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嫌われることを覚悟した本

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「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)    勝間 和代 (著)
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正直いって、この人は有能ではあろうが一緒に仕事をしたいとは思わないなあと思っていた。「われがわれが」をやっちまう感じだからである。もっとも、それは彼女の態度にも課題があるのかもしれない。多くの人が相手との協調性を大切にしてものを言う日本では、中途半端な妥協など許さず言いたいことをズバズバ言う人は少ないし、同じことを言ってもこの姿勢で「聞けない」といわれる(要するに「断る力」を第三者に発揮される)。多分その結果、いろんな知見を得た代わりに、結婚生活にも苦労し(余計なお世話だ)、世間からは「きついなあ」「自分の尺度でのみ他人を判断する」「自分の誤りを棚に上げ他人を責める」といわれ、同じような本をたくさん書いて、しかも質はいまひとつといわれる(・・当人「も」思っていたというのは意外・・・)などさんざんである。
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日本では、そういう押し強い人は多くの敵を作る。好かない人がいるのも無理はない。でも、意外と彼女にはそのあくが好みという人もいて、そこそこ人脈もある(だから会社を作れる。またNPO活動をワーキングウーマンのために起こし、私費を投じていることも事実)ようである。そしてこの人脈がことごとく自営業さんとかの一匹狼の人というのは、もしかすると会ってみると(熟女好きの人とかいう嗜好は別の次元であるorz)、心底まで意気投合する人には共感できるのかもしれないとは感じていた。

また、「こういう強がりをいっている人はそのうち意外な墓穴を掘るんではないか」という憂いがあった。しかし実は結構抜けているところもあるから、コアな人で付き合いの有る人には強烈なファンがいるということなのではと思っていた。(バイクでこけたことは知っていたが)それを見せるというスタイルもあるのになぜそこを小出ししないのかといぶかしがっていたのである。どうも当人の申告だと結構抜けてるところもあるというのである。そうだとこのギャップで「仕事を絡まさない限りは」いいお付き合いが出来る人かもしれないという気はしていた。

