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のこることできるのか

先般吉原にいってきた。
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3月16日を最後に岳南鉄道の貨物輸送、事実上廃止(2012年2月28日 読売新聞)
 製紙の街・富士市を60年以上にわたり支えてきた岳南鉄道の貨物輸送が、3月16日を最後に、事実上廃止される。
 岳鉄は同月10日、貨物駅でもある比奈駅(富士市比奈)で、貨物列車の惜別イベントを開く。独特の車両で鉄道ファンを引きつけてきた、岳鉄貨物輸送の姿を見届ける機会となりそうだ。
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 イベントの目玉は、貨車を牽引してきた電気機関車「ED40形」の運転体験だ。午前9時からと午後0時30分からの2回、技能講習を受けた後、比奈駅構内で約10分、機関車を運転する。定員は8人で、参加費は25,000円で、18歳以上で身長1m40以上という条件がある。希望者は岳南鉄道のホームページから募集する予定。

 また、正午頃と午後3時頃には、ボンネットのある独特の姿で親しまれてきた「ED501」など、3両の電気機関車が、貨物輸送終了を惜しんで一斉に汽笛を鳴らす。機関車との記念撮影会も開かれる。
 さらに、吉原駅から「ミステリートレイン」も運行される。同駅に戻ってくること以外の行程は不明で、「普段走らない秘密のルートを楽しめる」(イベント関係者)という。(中略) 同社は「地域の人々や鉄道ファン、そして貨物輸送を支えて下さった各企業の皆様に恩返しとなるイベントにしたい」と話している。◇
 岳鉄の貨物輸送は1950年に始まり、沿線の製紙工場などからの貨物を、JR東海道線の接続駅でもある吉原駅でJR貨物に引き渡してきた。一時は取扱量が年100万トン近くに達したが、製紙会社の生産縮小やトラック輸送への切り替えなどで激減。JR貨物が岳鉄の貨物の引き受け休止方針を伝えたことから、事実上の廃止に至った。
 岳鉄は所有する電気機関車の今後について、「動態保存して展示するなど、何らかの有効活用を検討している」としている。
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会社は富士急行本体から独立しているが、富士急行の一部門的色彩が極めて強い。(これは全般的に冨士急行Grに多い企業統制手法のようである)
もともと、鉄道の輸送は紙製品が主力であった。吉原は東海道の宿場町で、もとは冨士市とは違う行政組織(吉原市)であった。しかし東海道本線は町の近くを通らず、町外れに現吉原駅が設置された。これは、宿場町としての吉原は現在の吉原駅のちかくにあったのだそうだが、江戸時代の津波などの震災で内陸に異動していったということである。(なんだか、こういうのが今回の震災でもありますね)しかし輸送量の減少とコンテナ化もあり、コンテナだと線内の扱いを止めても、近隣の貨物駅からの輸送でまかなえることも合ったのだろう。
4・5年前に客先にいくとき使ったことはある。(富士駅からいこうとしてもバスが無い)其の前にのったのは20年ほど前である。そこであらためて乗ってみることにした。
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ということで私は岳南江尾駅から逆に乗るためには、沼津駅から富士駅行きのバスに乗ることになる。富士急シティバス・富士急静岡バスの路線バス「根方線」の設定があるのだが、実はどっちの路線も途中までの区間運転がほとんどである。(沼津口が30分ごと程度・冨士市側が60~90分程度・最近増便を試みている)そしてこの区間運転部は繋がっていないで通しの便(すべて、富士急静岡バスの扱い)。
したがってこの道路の路線は、中型ロング車(これが結構くる)同士ではすれ違えない(実際バックしてやりすごしていた)という状態である。バスの往来の激しいところでは、行き違いを設けている。これがずーっと続くものだから、バスにしても輸送量の調整が難しいということもいえよう。一応このバイパスに相当する道路も作られているのだが、この道路2本が鉄道線を挟み込むことに
ところが、岳南江尾駅にいってみると、駅のすぐ前にそこそこの工場がいくつかあるが、なんとマックスバリュが駅前にドンとかまえている。工場もあり(なお、マックスバリュ自体も工場跡地らしい)駅とは無関係に住宅が立ち並んでいる。これはなんで客が一日50名ぐらいしかいないのかと不思議に思ってしまう。
便数はまあ時間2本あるので、そこまで待たなくていいのだが、まあ夕刻のラッシュ逆行といっても、まったくのっていない。街中に入るとて客が激増するわけでない路線である。旧吉原市の中心街でにぎやかな本吉原でもいまひとつである(しかしこの時間で商店街が閑散としてたらそらのらんだろうという車窓)吉原本町でも10名程度が盛ってくる程度で拍子抜けした。
ところが、そう日ごろ乗降客の無いといわれているジヤトコ前(自動車の自動変速機メーカージヤトコの工場の前である)で20名ぐらいが載ってきて満員になってしまった。これは遅い通勤時間にかかっていたようである。これらは機会があったからのる需要であり、まったく同じ敷地にバスがはしっていたらともかく、基本的に運転することによる乗客の数は非常に浮遊性の高いものと見られる。
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このように冨士市は人口も多く(25万人)人口増加をしているのだが、市民にとってはそもそも公共交通を使わなくてすむ・・・というか、公共交通にとらわれない町つくりになってしまい、これは市などの公益的な視点が制御が利かない状況になっている。さらに自動車から公共交通機関へというシフトが効かないのは町の主産業が紙と自動車部品という構成で其の付帯設備(外注会社)の技術を用いて企業活動をするという企業がある以上、自動車の活用を押さえ込むことが出来ないというのである。これだけ住宅などや産業があるのに鉄道にせよバスにせよ成り立ちにくいのはこのためであろう。
最近も、富士市の公共交通について話し合う市公共交通協議会が岳南鉄道が貨物輸送の休止での経営悪化を懸念している。ここでは同協議会は「事業者の自助努力と行政の適切な関与によって存続すべき」とのなんともまあ玉虫色の意見をまとめている。
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事務局は、こういう試算結果を言っている。

