« 業務分担 | トップページ | 悪の組織である全うな組織運営 »

そういえばサービスの価格って

----------------------------引用
サービスの価格と価値を再考する/金森 努  INSIGHT NOW!2012年1月10日(火)11:10
いくつかの業界を例に、「価格」と「価値」そして、「業界相場」というものを考えてみよう。そこから見えることは・・・
 ちょっとイメージが伝わりにくいかもしれないが、「特殊技能を持った無名のスタッフが提供する、原材料比率が低いサービス業」という業種の大きな括りを定義してみる。具体的にいえば、理美容、ネイルアート、マッサージ、スポーツトレーナー等々だ。何らかのサービス提供の場(ハコ)は必要で一定の固定費は発生するが、サービスに要する原材料の費用は総じてゼロか低い。
ブログランキング・にほんブログ村へ
 では、それらの価格の相場はいくらかといえば、概ね「10分1000円」だ。最もわかりやすい例でいえば、低価格理髪チェーンとして有名な「QBハウス」。カットのみ。洗髪、ヒゲ剃り、セットなしで10分1000円。だが、同チェーンが理容業界で価格破壊を起こしているかといえば、実はそうではない。フルサービスの旧来の理髪店もサービス提供時間が40分程度で価格は4000円程度のはずだ。つまり、10分1000円。美容室もカットで60分6000円。パーマで90分9000円。10分1000円換算になるだろう。

 理美容だけではない。ネイルアートもツメの形を整え、甘皮処理をし、表面を磨くという最も基本のコースだと40分4000円。マッサージは大手チェーン「てもみん」の価格がスタンダードとなってか、30分なら3000円、60分なら6000円と各コースの10分単価は1000円が程度だ。マンツーマンのスポーツトレーナーは60分6000円が多い。
 標準的な内容に対して業界相場でサービス提供をすることを、「中価値戦略」という。もっと高い価格を設定したい場合には、何らかの価値を上げ、「プレミアム戦略」を取る必要がある。美容業界なら、いわゆる「カリスマ美容師」的な人が担当するなら、10分1000円の相場を上回るプレミアム価格となる。
一方、業界の相場価格である「中価値」を下回る価格で、サービスの質も下げて提供することを「エコノミー戦略」という。しかし、比較的割安な価格で業界相場が「中価値」に集中している場合、その戦略は顧客が魅力を感じないため成立しがたい。
 では、エコノミー戦略→中価値戦略→プレミアム戦略と、価格と価値が正比例した関係、「バリューライン」から飛び出るにはどうしたらいいのか。最もやりやすいのが、価値はそのままで、価格を下げて「グッドバリュー戦略」に転換することだ。価格を下げる余地は固定費を圧縮することである。イメージとしては個人経営の理美容店。自宅の1階をサロンとしている場合など、元々が自社物件であるため、価格の固定比の組み込みを下げればサービス提供価格を引き下げられる。実際にQBハウスの近隣にある個人経営理容室は「カット・シャンプー・セットで1500円」などというサービスを提供している店も多い。かかる時間は15分を超えているが、固定比率の引き下げによって店としての損益分岐点を下げているため成立している。
 その他の業界の今後を占ってみると、ネイル業界であれば、現在のところマニキュアのように家庭ではできない「ジェルネイル」や、さらにそれに絵柄を加える場合なども相場を上回る価格設定ができている。しかし、そろそろ過当競争が始まっているため、プレミアムなサービスをそのまま価格を下げて提供する「高価値戦略」への転換が求められるだろう。となると、元々原材料比率が低い業界のため、固定比率をどう下げるかが課題となってくる。
 マッサージ業界はプレミアム要素を提供しているプレイヤーがあまり見当たらないので、近く過当競争に突入すると考えられ、「グッドバリュー」に集約されそうだ。マンツーマンのスポーツトレーナーは市場自体まだ大きくないため、黙っていてもプレミアム価格が受け入れられている場合も少なくないが、今後は「独自のメソッドを提供する」など何らかの価値向上が求められる。それによって「高価値戦略」で差別化・生き残りを探ることとなるだろう。
 転じて、企業に勤めるビジネスパーソンの場合はどうか。
 今年、経済環境は一層厳しさを増すことを暗示する事象が正月からいくつも伝えられている。中価値戦略で禄を食むことは続けられない。黙っていれば、企業は固定比率引き下げにかかってくるだろう。だからといって、黙って給与下げに甘んじるわけには行かない。
 だとすれば、同じ給与を保つために付加価値を高めて「高価値戦略」を展開するか、もっとスーパーな存在になって、給与上げも狙う「プレミアム戦略」を展開するしかない。
 どんな業種も、個人も、「相場」に安住することが許される時代ではなくなっているのである。
------------------------------------------終了
実は弁護士などの業務にも大体の報酬ガイドラインがある。(カルテルになりうるという意見もあり最近はおおっぴらには設定されなくなったが、ガイドラインとしての意味を持つ)
その2・3年前だと、弁護士に法律相談を持ち込んだ場合、大体30分5250円というのがあった(これは、単純な相談だけであり、書面作成や折衝などは含まない)税金を除くと5000円/30分となる。ここで考えるとわかるように何らかのサービス提供の場は必要で一定の固定費は発生するが、サービスに要する原材料の費用は総じてゼロか低いものという意味では、之も変わらない。
もちろん弁護士のスキルによって変わってくるものであるし、企業法務などになると顧問料としての扱いとか、インセンティブ契約(たとえば株の支給で上場後に益が出る)などもあるため一律にいえないのであるが、事務や調査などで1時間かかる作業に対しては其の事務処理コストを10000円+経費+税金という形で処理するというのが多いようである。
同じことは技術士においてもいえる。今は概算指標としてのみ使うのだが、単発コンサルタント1日7時間拘束の場合報酬ガイドラインは大体16万円+税ぐらいである。計算があわないようにみえるが、このコンサルタント業務の場合報告書などを書いたり、事前評価の資料を集めたりしていることがあるので、実働は延べ16時間ぐらいにはなるのでこういう計算になる。常勤時間拘束の場合は1時間1万円+税として計算するのが標準報酬で、実際にはここから出精値引きとか逆に難易度が高く(緊急対応など)増し値とかになる。
なお、弁理士なども良く似た報酬体系を持つが、実際はたとえば案件数×単価という計算をするのがほとんどである。さらに弁護士などの場合仕事の集中する時期と暇な時期ができる場合もあるから、待機時間があるというところは見ておくとか、また自分で研修をうけるなどの時間拘束を考える必要があろう。
-------------------------------------------
そのために私は逆にすべての業務に関して1時間1万円と計算し、業務によっては自弁する経費があると考えることが妥当かなと考えることもできる。
たとえば内装工事業者さんが店舗の内装をするときに、1日2人で工事を終わらせた場合たとえば20000円とったとして、施工したものが壁紙15枚とした場合、壁紙の仕切り価格が2500円、工具や自動車の償却などを考えると1500円 一人8000円/日ぐらいとなろう。
もっと平たく言うと ソープランドで90分30000円(店10000円+女性20000円)という中級店の場合、什器類・電気代は店の負担、使用したシーツ・タオルのクリーニングや衣装のコスト(実は法規的な問題で自弁ということが多い)となれば、女性は業務時間90分+待機と掃除の時間標準30分につき20000円を受け取るが、諸経費で2000円ぐらいは出て行くので9000円/時間となってしまう。ある意味ソープランドの女性は専門技術を持っているとみなすと、この対価はある程度は妥当性がある。一方高級と称される店においては120分総額50000円というのもあるらしいが、時間単価を考えると時間単価では11000円/時間となる。つまり、この2000円/時間が付加価値の差となるのかも知れない(きれいだとか・サービスがいいなどか)色気ない話である。

