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客の多様化に対処する(2/2)

(承前)
さて、この私のよく乗る路線であるが、こういう場面もあった。
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途中のバス停に10数人のジャージを着た生徒さんと引率の先生3人が待っている。私の乗っているバスはそんなに大きくないバスである、普通なら20人の団体が乗るならこれはバス会社に連絡しておかなけれならないレベルである。まあ、2・3人しか乗っていない状態だったから、造作ないことではあった。
乗ってきた子供たちはマナーもよく整理券をとっているので、どうやら団体扱いということは引率の先生たちはしていない。・・・のだが、これは生徒個々にお金を持っており、手話併用で子供たちにバスの乗り方を教えているのである。そしてみな聴覚障害者だった。(あとで調べたら彼らが乗ってきたバス停から200mほどの場所に聴覚特別支援学校がある。)
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確かに聴覚障害者の場合、自動車の運転には困難がともなうために、公共交通機関を使うことは必要である。もちろんそのために現実には就職の機会を損じていることもあったからか、最近は緩和が図られているがそれでも乗れない人はいるわけである。
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聴覚障害者の運転基準緩和へ バイクもトラックもOK  2011年7月14日12時18分  asahi.com
 重度の聴覚障害者に、新たな免許取得の道が開けそうだ。警察庁は14日、運転免許取得の基準緩和を盛り込んだ道路交通法施行規則改正案を発表した。対象となるのはオートバイや4トントラック、耕運機など。意見公募を経て、順調にいけば来年4月に施行される見通しだ。(なお2012/4/1施行)

 運転免許取得には、10メートルの距離でクラクション(90デシベル)を聞き取れる聴力が必要とされており、補聴器を使っても合格基準を満たせない障害者が取得できる免許は、普通乗用車(死角を減らすワイドミラー装着が条件)に限られていた。だが、聴覚障害者団体は「生活や就職に不便」と、聴力基準の撤廃を求めており、警察庁は2009年から2年間、聴覚障害者による運転の安全性を検証。目視での安全確認を徹底すれば健常者と変わらないと判断した。
 改正案では、大型自動二輪、普通自動二輪、原動機付き自転車、耕運機やフォークリフトなどの小型特殊自動車について聴力試験による合格基準を廃止。普通乗用車と5トン未満の貨物車については、運転席から確認しにくい「死角」を映す補助ミラー、もしくはワイドミラーを装着したうえ、聴覚障害者標識を表示することを条件に免許取得を可能とする、としている。
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ただ、これは引率者の問題も大きい。10分前に先行する同じ系統の路線バス(別会社の共通運行者)にのろうとしたが、乗車拒否みたいに乗れなかったと文句を言っていた。これはいたし方のないこともあり(このあと偶然このバスが折り返してくるのを見たからであるが)、このバスは1時間半ぐらいの遠隔地から長駆やってくる小さい(短い)バスだがシートが詰まっており、旧型で中ドアがないということで、子供たちを乗せるのはちょっときつかった可能性はある。
しかし、引率の先生と指導助手らしい人たちは「あらかじめ教えろと言ってもバス会社がどっちかはわからない(確かに停留所には明確には示していない)」「団体乗車券を買うと目的を達成できない」ということで、机上の空論を言われてもと文句をいっていた。同情はするが、この路線は本数は多いものの中型ロング車体の行き違いは難しい狭隘路線であり大型のバスが運用に入らないというのもあるので、こういうのはこまると文句を言う運転手の気持ちもわかる。
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学生時代、私はバスで通っていたことがある。ある日の朝、いつも以上に超満員で中ののり口のドアのステップまで人が立っているという状態になっていた。最後に女学生が乗ってドアを閉めようとしたのだが、ブザーが鳴ってドアが閉まらない。かろうじて乗り込んだ女子学生の体がセンサーに反応してドアがしまらないのである。
所がブザー鳴ってるのを彼女は気がつかないのである。運転手が『ステップ上がってください』と言ってもあがらない(というかかなりの混雑で脚を上がる場所も少ない)私は手で『あがって』と合図してようやくバスはドアを閉めて発車したのだが、彼女が頭を下げてその際にふと見えたかばんに書いてあった学校名を見て気がついた。
「聾学校」(いまの聴覚特別支援学校。現在使う表現ではない)が、路線の途中にあったのを私がしらなかったのだが、彼女はそこの学生だったのである。それではブザーは聞こえないしアナウンスは聞こえない、さらにステップの上に上げてくれとも言いにくい。そして彼女は耳が聞こえないということを一生懸命隠そうとしていたのである。
隠さなければならなかった現実は、今も変わっていない。

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