« 洋鬼運動場 | トップページ | まったくしゃれにならなくなった »

秘密を守る人

まあどんな仕事でもそうなのだが、秘密事項はまあ世の中至るところにある。守秘義務というものであるからだ。「職務上知った秘密を守る」べき法律上の義務のことをいうのが普通である。
ブログランキング・にほんブログ村へ
公務員、弁護士や公証人、医師や薬剤師、中小企業診断士や技術士など、その職務の特性上公益において秘密の保持が必要とされる職業について、それぞれ法律により定められている記載がある。もっとも、職務上知り得た秘密を開示することが認められる「正当な理由」の範囲や対象については、法解釈上、非常に難しい問題がある。
先の尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件の場合、国家公務員として秘密の保持がされなかったということについては流失した当人が「公益確保という一念」であっても処罰されたが、流出は国家公務員法上の『秘密』には当たらず、刑事罰には疑問があるという秘密の定義の一意性については非常に難しいということと、そもそも内部告発行為がこのような政治判断になじまないゆえに公益通報者保護法においても対処できない。(公益という意味の定義にもかかわる、法解釈のドミノ倒しになるからである。)

大学でも研究機関でも企業でも、組織に属する者が、その組織の不正行為を知り、その不正行為が守秘義務の対象となる情報を含んでいる場合は残念ながら多くある。そこで、その者が内部告発することによって確保される公益と、その者に課せられている守秘義務のいずれが尊重されるべきかというのは迷うもので、皮肉なことに倫理性が高い人材こそそうなるという。かの尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件(参考画像)の告発者は、民間企業勤務の経験もあり、職を賭したという記載や実際の動機からみた理由がまさにこの事例に合うため、国家公務員法以上の違反内容とは、守秘義務としての議論が成り立ち得なかったという。
近年、本邦の工学系諸学会において、このような問題を含む技術者倫理のあり方が検討されており、不肖当方も其の末席にかかわるものである。公益通報者保護法によって、この問題に一応の決着を付けることが期待されていてもあくまでガイドラインにしかならない。というのは、個別事案ごとに考えざるを得ず、法規によって一律に線を引くことは不可能ともいえるからである(そして弁護士・法曹関係者でのコンセンサスも実質たたない状態である。)このため、尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件の議論は事実上されない。なお、児童虐待防止法では関与者に守秘義務を明文排除しているという事例があるがこれとて実運用が難しいとも聞く。
刑法 第134条では上記の公的職務者が正統な理由がないのに、業務上取り扱ったこと(つまり過去の業務を含む)について知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処するというが、意外なことは第2項で、「宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者」というのも含まれているのである。では町の占星術師がどうかというと・・・・微妙であるが「祈祷」に含まれるのであるとみなすようである。もっとも占い師さんがこの条文を知ってるのかというと・・・
----------------------------------
国家公務員法・地方公務員法・国立大学法人法では職員が同じような守秘義務と罰則(罰則内容は多少法律で異なる)をもち、独立行政法人通則法では、法人の役員が同じ縛りを受けている。(微小な差異はある)なお個別に守秘義務が課せられている場合もある。
まあ郵便法や電気通信事業法・電波法にも守秘義務と罰則があり、これは基本公的業務だが、業務者がもともと公的業務であった後民間に開放されてきたという経緯もあるのだろう。そうなると図書館が民営化された場合秘密保持業務がなくなると騒ぐ場合がある(図書館の借りる本で信条の自由が侵されるということが、過去あったからである)。もともと契約内容で多少は何とかなるのだろうが、おおむね問題になるのは情報収集業務に対して守秘義務の徹底ががどこまで適用できるかということなのだろうと思う。
-------------------------------
われわれの場合のように、独立自営や専門職で雇用形態が割りとフリーの場合で考えると、保健師助産師看護師法・弁護士法・司法書士法では、 「職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。」となっている。
弁護士は個別内容の査定が難しいからか罰金などの問題のかかわる損害賠償などについてはあまり明確ではないが、保健師・助産師・看護師・司法書士は懲役・罰金規定がある。本邦に置いては資格の質がちょっと異なる臨床心理士でも基準は倫理規定違反による懲戒処分の請求に該当するようである。

そして技術士又は技術士補(ざっくり技術士の見習い資格と思ってください・技術士の補助業務)では、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様であるのだが、こちらは(技術内容の判断は公知内容・類推内容を伴うので判断も難しいからかもしれないが)親告罪であるという特徴があり、ちょっと微妙な扱いになる。
割りと似たところがある中小企業診断士の場合は、登録及び試験に関する規則で資質・過去業務によって登録拒否となる。これは中小企業診断士は継続教育による書き換えが(登録有効期間は5年間で、更新要件を満たした上で登録更新)あるのでこっちで制御しているらしく、これは上記の臨床心理士のやり方に近い。
------------------------------
そういえば、法的ということばがないと、とたんに「経費的」要因が前に出てくる。これは人材育成コストも含む。
相当前ファッションヘルスの大物で美少女AV女優の走り(私は早川愛美だったと記憶しているが)の人がお客だった若手男性アイドルの名前をずらずら生放送で言ってしまい(本人に問題意識はないし、どうもそういう知恵も回るタイプではなかったのか)、まあこの業態で守秘義務を担うのは道義的責任とか風俗営業内部のあくまで内規・美習だしなあと思った記憶がある。逆に倫理的責任が担保されない限りは、雇用契約などでの縛り以外はある程度まで、そして他の人の人権の不当な蹂躙がなければ守秘義務はない。(ほとんどの人がなんらかの守秘義務にはちょっとであっても引っかかるけどね)
過去の記載http://dehabo1000.cocolog-nifty.com/holder/2012/06/post-ce0e.htmlでも書いたが、男女の仲はプライバシーかどうかは法規的では線が引けても、実務上においてはなかなか難しく、まさに上記の尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件の社会的制裁と同じような恣意的判断が絡む。もちろん守秘義務というものが私達専門技術者の資質維持や社会貢献になっているのは必然であるが、実は一般人にもそういう資質が必要で、しかしみなそれの必要性を習得する能力や必然性を持たないという認識違いをしている人が多いからだけである。そう考えると、守秘義務が重くてと嘆く専門職諸氏の悩みは、悪意ある言い方をすれば、単に言葉が明確化し法規的に定まっているからこまっているだけとも言えるのだろう。

一般社会人でも一度でも秘密暴露の被害にあうと、以降は若い人でも意識しだすのであろう。
だからといって漫談の落ちに使う「アイドル」が高く評価されるというのも、時代は変わってきたと感心するものである。アイドルは、実務上はともかう、守秘義務を負うことが明示された職業ではない。
いや、この事例では、スキャンダルに対し返す刀で切りつけるのに使っているのか。背水の陣で望んでいるのかというとどうも後者のように感じる。いずれにせよこの意思力はすごい・さすがと思う。(笑)
(下記画像は都合により差し替えている)

指原莉乃 秘密を守る人がタイプです← 121025 ホンマでっか... 投稿者 Rino48JJ

|

« 洋鬼運動場 | トップページ | まったくしゃれにならなくなった »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/56388631

この記事へのトラックバック一覧です: 秘密を守る人:

« 洋鬼運動場 | トップページ | まったくしゃれにならなくなった »