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教科書の電子化に関する私見(1/2)

コンサル業務の営業にて、教科書を電子教科書に移行するという話に対して、かなり前にコンソーシアム形式でお仕事のお話をいただいたことがある。まあ私はITに関しては専門家ではないこともあるのだが、教科書自体を電子書籍化するというのには、私は当時は非常に疑念を持っており、この件にかんしては、ちょっとはずさせてくださいという形にさせていただいた。
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もちろん教科書を用いた教授資料を教師が作るのに非常に苦労をしており、従来手法では勤務時間を大きく損ねているというのも、知り合いの教諭からは聞いており、IT化のニーズも事実のようだ。(これには教授資料の共有化などの運用スキームの問題もあるとは思うのだが)だといって、教科書をIT文書化する形というのは、運用を工夫するという意味では可能性があるが、基本的には冊子の編集過程、流通過程に限るというのが私の意見である。

茂木健一郎氏がこういうことをツイッターで連続投稿している。スタートはこちらである。多少整理すると・・・
https://twitter.com/#!/kenichiromogi/status/188758213032812546
●シンガポールに行って、国会議員の人と話していた。電子教科書の話になって、「日本ではいろいろ議論があるんだけど」と言ったら、その人は「えっ!」と驚いた顔をしている。「シンガポールでは、とっくの昔に導入しています」。日本は今や後進国の認識である。
●韓国でも、年限を区切って、電子教科書への移行を完了することが決まっているという。それに比べて、日本の動きはあまりにも遅い。「紙の教科書の情緒が失われる」などといった、根拠の薄弱な守旧派の戯言につきあっているうちに、次世代のリテラシーを養う機会が失われていく。
●中村伊知哉さん、教科書の電子化への動きの中心にいらっしゃる方。慶応大学の教授をされているが、以前は官僚だったこともあって、実務的な知識とセンスに長けている。その中村さんが指摘されるように、電子教科書への移行にはさまざまな準備がいる。特に私が注目するのは、検定制度との絡みで、電子教科書になって、ネットへも接続することになった時に、今の一字一句まで揚げ足をとるような検定制度は、維持できない。教育の「標準化」という考え方が、オープンなネット環境になじまない。電子教科書が、日本の教育が変わる起爆剤となる。
●先日Tokyo International Schoolに行った時、幼稚園の段階から、一人一台iBookを持っていて、ネットを調べながら授業を受けているのを見て、ああこれはダメだ、日本はもう絶対に勝てないと思った。一字一句まで検定する紙の教科書は、現代の恐竜である。
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実は、韓国のように電子教科書への移行を完了することを前提に、OSを含めたシステム構成をくんで教科書化するのが進んでいる。
そこで教科書というのは学校の教育においてどういう存在かというという定義を考えてみよう。
初等教育・中等教育では、文部科学省基準に合致し、学習指導要領準拠が示唆されている教科用図書を使用しなければならないという既定がある。そのうえで、文部科学省の教科用図書検定に合格した「文部科学省検定済教科書」・「文部科学省著作教科書」(これは、工業・農業科等で職業教育などで検定教科書作成を引き受けるマーケットが無い内容の場合・また文科省編纂を民間出版社にださせそれを検定する場合もある)である。(地図はこの場合「文部科学省検定済教科書」である)
そのほかの「教科書以外の教育用図書」があるし、副教材などでは検定外教科書も用いられることもある。
そして、教科用図書の内容は社会問題や国際問題になることもあり、また日本国外から批判的な意見が寄せられるために運用に問題が出ることもある。これは検定を行わない国、検定のみを行う国、国定教科書に定められている国と、国の教育体系に伴う齟齬が多いことから、教科書の記載が国の民族教化の指標になるという認識もあるからである。このため、現状では日本では教科書は厳重な校正・評価がなされるべき性質の書籍にさせられている。この状態から見ると検定の主体が国であれ地方自治体であれ、システム的には今すぐ検定行為は維持する方向性になろう。
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まあ、この段階で検定で教科書は厳重な校正・評価がなされるべき性質の書籍となっていることは、オープンなネット環境という恣意的改訂が使い手側では容易に可能であることを否定した制度である。一方韓国は主に国定教科書であり、これは一方的にひとつの雛形にしたがって教科書も設定できるからスケールメリットなどもあるのかも。(但し、韓国も最近中学校と高等学校の教科書は国定教科書でなくなった。これがIT化と関連している可能性がある)。(続く)

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