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醤油を工夫し味に変化を

ご飯がおいしい。
検査指標が極めてよくなったので医者から食事制限が解除され、ますますおいしい。けど油ものはもう晩飯に食べられなくなってしまった。別に嫌いというわけでないのだが、胃もたれがしたり、翌朝の寝起きが極めて悪いということになってしまう。つまり、そこまで夜深くなくても、フライとか串カツとか夕方から食べると必然的にお酒とかを大量に摂取することになるからもあるのか、朝、血圧がむちゃくちゃ上がるとか弊害があったのである。
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まあそのために夕方に限っては油物を少なくした料理を取るようにしたいというので、最近は夕ご飯を家でとれるときは・・・ほとんど鍋物である。これまた変化がない食事となってしまう。

そうなると、今のところは一切制限がかかっていない、調味料を工夫するというのが一つの考え方である。思い出すと重度の糖尿病にかかっていた親族は、調味料に関しては人工甘味料などを工夫していた。しかし最近は人工甘味料で代替するのが必ずしもいいという議論でもないという話もある。

若いころ、アルバイトで醤油の商社の倉庫で物流の手伝いに行ったことがある。そこである人に言われた。

おっさん「まあ食材は当たりはずれがあるからだが、調味料は少なくとも最低レベルのは買うなよ」
デハボ「それまた」
お「まあ、これみたいな(といって本膳とか御用蔵を指差す)最高級のみそ、しょうゆである必要はまったくないが、投売りされているようなものは避けたほうがいい。一定水準以上であるべきだな」
デ「たしかに投売りてのはありますねえ」
お「日々ご飯を作っていると、どうしても材料のばらつき・当たり外れがあって、おいしい調理を実践したつもりでも、そうならないことがある」
デ「たしかに、ありますねえ」
お「そのときちゃんとした調味料は、不味い部分を隠し、おいしい部分を際立たせるところがあるが、よくない調味料はまったくこれが機能しない」
デ「たしかに」
お「まあ、うまみのまったくない醤油は早々今はないが、味噌は安いのにはあるしねえ」

そういえば、実家の母親はなぜか醤油には無頓着であった。関西だし「淡口醤油」を使い、それもまあまあのブランドのを使っていたのだが、豆腐や刺身にも淡口を出してくるのには閉口した。弁当などについてくる醤油(決して高級なものではない)とあまりにも異なるからである。
さらに、醤油にしても醤油さしはあるものの、ソースがかかっている上にウスターソースをかけるのもあまり好まなかった。どうも日本料理では大概出された料理は、その料理人の主張が入っているからソースなどをかけるのはマナーとして問題という考え方である。口に合わないような料理人のところだったら今後行かないという形で意思を示すのがマナーであるという始末。
かくて、某ハンバーガーショップ(ファーストキッチンだったか)に連れて行く羽目になり、そこにマヨネーズとかがおいてあり、みんなが勝手につけているのをみて、複雑な顔をしていた。
母「あれでは調理人も浮かばれないねえ」
デ「ってそもそも、中で造っている人はバイトクラスだが」

