むしろ誇り高きセックスワーカーとして)で働いていたという法規的かつ形式的問題点というほうが現実的には大きいからで、もし法規的な問題以外では問題は道義的な問題になってしまうからである。
その意味で、品性という議論で踏みこんだことは問題提起としてはあり、そこをわかって地雷に突っ込んだならすごいかもしれないが、むしろこのような多元的な問題を言うことに、予防線を張れないという現実の混沌について、理解することをよしとしないという「正論」がもともとどこにもないという認識に、問題のやっかいさがあると思う。
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ところで、このような倫理的に恣意性が深い内容に対し、私は視点を向けるのでなく交渉手法に考察をしたい。
『下地氏によると、橋下氏の発言は、事件・事故の防止に向けた綱紀粛正策を、橋下氏が司令官に問いただした文脈の中で出た。司令官が綱紀粛正策について「フィットネスとジョギングだ」と繰り返したことに、橋下氏が返した発言と説明。』
という文章を見ると、在沖米軍司令官が思考停止をしていると思われる言動に対し怒り、なおいっそうの解決策を出す気がない問題点から「こっちがここまで踏み込むから、米軍側に後一歩踏み込んだ判断行動を迫ったのと、問題としてはそこまで切羽詰まっているというかなり強力な(聞く側の意識によっては人格的な破綻を招く)恫喝にかなり近い行為とも言える。
窃盗や強姦などの非道徳的行為は、古い教科書には昇華(sublimation)なる防衛機制が一つの倫理的行為として言われている。心理学・倫理では社会的に実現不可能な目標・葛藤や満たす事が出来ない欲求があった場合、別のより高度で社会に認められる目標に目を向け、その実現によって自己実現を図ろうとすることをいう。満たされない性的欲求や攻撃欲求を芸術という形で表現することは昇華と言えるが、是自体も問題から逃げている逃避ではというとうーんとなってしまう。上記のように幹部における軍人はこのような昇華という行動で理知的に行動する能力を持つという訓練、行動指標が想起できるからこその幹部である。
そして、このような行動規範が指導できること、指導できなくても率先垂範できることはあくまで階級社会においての業務における絶対的統制行為であるのだが、現実面ではこの行動を「フィットネスとジョギングだ」といっている段階で、統制行為の文化的・人権的なところから、司令官の職務権限ではすでに手を施す手法がないという認識であろう。そしてこのような軍隊の兵隊にまで行動規範を強制することができない。つまり手詰まりの状態である上に、そこに対し更なる譲歩を出すということは、そもそも司令官の裁量を超えているという意思表示である。つまり思考停止という形であるという攻め方は、国の総意であるということで交渉決裂といたったわけである。そして、兵の倫理的問題を少なくとも沖縄県民が期待するような方向性に行くことはたぶん無理とみなしていると思う。(というのは、米軍駐留地域の中で日本でのこのような問題はもっとも低いレベルになっているという、ほぼ限界値にきている上に国によっては、このような商人が門前市をなす状態になって、統治上問題になっているように問題解決の方向性が、現行の米軍の立地環境ではなしえないからである。
ボトムアップ的社会構造から見ると、このような低次元の欲望を満たすということは理想理念からみて、実現性が乏しいのなら、現実的な対応でということになるが、これは逆に階層で社会秩序を保つ他国には理解できない議論である。むしろ日本や韓国であれば成り立つ。困線の下にある人が日々の性格資源の困窮のために行うのはこの業務という見なしかたが、むしろ日本や韓国で通用しないのである。(韓国は貧困線という基準とは違った問題点として労働力需要のひずみがある。)
つまり、議論に対し橋下氏は品性ということをかなぐり捨て、現実面の妥当性を踏み込ませることまでかけた。しかし品性を保つことも使命である国軍の指揮をする幹部にとっては、自分の職務の上から相容れないということに終始したことだが、これを橋下氏は誠意・解決をする当事者能力なき思考としたのだが、まさか現実的解決自体が国の威信をかけてまで拒絶され、下手すると撤収することになりうるとは思わなかったのであろう。これではやぶへびであるし(国の威信としてはともかく、地域住民には撤退をよしとする意見もあるのだが、こちらはこちらで橋下氏の考えていることと会わない)
また、実際風俗を使ってこのような問題が解決できるかというと、疑問という話もある。民族の差もあるし、軍の中の規律をもらす憂いもある。個々の倫理的概念までは拘束しないというアメリカの感覚もあるし、さらに性的な問題を自律的に管理することは、個々の資質と責任範囲に含まれる(のだが、そのような資質を持たない人物をたくさん抱え込まなければならないという現在の兵士に対する問題はすでに解決できないと考えているようである)。さらにことに米軍では男性による問題発生もあるが、女性による性的問題・事件もそれなりにあり、これに対しては従来のイメージの風俗ではまったく対応できない。(続く)

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