« 執拗に追求は続く(1/2) | トップページ | 33年前の表現はやはり代わる »

執拗に追求は続く(2/2)

(承前)
ブルー・オーシャン戦略とマイケル・ポーターの競争戦略を比較してるなかでこんな問題に行き着いた。
-------------------------引用
ネット注文おせち「見本と違う」…納品遅れも  (2011年1月2日23時33分 読売新聞)
 飲食店経営会社「G」(横浜市)が、インターネットの共同購入サイトで注文を受け付けたお節料理「バードカフェ謹製おせち」500セットの納品が遅れたり、広告の内容と大幅に違っていたりしたとして、購入者との間でトラブルになっていたことが2日、わかった。(中略) 購入者の一人は「届いたおせちは見本の写真と全く違う、内容がスカスカのものだった」と憤っている。
---------------------------終了
ところが、ここでほーという話である。
ブログランキング・にほんブログ村へ
意外と「せちがらくない」手法で解決を図ろうとする動きだったのだ。
--------------------------引用
アメリカ人も謝る時には謝る グルーポンCEOが「大失敗」を謝罪 gooニュース2011年1月18日(火)11:30
英語メディアが伝える「JAPAN」なニュースをご紹介するこのコラム、今週は「グルーポン」騒動についてです。「大晦日に届かないし届いたらスカスカの劣悪だった」というおせち問題について同社の若きCEOが「本当に申し訳ない」と謝罪するビデオ(日本語字幕付き)が日本時間の17日夜、YouTubeに掲載されました。イメージダウンを何とかしなくてはという危機管理の一環ではありましょうが、「ビジネスオーナーが客に謝る際のお手本になる」と評価されています。そして、アメリカ人も謝るべき時には素直に謝るものだと身をもって示したこの姿は、もしかしたら多くの日本人が抱く「謝らないアメリカ人」のパブリックイメージを、少し変えたのではないでしょうか?

○さすがにまずい、あのおせち
このたび「おせち騒動」を謝罪したのは、クーポン共同購入サイト「グルーポン」(Groupon)の共同創業者兼CEO、アンドリュー・メイソン氏。1981年生まれ。公式プロフィールではガールフレンドと20匹以上の猫と暮らしているとありますが、英『テレグラフ』紙記事によると、猫20匹はいないとのこと(では猫たちはどこへ行ったの?と、猫好きとしては気になるところです)。
いずれにしても、公式プロフィールでもそうやって軽くふざけてみるというのが、グルーポンとアンドリュー・メイソンCEOの「ノリ」の様子。「弊社は資本金9億5000万ドルを計上しました」と真面目に発表する際にも、「グルーポンは、えっと、10億ドルとかそこらを計上(Groupon Raises, Like, A Billion Dollars)」と発表文に書いてみたり。あるいはプレスリリースで「グルーポンは『アメリカでベストなウエブサイト』だと、グルーポンのテレビCMで言われています」と書いたり。要はそういう、よく言えば若々しくて明るいノリの会社なんだという印象です。
それでもさすがに、グルーポン・ジャパンを通じて販売されてしまった「謹製おせち」の騒動はまずかった。問題のおせちの写真などが年明けに Twitterで流れてきた時、私も新年「初仰天」をしました。しかも騒ぎになっているのに、それを伝える記事の上にグルーポンの広告が出ているという皮肉な状況もネット各地で頻発しており。「なんだかなあ」と連日のように思うこと2週間余り。
被害に遭った顧客への個別対応は当然として、日本でのイメージダウンに対する危機管理はどうするのだろうかと思っていたら、このタイミングでメイソンCEOの謝罪ビデオがYouTubeで発表されたわけです。ネット企業がYouTube上で謝罪する、そのことに特に驚きはありません。言いたいことが全部伝えられるし、記者会見で質問攻めにされる事態も当面は避けられるという、昨今流行りの発表方法です。
○ 「本当に大失敗でした」