その上、家で「醤油は家で簡単に作れる」などと言い出してしまった。曰く、「アミノ酸液とグラニュー糖で醤油を作ったことがある」というのである。
よく聞いてみると「グラニュー糖でカラメルを作り、アミノ酸液を入手し混ぜて造る」というのである。
「アミノ酸液」というのはは脱脂加工大豆など植物性のタンパク質を塩酸に浸漬して分解し、そののち水酸化ナトリウムで中性化(と塩分への変換)するものである。(要するに大豆や小麦グルテンなどのたんぱく質原料を酸分解し、炭酸ナトリウムなどで中和したもの)グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、アラニンなどのうま味成分の元であるアミノ酸、そして塩分を多く含む。つまりこのアミノ酸液に甘みと色付けを行うものである。まさに、最近の「火垂るの墓」もどきの言い回しだと「節子、それドロップやない。おはじきや」ならぬ「節子、それ醤油やない。代用調味料や」となる。ちなみに調味料として「アミノ酸」を入れることもあるが、こちらはグルタミン酸ナトリウム(=味の素のようなもの)である。
アミノ酸液自身をなめたことが一度だけある。それ自身は塩気もぼけ美味しいというものではないのだが、すでに工場で用いる段階では増粘剤(アラビアゴム・・・乳化剤や安定剤という食品添加物として使う自然物)などが混ざっていることもあるそうだ。生醤油とブレンド、また甘味料を加えることで醤油になるので、その意味でカラメルを入れることは甘みという意味でも一理あるが、GHQの指示と満州など輸入メインの穀類の決定的不足、そして醤油というものの理解がアメリカ人に不可能だったという問題であろう。だから、今ならば「あんなものは醤油でない」と母も言うだろう。
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そう考えると、冷奴に限らず、醤油を使い分けをすると意外とおいしいということもある。
たとえば、刺身には油の少ない魚や貝類などの場合は、濃口でもいいのだがたまり醤油というものが、あっているという気がする。ところが、鮭の刺身(ルイベ)のように脂分が極めて多いものには、やっぱり向きの醤油がある。
九州でよく売られている醤油には、本醸造の醤油でもややみりんが入っているように感じる多少甘めの物がある。アミノ酸液については化学合成という意味で様々な意見がある。九州・四国・北陸では甘みを醤油に求めることから、また東北地域では経済性と北前船の影響で北陸の醤油に近いアミノ酸液を使った醤油も依然併売されている(甘い醤油も多い)。また、二郎系のラーメンでは本家が使っているのが、アミノ酸液の入った混合醤油(本醸造方式でできた「生しょうゆ」に、アミノ酸液等を加える)をわざと使っているなど、出したい味の設計が広がったというよう。
というわけで最近私は、野菜炒めを(テフロンフライパンで油を最小限にして)食べているのだが、このときには一般的な本醸造の濃口では辛いだけで醤油の味がいまいちであると感じた。そこで九州の濃口醤油(本醸造であるが甘みが強く、微小にアミノ酸液を混ぜている)も通信販売で入手したので使ってみると結構うまい。甘みが適度なので、砂糖を入れずに少量使うという手法が可能なのである。もtもと糖分やうまみ成分などが多めに添加されており、このあたりも使いやすいかもしれない。
図に乗って刺身用という九州宮崎の刺身用醤油(こちらは混合醤油)とか、刺身用醤油としても 混合醸造方式という本醸造方式でできた「諸味」にアミノ酸液等を加えてから熟成させた(再仕込み醤油の原料を生しょうゆから合成アミノ酸液に変えたもの)ものでは、今度は醤油の味が強すぎる。
ところがこの刺身用醤油を「油の多い」刺身(鮭の刺身(ルイベ)とか、養殖ものの魚全般)や馬肉に使うときわめてうまいのである。逆に油が乗らないイカとかには向かないし、アジなどではかえって辛くなってしまうようだ。またすしに使うと米が醤油を吸うようになったら辛くなってリスクが大きいという感じもした。概してアミノ酸液を用いると香りがきつくなくなるというのがあるのだが、むしろこれを好むニーズがあるようだと思う。
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というわけで、どうも食指が動かない野菜をおいしく食べる方法として、醤油の工夫は結構いけるということはわかった。ついつい栄養が偏りがちなときにはこのような工夫は必要なのかな。

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コメント

ブログを見て面白かったのでコメントさせて頂きました(^ω^)
もしよかったら自分のブログも見てくださったら嬉しいです★
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ちなみに料理レシピのブログです!!
これからちょくちょく拝見させて頂きます★
よろしくお願いします(^ω^)

投稿: | 2013年3月24日 (日曜日) 01時55分

食べ物の記事はあまりこちらでは多くなく、めずらしい話だったかもしれません。

投稿: デハボ1000 | 2013年3月24日 (日曜日) 09時52分

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