読んでみた結果は「自分の失敗事例を自分の理論で再構築した自分の反省のためという目的意識が強く出ている本。」
いうなれば経済評論家というかコンサルさんが顧客に対して講評をおこなうのを自分に対してしたということであるのだ。これ自身は意外な技術で大概のコンサルの場合これは出来ないのである。その意味ではコンサルとしての資質は高いことを図らずとも示している。しかし、自己解析を本にしちまうというのもしぶとい気がするし、素直に自分が「オワコン」(終わったコンテンツ)になっているのまで、素直に認めていながらも、意図あってそうしたというところに持っていくところが、「一筋縄では行かない人だ」とまた感じてしまう。
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私は勝間氏をいまひとつ好きになれないとは言ったが、彼女の本を買ったことはないわけではない。しかし、この本は自虐ネタであることも手伝って従前の「我が我が」という、癖の強いところ、信奉者以外にとっては霹靂するところも適度に抑えられていることもあり、、意外と面白く読めた本である。後段にやや出てくる「自分を売りに出すところのマーケッティング」がらみのところの語調になるとやや従前の強く押し出す癖がきになるし、書かなければならないという気はわかるが、ちょっと蛇足という気もする。
サラリーマンの人にとってはこのあたりの押しの強さに霹靂する人も多いと思う。しかし、このなりふりかまわず自分を売りに出す(自分をコンテンツとして売る)という手法、自営をやっている人間だったら、ああそういう場面あるよねという共感が先にたつ。そうなると、勝間流の自画自賛を汎用性の高いものに持っていこうとしている感じは、私にとってはある意味、おーおーと同意が出来るところである。これは逆な言い方をすると、多分「日本の」サラリーマンの人にとってはこの押しの強さが耐え切れないという人も多いだろう。つくづく彼女が社会性がない、有る意味「だめなひと」との境界線上であるということがわかる本であるが、其の経験を持っている人が本を書くというのもめずらしいのかもしれない。その意味で既刊の一連の自己啓発本とは一線を画するものであった。
外資系サラリーマンを辞めて独立し、今に至るまでの彼女の軌跡は意外とピュアだったのかもしれないが、そのため自分によって切られた痛みを知らないフリをすることさえしないというのかもしれない。しらないから生きるためにずばっと切り込む。これは社会では少なくとも本邦では不幸であった。けどそのような中で、それなりの金銭的窮乏は脱せられてもまだかつてのようにまたベストセラーを書きたいと毎日悩み苦んでいたわけである。この希望は欲望というよりは、彼女自身が天命と勝手に決めているものにこだわっている苦しさを示しているのかもしれない。
その意味で読み手がコンサル業務の経験があるとか、パーソナルをコンテンツ化するという経験がないサラリーマンんとかでなければ、「くそ」見たいな本と感じる面は高い。まさに、嫌われることを覚悟した本であるが、私は少なくともこの本の前半分に関しては、「こうでもしなければ自分のやりたいことが成就できない」という開き直りと諦観、さらには其の回答を自分の「仕事で使っている」スキルで分析していく過程が見えているし、ふと自分に置き換えてしまう。
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彼女は「アンチが多くなりやすい」のは確かで、その理由のひとつは「有名人だから」である。つまりこの2つは相互に依存しており、彼女がなってしまった有名人のメリット、デメリットが率直な世界観を隠さず語り、このひともこういう「人間的」側面があると感じた。
ただ常人ではないのは・・・自分に対してでっかい『勝間和代』と書いたプラカードを挙げて、自己解凍したプログラムを展開するという、強烈な意思なのだがそれが、多くの人間にとっては強烈に苦痛で忌避するべき行動であることを、実は本当は彼女は感性が麻痺しわかっていない・・・ということなのかもしれぬ。
読んだ翌日ぐらいには二日酔い程度に頭に残る本であって、買って無駄ではなかったと思っている。5年後読んだらまた発見があるかもしれない。これに関しては素直に妥当な評価をしよう。
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さて、たまたまこれを読んでいるとき子供が相談にやってきた。聞くと「自分のBLOGが最近カウントを減らしている気がする」という。趣味の活動である以上そこで一喜一憂するのは心理的によくないといい、カウントが多いというものには炎上というのもあるしなあ・・・とは言ったのだが、まだ悩んでいる。
まあ、そのような前提を述べた上で、では書いているものを見直すなら、こうなるかなあと持っていた本を示した。BLOGが其の書き手のパーソナルを評価する側面もあるわけである。

 (P55)
有名人になるため(すなわち自分という商品を市場に育ててもらうためには以下の)5つのステップ(が必要だ。)
ステップ1 自分の商品性を把握し、顧客やパートナー、競争相手を特定する。
ステップ2 自分がターゲットとする市場について、セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニングを行う。
ステップ3 自分を売り込むためのサービスを開発し、そのサービスの提供プロセスを管理する。
ステップ4 自分がつくったサービスを普及させるための適切なチャネルを見つける。
ステップ5 自分のサービスに適切な価格をつけ、品質を保証する。

私はこの内容は、書く必要があるのかという疑問と、やってしまった憂いはあるのだが、子供にとってはこのまとめは「自分」のセールスということを考える材料になったようである。しかし、この視点は共同作業・グループワークに関してはいくらかグループと読み替えていけるか、完全にイコールとはならない。(共同作業・グループワークに関しては実はステップの順序入れ換えが必要でもある)つまりBLOG以外の問題には迂闊に使えない項目である。
というわけであるが、たまたま使えた内容があったというのは付記しておく。少なくともこの一文を使って指導したことだけでも元は取ったと思っている。
それでも私は正直、彼女は有能ではあろうが一緒に仕事をしたいとは思わないなあと、まだいっている。

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