« スタイル逸脱もあんたの技量 | トップページ | 思考のベース知識がなくなった以上 »

差あれば節穴、差がないなら横並び、苦情は一緒

--------------------------------引用
「東北放送(TBC)以外のマスコミはヘタレ」の声、著名人からも「だらしないぞ」などの声が  2011/07/05(火) 15:51   ロケットニュース24
  本日5日午前に辞任の考えを明らかにした松本龍復興相。この問題は、3日に宮城県庁を訪問した際、村井嘉浩知事が出迎えなかったことに腹を立て、恫喝とも思える態度で叱責したあげく、現場を取材していたマスコミに向かって「今の最後の言葉はオフレコです。いいですか? 皆さん。絶対書いたらその社は終わりだから」と発言したこと発端となっている。
  しかし、「書いたらその社は終わり」の脅しを物ともせず、東北放送(TBC)はあっさりとニュースで報道。オフレコ発言のシーンも、そのまま放送した。
このニュース映像はYouTubeで公開され、またたく間にネットで話題となり、本誌を含むネットメディアなどが次々と報道。その後、テレビでも報じられて大問題に発展し今に至るといった流れである。
ブログランキング・にほんブログ村へ

  もしも東北放送(TBC)が、あのシーンを報じていなかったら、ここまでの問題にはなっていなかったはずだ。それもそのはず、東北放送(TBC)以外の主要メディアは、見事に「オフレコ発言」をスルーし、当たり障りの無い記事で一報を打っていたからである。東北放送(TBC)と他社メディアの記事の違いは、映像がYouTubeで公開された時からネットでは話題になっていた。そして今、著名人からも「日本メディアのあり方」について、疑問の声があがっている。
  まず、脳科学者として有名な茂木健一郎氏は、自身のTwitterで
  「今回の松本龍氏の放言問題について、新聞が最初は定型的な記事で済ませようとしたことが、どうしても腑に落ちない。現場にいた記者は、怒りを感じなかったのか。その場で「ふざけるな!」と怒号が飛ぶくらいの反射神経を、人間としてどうして持てなかったのか?」(茂木健一郎Twitterより引用)
  と発言。ジャーナリスト田原総一朗氏も自身のTwitterで
  「メディアはその甘えを批判せず、一方的に松本さんを責め立てる。それも4日の時点ではおっかなびっくりでまるで書かない新聞もいくつもあった。そして世論が反松本だとわかると5日に急に大スペースで大批判した。だらしないぞと思う。」(田原総一朗Twitterより引用)
  と発言。経済学者の池田信夫氏も、自身のブログで
  「しかも情けないのは、他の社がやりはじめると、われもわれもと(当日は放送しなかった)同じビデオが何回も出てくることだ。1社だけだと「糾弾」されるが、みんなでやると安全だからである。日本をだめにしているのはこういう「空気」だということを、マスコミは身をもって教えてくれる。」(池田信夫ブログより引用)
  と述べ、池田氏が同エントリーで紹介している自民党参議院議員の世耕弘成氏も
  「ところがネットの影響で翌7月4日(月)になり騒ぎが大きくなってくると、テレビ朝日、日本テレビ、NHKがそれぞれ知事と大臣の会談模様を流し始めた。各社は取材映像を持っていながら、事態発生から丸一日たってネット等で騒ぎが大きくなってから放送したことになる。ということは松本大臣の「今の最後の言葉はオフレコ。いいですね。皆さん。書いたらその社は終わりだから」という圧力に屈したということではないか。」(世耕弘成ブログより引用)
  とブログに書き込んでおり、皆一様に、あの場にいた東北放送(TBC)以外のメディアの報道姿勢を疑問視している。
  「書いたらその社は終わり」と発言した末、自身の職を終わらせることになった松本龍復興相。菅直人首相の任命責任を追及する動きもあり、この問題はまだしばらく尾を引くことになりそうだ。
------------------------------------------終了
まあ人間の品性というものはあって、半ば恫喝に近いと感じた人もあろう。巷間母体団体のことまで言う人もいるようだが、これこそ即断は避けるべきである。但し建設業の会社の経営をやっていたとなるとあるいみ古いタイプの発言スタンスを取る癖はあるかもとは最初おもった。物言いが丁寧ではなかったところは元からあったそうだが、しかしかつてCOP10「名古屋議定書」の採択で議長として活躍したときや地元(福岡)では、アグレッシブで精力的だが、傲慢ではなくむしろ気を使う人、かつ細かい指図はしないが責任だけはかっちり取るという評判だったらしい。となるとあるいみ古いタイプのマネージャー気質という気もする。

