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2回目の撤退

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ソニー、ナビゲーション事業から年内撤退     2012年7月28日 01:42 (ロイター)
ソニーは27日、自動車や自転車で利用するポータブルナビゲーションの全商品の生産と販売を年内で終了すると発表した。平井一夫社長が進める「事業の選択と集中」の一環。2007年3月に参入したが、地図機能の付いたスマートフォンの普及などで拡大が見込めないと判断した。発売当初から価格下落も進んでいた。
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カーナビがオワコン(ユーザーに飽きられ、一時は栄えていたものの現在では見捨てられてしまったこと)だとは言わないが低価格なら代用品がいまやあるというのは確かである。特に精度をあやこや言わないならば、代用となるものや廉価機種がそこそこあるということは、ソニーにとっては収益を上げることには(もともとの人件費などのコストが高いことがあって)むずかしい。またことカーナビはハードとソフト(この場合は地図ソフトの更新度合いなどでしょうな)双方に価値があるのだが、前者のみがソニーの仕事で後者は地図ソフトメーカー(住宅地図のメーカーなどである)のしごととなれば、この間を統率できるほどの市場シェアがない以上割に合わないというのは、ハードメーカーとしたら有る意味当然の帰結である。着手すると言うことにソニーのやる気をすこしは見るが、撤退はやけど跡に大やけどを負わない前に処置したと言うことになるんではと思う。
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2007年参入となるが、もともと初期にやっており2006年に一旦撤退したらしい。製品化研究は一度2006年ごろに切れている。そうなると所謂手先を使っている「開発」技術者は今回の撤退機器に関しては7年ぐらい従事したはずであるが、これが10年の業務となった場合工場経費以上に人事的な問題(人材の有効活用)に関しては硬直化するというところがある。また7年のノウハウを社内に展開する可能性はあるだろうが、それ以上になると製品に自分の技術者人生をかけた人材が、他国・他社にいってそこで「持ち駒」になり、今度は残った日本のカーナビ企業をつぶすような立場になるということがある。電機メーカー全般に起こってジレンマである。

これらを乗用車向けテレマティクスサービス端末というそうだが、二極化すると予測できるらしい。先進国向け自動車や高級車には自動車メーカーの構想に基づいたハイエンドなシステムが組み込まれ、このなかでのハードは現行のカーナビ業者とそれと協業しているカーオーディオなどのメーカーになるのだろうし、段々一体化するのであろうが、一方新興国向け自動車や低価格車にはる簡易で低価格なIT電話系のナビシステムになるか、価格競争になるという。
しかし、カーナビ自体がすでに欧米のほうでは簡易型(精度も良くないがとにかく安い)ものが普及しており、カーナビの音声案内なんて想像の外なんだそうである。(これはもともとの地図の精度のちがいもあるそうな。日本製は住宅地図のメーカーから来ていることもあり、基本精度とデータの新しさが価値があると知っている。だいいち住宅地図は世界中で日本にしか存在しない。)その意味でコンテンツ自体は高度なものを汎用的にもてる企業がもともとあった以上、収益を得るのはメーカーでは廉価版の機器ではまったく収益が出ないし、コンテンツ商売である住宅地図メーカーのがもとからかなり高い位置精度の入ったコンテンツを提供している以上、機器が廉価版であれば差別化されてしまう。

つまり、収益体制・環境がハイエンドしか成り立たないわけで、廉価版の製品(おそらく淘汰されそうなローエンドカーナビ)は、作っても売れない・評価されない・廉価に売られるとなることであろう。現在のカーナビゲーション市場においては日本メーカーの生産台数は1割以下だが、日米欧における金額上のシェアは3割以上と高級品のみの収益であるため、ハイエンドに特化した戦略自体が否定できないしTVのようなことになっていない。これは住宅地図メーカーが成り立っていてそれに応じた市場が周辺にあったということになろう。
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廉価版が成り立たないと言うことは、自社ケイレツのスマートホンなどと考えての決断と考える。
長い間やっていた企業が事業廃止によって人材を転用するには長すぎる事業をおこなっている場合其の技術者が技術と一緒に(技術を頭に入れたということで)流出し手しまうことが多くなった。そうなるとしても今のカーナビの技術は日本の得意な高級品になればなるほど汎用性のない専門技術となり、それに対応した専門技術者を作らないとなりたたないし、この人たちの職をうしなうようなことをすることは企業存立の危険がある。そして其の問題でいつまでも企業体質を変えない企業が、雇用面では社会的責任を果たした「優良企業」になるという雇用形態の相反が残るともいえよう。

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