実は私、自営を考えるまではこんなこと、考えなかった。しかし顧客獲得を考える中で「プレミアム値戦略」かつ多少きわどい投資案件までリスクを覚悟して行う内容の場合の対価設定、反対に細かい専門知識の社会還元のような町工場の技術指導などをメインとした場合の「高価値戦略」でリスクは低いものを選ぶかという考え方は、いざセールスポイントと収益検討を行いだすと悩むのである。(ちなみに私は、現段階ではそれまでの仕事のポリシーに従い「高価値戦略」でリスクは低いものを選ぶほうが、性格的に向きと考えている。60になれば代わるかも)
「エコノミー戦略」というものの場合、今度は町の機械設計事務所というものがあり、極端に競争相手が増加するため、競争相手が多すぎて少ないパイを分け合うことになりそうである。(また、企業に勤めていたOBがやってることも多く、対価が高くない傾向もある)つまり、このコスト設定は一度私が設計企画ごと受けて、製図作業のみを町の機械設計事務所に依頼するほうがよさそうで、結果的に自分としては「高価値戦略」になることになろう。
其のことを考えると、企業に勤めるビジネスパーソンの場合あんまりこういう計算はしてないと思う。従前と同じ給与を保つために付加価値を高めて「高価値戦略」を展開するか、もっとスーパーな存在になって、給与上げも狙う「プレミアム戦略」を展開するという手があっても、中価値戦略では同等のクラスのせめぎあい、供給過剰になり業務を続けられないということになるロジックはまあわからなくもない。ただし、企業での業務はこのようなストレスをあまり露呈させずに与えていることが、ビジネスパーソンにとっての心理的な安定でもあり、そのために多少時間単価(この場合は時給+交通費などの管理費+健康保険料会社負担分+税金などの公租公課業務管理分+退職金積み立て分となるため、単純な計算値の倍ぐらいになるかもしれないが)が低くても、メリットがあるという視点が取れるかもしれない。
これがわかったこと自体が、技術者として金勘定があまり得意ではなかった私が、起業当初結構悩んだことである。そこで私が得た結論は上記の筆者と意外と近い。
「相場」は変動するものである。目安以上、目安以下の何者でもない。

|

« 業務分担 | トップページ | 悪の組織である全うな組織運営 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/53707113

この記事へのトラックバック一覧です: そういえばサービスの価格って:

« 業務分担 | トップページ | 悪の組織である全うな組織運営 »