ところが、私はこのような種々の識者の見方に対してある意味ちょっと違った見方をする。
TBCの取り上げ方は、問題意識をもってこの画像を出したとおもわれるわけで、しかもこの報道は22:54からのローカル放送(昔の河北新報ニュース枠)で出したことであることから、実はおっかなびっくりではある。他社は当たり障りの無い記事で一報を打っていたという。(その後東京放送系で全国に流れる)のだが、私は恫喝どうこうというのよりも、そもそもこの大臣の訪問会見の中身のほうが取り上げるべき内容であって、オフレコ発言はあくまで当人にはしゃれであって、(ということはちょっとこのニュースの画像ではこのせりふ「今の最後の言葉はオフレコです。みなさん、いいですか、絶対『書いたらその社はもう終わり』だから」をいったときににやけていたという感じもするからである。しかもいきなり「オフレコ」ってカメラの前では普通のオフレコという記者団との取り交わしの中では言わないんだろうしね。冗談としても人格を疑わう人が絶対生じる発言ではあるが。)ここで報道すべき本質は 漁業の集約や民間への開放など、県知事が打ち出していた独自の計画案に対して「県でコンセンサスをとれよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」と言う責任の押し付け合いならぬ分掌配分、つまりう復興のスキームに関係する中身のはずである。
もちろんTBCの取り上げ方に対しては、着眼点をしっかりもって出したデスクがいたというところは評価されるべきであろう。しかし、同じ画像をとってデスクが「震災復興に対しては優先的に語るべき内容はほかにある」と感じたらそちらを優先するのは会社ごとに異なって当然である。それこそ各社姿勢が横並びで、そのような問題とする中身を均一化した取り上げ方のほうが、実は横並び姿勢で多角的な視野が形成されていないというマスコミ批判になるべきである。後追い報道をしないことはさらに高い見識になるが、どうも私はそれはTBCの報道が高く評価されてしまい、そこをUPするしかならなかったという営業上の姿勢にひきづられて他者は報道しだしたわけで、これがは「商業放送」である以上、皆無にはできない。(・・・あっ NHKも後追いか・・・)
私は、確かにこの大臣の言い方に不備(ないしは隠喩)があったのはまあ確実とはおもうが、そこに「TBC以外のマスコミはヘタレ」というのは、均一な報道姿勢しかでない報道姿勢よりも各局が考えて出している以上、きわめて健全で、かように言う識者こそ「天につばしている」ということさえ不肖私はおもうものである。
------------------------------------------
もっとも、阪神大震災のときと今回とが大きく異なるのは、(福島原発の話はちょっとはずしておいて)原型復帰することを求めていた従前の復興ではなく、今まで出されていた津波対策は結果的に無力だがだからと言ってどれだけの対策を打っていいのかわからない状況であり、通常の既存の防災知識では天文学的出費(投資捻出)なる問題になってしまうということである。そのため復興支援を求める県知事の発言に対し、自治体に意欲がないと駄目で、復興相任せにしてはうまくいかない(調整がつかなくなり膠着するとますます復興が遅れる)であり、その意味で県知事に強く激励したという見方もできるし、どちらかといえば古い上司にいそうな(そして、私の上司にもいた)タイプの叱咤ではある。ただし、このタイプの叱咤は、一歩間違うと恫喝という見方になり、最近は忌避されることがまた多いし、プライドを破壊することが資質向上にならない現在では、禁じ手には近い。
其の上、宮城県知事の復興に対する手腕を私は高く評価する一方で、通常の既存の防災知識では天文学的な問題になってしまう地域立脚手段の再構築を含めた、漁業と港湾再建支援の内容を打ち出したことには、建設的な内容といっても、見方を変えればこれ便乗ではないかと、いくら当方とも縁深い宮城県の再興といっても首をひねったものである。漁業復興や従事者高齢化へ対応するため、養殖業などに民間企業を参入しやすくする「水産業復興特区」構想自体は県漁業協同組合が反発しているし、其れには極めて大きな投資が必要であるが、これが企業支援ではでない(というのは大きな水産会社がこの震災で撤退した経緯もある・・・水産会社によっては其の前からいまや鯨もなし輸送手段として冷凍輸送メインである手前、最近は水揚げ地域で加工したものを送るより、需要地域での顧客の要求に合わせた製造卸的な加工に切り替わっており、一方地域から撤退をしたくても地域雇用に影響がでかく迂闊には平時にはできなかったという話も聞いているのだが。)金額で国庫依存になるという動きもあるのである。
阪神大震災のときの国庫と比べてまったく余裕がない上に、海外の投資支援が得られない地域(少なくとも神戸よりは)という事情から、復興を行うというゴールは共通ながら、其の予算処置に関する目的意識はみごとに国と県では相反している。
さらに無駄なといわれる支援が少しでも出るとのための費用捻出ができない国庫のなかでは、赤字国債もむずかしく其の采配のミスが瑣末なところまで許されない事由がある。この意味では恫喝というのはともかく、利害対立は歴然とし、ここの調整は腹の探りあいである。こうなるとので、復興のためになにがなんでも支援しますといえない大臣の立場もあろう。そうなると、すくなくとも「県でコンセンサスをとれよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」という言い方になるのは、特にこのタイプの人なら当然の言い回しである。その意味では県知事はことお金のことであるから、大人の対応を取らないわけにいかないだろうし、そこはこの県知事のほうが人物としては対応が大物かもしれないが、そばの人が憤懣やるかたないのもまた建築業(≒一般企業)でない官僚・県職員にとっては当然であろう。国と地方自治体が対等関係にならないのはこのように緊急融資を求めている事情では、企業間の融資と同じで優劣・非対称性は免れない。