岳南鉄道を廃止し代替バスを運行した場合、運行経費が年間で約1億7200万円の削減
移動時間が約10分延びて約1億9200万円の損失になる。

この場合ダイレクトに経費として出てくるのは運行経費である。しかし、移動時間が約10分延びて・・・損失というのは潜在的損失であり、各個人の生産性などがそこまで変化するかというと実は其の見積もりは正当性のある比較になっていないという見方になろう。その意味でこのときに示された内容もあまりにも概念的である。
〈1〉市内の公共交通利用者の3人に1人が同鉄道を利用しており、市民ニーズがある
もともと自動車を求める市民ニーズがどれだけあり、それがボリュームとして鉄道や公共交通維持になりうるのかというとかなり疑問である。
〈2〉収支率が他の鉄道事業者と比較しても高く、経営努力がなされている
これはある程度いえる。今回の貨物廃止によって人員縮減が生じるが、コレの対応能力が会社側で可能かというのが問題である。退職金債務であるな。
〈3〉富士市にもたらす社会的な価値が赤字を上回る
実はコレを算定していく手法がほとんどでないのである。
ではこの場合鉄道を廃止してどうなるかというと、単純にバスで大体できるかというのは疑問である。というのは最低限の需要で自動車に転位できない乗客のみが乗っているという解釈とて、コレが無くなったら単に買い物に行かないという選択をするか、最低限必要な乗客は転居するという選択が出来る。つまり簡単に需要が消え去るだけである。そのため、バスが1路線消えたら其の客層が全路線であまねく減衰するだけ、鉄道がなくなっても結果的には単に出歩く選択をしなくなるだけであると考える。
そうなると、鉄道存続という手法は話を伸ばしているだけであるが、では変化すること自体が否定されているような状況では、事務局の作文を否定しても、何も創造的な価値観が見出せないという徒労感にさいなまれるだけである。

冨士市はかねてから公共交通活性化のためにコミニティーバスをはしらせたが、ことごとく失敗している。(これはちゃんと見直しをしていることは評価される)つまり、公共交通自体に対するきわめて要求・ニーズが高い人と無意味と考える人の意見の差が他地域以上に極端なのではと思う。

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