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加速がいい

仕事で岡崎市に行った。私一人でなく取引先の人と一緒である。
名鉄東岡崎駅(言っておくが、市の中心は東岡崎駅である。JRの岡崎駅は町外れにあり以前は本当に長閑なところであった。このためJRの駅から町の中の東岡崎駅を通じて北のほうの私鉄駅(があったところ)まで、かつては路面電車が通じていたぐらいである)を降りて、最寄のバス停である大樹寺までいくことになっていた。
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「実は「北のほうの私鉄駅(があったところ)」」というのが大樹寺というバスターミナル・・・つまり其のむかしの路面電車と郊外電車の乗り換え駅の跡地である(ちなみにので、ここに行くバス便はきわめて多い)ので、まあバスでさほど問題はない・・・とおもっていた。ここには大樹寺という大きなお寺がある。徳川氏(松平氏)の菩提寺で、歴代当主の墓や歴代将軍の位牌が安置されている。

さて、この日は正直暑いを通り越して熱いぐらいの天気。荷物も多いので同行者もあることから、さっくり日よってタクシー乗り場にいったら、先頭にえらく小さい車が待っている。うっ。
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三菱・i-MiEVのタクシーでした。軽仕様ですし、バッテリーをのせているというのもあるか、すこし床が高め。軽自動車の車体では荷物を足元に載せるわけにいかない(トランクを2つも持っているのだから)ので後ろを空けてもらい荷物を載せ、発車する。ドアは普通のタクシーと同じ自動ドアだが、これは特注とのこと。
参考:http://home1.catvmics.ne.jp/~okarikutaxi/common/image/20100921.pdf
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上記にもあったように市街地のバスでも15分ぐらいの距離。そう遠い距離でもないので、航続距離は問題ない。というのは、急速充電で電池容量の80%まで充電できるらしいのだが、老齢の運転手さん曰く、実際使える距離は80kmぐらいという。もちろん三河地区だと遠距離客もありそうだが、其の場合はほかのタクシーに乗り換えていただくという。(ちなみにエアコンを入れると10%走行距離が短くなるというのを目安にしているそうな。)一応、公称のi-MiEVの一充電最大走行距離は160kmという。急速受電は機構上その8割までの充電に留まるので、単純計算で 128kmになる。これはお客さんを送ると帰りのこと(充填場所まで)を考えるからだそうである。時間充電をするなら8時間ぐらいですむそうだが、タクシーではこれでは商売にならない。そのため、急速充電ができる場所・・・これが三菱自動車の工場(市内にある)・・・までいくそうで、一日2回充電をするということである。東海3県ではこれ1台ということだが、確かに三重県や三河でもすこし北だと差しさわりがあろう。なお当地のタクシーはほとんどがトヨタ車である(県内主要業者である名鉄グループではタクシーはトヨタ車、バスは三菱ふそうという場合が多い。このタクシー会社は差別かもあるのか三菱車が多いという。)また、三重県だとホンダやホンダ系の軽自動車製造工場もあるし、タクシー用車両がないメーカーの立地とて、いささか問題になろう。むしろ岐阜県ならあってもよさそうそうだが。となると、やはり三菱自動車の工場があるというのは大きいかも。余談だが三菱ふそうトラック・バスが初のワンマン運転対応の本格的なノンステップバスを1980年に試作したときも、名鉄バスは岡崎でエアロスター改を先行投入している。このときは、岐阜乗合自動車と京浜急行バスの3社向けのみ製造されたが後継にはまだ時間を要した。
実は若いころ、このノンステップバスに岡崎駅から東岡崎駅まで(路面電車の代替路線である)のったことがある。そして用事が終わって帰りにきたのが其の前に入れた試作車大型ワンステップバスであり、これは見本市みたいだなと感心したことがある(この車も普及せず終わった)。テストベンチとして新車を投入できる素地があったのだろう。

お年寄りの運転手であった。車内はきわめて静か。仕事の話をするのは好都合である(とはいえ楽しんじゃって其の手の話を車内ではせず)のだが、これはエンジン音が少なくて、歩行者や自転車の方にクルマが近付いていることに気付かないということがあるらしい。さすがに短くクラクションを鳴らすということもあるそうな。疑似エンジン音装置をつけるという発想は本質を目くらます行為で移行時期以外には使うものではないとおもっていたのだが、確かにこれでは当面必要かも知れないなあとおもう。
それにしても加速がいい。市内バス(しかもこの名鉄バスがハイブリッド系のそれなりに省エネ・環境対策仕様であるんだなこれが。)をすっすっと無理なく抜いていく。オートマの一般的なイメージを考えるとこれは革新的である。電動機による制御ならではのレンジの広さであろう。元々はガソリン仕様の軽自動車の鋼体であるからかるいのだが、重心をバッテリー配置により下にしている効果が、安定的な運転ができる要因になってるのかも。
タクシー専用車両はプロパンで走るから、省エネで環境にやさしいものの、意外と力が無いという意見もあり、この運転手も加速感に優れている点から、乗った人が驚くという言い方をしていた。しかも「ゴルフ場のカートのようなものを想像していた」なんていうお客もいたという。
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私はよく三田の三菱自動車本社の前を通るのだが、ここにもよくi-MiEVが展示用にとまっているので、中はじっくり見ていたことはある。しかし、都内でもいくらかはあるタクシーに合えず(都内にも1台あるそうだ)乗った経験がない。この場合でも基本的には山手線の輪の中でのご利用に限らせているという。
 「電気自動車の航続距離は短くても仕方がない」なる認識と運用の工夫、そして地場の企業ということで社会的コンセンサスが取れているのだろう。BYDのように重量700kgもの巨大バッテリーでというのではないが、それは用途限定ということだから成り立つ。このことはやはり重量と燃料用ボンベが過大になってしまった、燃料電池バスでもいえることであろう。あこれも、愛知県由来だな。
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さて出向き先に着いてこの話をしたら・・・
「いやあー、ここまで電気自動車のタクシーにのりまして」
「あああれそうなんですか。面白いタクシーが正門に来たとおもって窓からみんなで見ていたのですよ」
「あら」
「省エネルギー技術の打ち合わせにふさわしいご来訪ですねえ(笑)」
なんだかなあ。

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