そういう見方をすると、阪神大震災のときの目標が一貫した姿勢と違って今回の災害支援はない原資をどこから引き出すかという県と国との利害対立・利害相克が鮮明な社会情勢であるわけで、今までの支援体制とは一緒にできないという問題点を取り上げる報道も、十分評価されてしかるべきで、そうなると大臣の変なパフォーマンスは題して建設的な意味をもたないという視点もある。TBCの視点と他局の視点、この会談の報道においては各局ごとに差が出て当然とおもう。
もっともTBCはアナウンサーOBに2人、さらに元子会社勤務の報道関係者1人が民主党の宮城県選出現職国会議員という事情はあるんですがね。
------------------------------------------
この大臣(元になるのか・・・)に対しては、確かに建設ということでは知見があるのかもしれないし、なんとなくだが昔かたぎの大将(おやっさん)チックな気もするが、大臣としては不向きという声が多くなることは、感性の問題とするとまあむべなるかなとはおもう。しかし、そもそも本件は受ける人もいないし人材も払底しているというのもどうもあるようだ(いや他党でも、本件を批判する他党の人にでは任せる人がいるかというと思い当たらない)。
一方、最近の挙動を見ている人(さらに今回、あったものの旧知の関係である岩手県知事まで変だとおもい)は、なんか神経的に不安定状態だったという印象をもっているらしい。「政権にダメージを与える目的で意図的に発言した“自爆テロ”だ」(野党幹部)との臆測もあるらしい。もともと防災特命大臣であって、ほかに人に大臣を委嘱されても断る人ばかりだったから横滑りでなったわけで、其の上首相の姿勢を直前から報道陣の前で批判していたという。やめたいけど代わりの人がぜんぜんいないため慰留されていたということは言われているようである。
となると確信犯だとも言うのもあろう。「政権にダメージを与える目的で意図的に発言した“自爆テロ”だ」(野党幹部)との臆測もあるらしい。たしかに二面性のある性格なのか、おもうところがあったのかはわからんが、普段しないサングラスを彼がしていた(これは目が悪いという話もあるらしいが)とか言う理由からの類推まで持ち出し、そこまで深読みをするのはいまや無意味であるが。

(PS)7/15
だからといって精神的な病気となってしまうとは思わなかった。まあ職務上あの状況では発病ろいう可能性は否定しないし(事実、そういうようになった政治家はこの最近多い)、だからといってそういう人材が優秀な人材として(連続当選しているしね)社会に求められてきたというのもなくはないし、仮病かもしれないし第三者からの処置入院というところも否定できないし、伝聞で議論できる内容の情報は、まず当分流布しないだろうが。

|

« スタイル逸脱もあんたの技量 | トップページ | 思考のベース知識がなくなった以上 »

コメント

『書いたらその社はもう終わり』というような発言については、松本氏から釈明時も辞任時にも何のコメントも出ていなかったかと。
つまり、ご本人にとっては、『書いたらその社はもう終わり』という発言はそれほど問題と思っておられないのでしょう。

それこそが、問題なのだと考えます。

息をするように恫喝めいた発言を繰り返している。それなりに効果もあったであろうことは、今回の各マスコミの事例を見ても明らかです。

投稿: | 2011年7月 7日 (木曜日) 10時41分

>つまり、ご本人にとっては、『書いたらその社はもう終わり』という発言はそれほど問題と思っておられないのでしょう。
もちろんその可能性もあります。言葉が軽いともいえます。
但し、「撒き餌」という可能性も否定できないとはおもっています。(だからこそ、彼は釈明時も辞任時に何のコメントも出さなかったと思えるところもあるのですな)

私は良心に従い恫喝めいた発言をすることはしないことを信念にしていますが、一方企業のトップが恫喝しか道がないような修羅場に立ち、それがなしえなかったために負けていく(特に海外企業との交渉)場面を経験したり、そうやって自責の念を感じ交渉成立後辞職していった、信念がある人格者の経営者がむしろ淘汰された場面をこの数年間みるはめになってしまいました。
元大臣が恫喝行為に抵抗のない人物の可能性は否定しませんが、意図的に「おいおい」という感じの擁護報道をしている報道機関もいくらかあるのに対し、「演じた」可能性を否定できないところもすこしは感じるのです。

もっとも、こういう恫喝系の上司にはそれなりの対応を私もしていました。

投稿: デハボ1000 | 2011年7月 7日 (木曜日) 21時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/52132499

この記事へのトラックバック一覧です: 差あれば節穴、差がないなら横並び、苦情は一緒:

« スタイル逸脱もあんたの技量 | トップページ | 思考のベース知識がなくなった以上 »