謝罪ビデオには日本語字幕がついていますので、詳しくはそちらを見て下さい。要するに、(1) 予想以上の注文が集まって店側の対応能力を超えてしまった、(2)アメリカをはじめ複数の国のグルーポンでは、業者の対応能力を正確に把握する方式「capacity planning formula」が導入されている、(3)日本ではグルーポンがあまりに予想外に急成長したため、このシステム導入がまだだった、(4)日本でもキャパシティー管理について担当者の教育を急いでいる、(5)日本でお正月がとても大切なイベントだと承知している、本当にごめんなさい――というのが主な内容です。
とりあえず素直で好ましいなと思ったのは、メイソンCEOが単刀直入に「We really messed up」と、率直な表現で認めたことです。字幕とは違う訳し方をしますが、「本当にヘマしました」とか「本当に大失敗でした」とか、そういう感じの表現です。
メイソンCEOはさらに、「今回のことで僕も、グルーポンの全員も、本当に申し訳なく思っています」と謝罪。この「I really want to say how terribly sorry I am」というのは、直訳すれば「自分がどんなに申し訳なく思っているか、ぜひともお伝えしたい」という意味で、英語における謝罪の常套句。常套句だから真摯ではないということではなく、こういう言い方をすれば「ああ、謝ってるんだな」とすぐに理解してもらえる表現です。
メイソン氏は、「僕たちがグルーポンを作ったのは、わくわくする新しい経験を提供して多くの人の生活を豊かなものにする、そのお手伝いをするためでした。なので今回のようにその反対のことをしてしまうと、本当に辛いんです(It really hurts)」と認めています。この「It really hurts」も、「体がとても痛いくらい申し訳なく思っている」という意味。日本語だと「身を切られるほど辛い」などと言う、あの感じに似ています。これも「ああ本当にすまないと思っているんだな」と相手に伝える、効果的な表現です。
メイソン氏は「こういうことがあると、謝るだけでは足りません。皆さんの信頼を回復するために何をしているか、同じような間違いが今後起きないようにどうしているか、説明したいと思います」と述べ、今回の被害者への弁償と、上述したような出店業者の対応能力を管理する方法を日本でも急ぎ導入することを説明しています。「皆さんの信頼を回復する」と訳した部分の英語は「earn back your trust」。信頼とは当たり前のようにしてあるのではなく、「earn」するもの、つまり信頼してもらえるだけの実績があって初めて得られるものという感覚が、この英語慣用句の根底にあります。
謝罪の最後でもCEOは「世界中で5000万人の人にメール登録してもらっていることは、信じられないくらい光栄だと思っているし、それを当然だなどと(take for granted)決して思っていません」とも。
○客に謝る際のお手本に
米ネットメディア『テック・クランチ』はメイソンCEOの謝罪について、「ビジネスオーナーの皆さんはこの謝罪の仕方をぜひ参考にしてください」と評価しています。「あなたがヘマをしたとき(when you screw up)」、顧客にどうやって真摯に謝ったらいいのかというお手本になるからと。
米ネットメディア『E-Commerce Times』も、グルーポンは「珍しい対応の仕方を選んだ。問題を否定したり、ごまかしたり、自分たちの起こした問題は大したことではないフリをするのではなく、グルーポンのCEOは対応のまずさを表立って認め、謝罪し、弁償し、同じようなことが二度と起きないよう会社として何をどうするのか顧客に説明した」と、評価しています。「時には、ごめんなさいと謝るのが一番いい(Sometimes it's best to say you're sorry)」のだと。
日本では訴訟社会アメリカについて、「ともかくアメリカ人は謝らない。日本人はついすぐ謝ってしまうから気をつけるように」というイメージが流布しています。アメリカ生活を始める前に、「すぐ謝っちゃダメだよ」と注意された人も多いのではないでしょうか?
確かにそれはあながち嘘とも言えないのですが、常に真実とも限らない。当たり前のことですがアメリカ人にも良識や常識や誠意や善意は(たくさん)あるので、謝るべき時にしっかりはっきり謝れば高く評価されるものです。人間としても、企業としても。たとえばトヨタ自動車が昨年のリコール問題の中であれだけ批判されたのは、「社長が謝らない、潔くない」という印象を与えてしまったことが大きな要因としてありました。
豊田社長が昨年の今ごろ「隠れてる、なかなか記者会見しない」と批判されていたように、メイソン氏の謝罪ももう少し早くても良かったんじゃないかと思わないでもないですが、この『E-Commerce Times』記事の筆者ロブ・スピーゲル氏は謝罪が「親密で、礼儀正しいものだった(personal and respectful)」と評価しています。
そしてこのニュース、英語圏のいわゆる「一般主要メディア」で伝えているのは今のところAP通信だけのようなのですが、AP通信が伝えたことで、英語圏でもそれなりに周知されることでしょう。グルーポンの「ひどいヘマ」と、それについてCEOが素直に謝ったことが両方同時に。そのどちらがより大事なニュースとして広まるかは様子見ですが、何となく、何となくですが「素直に謝った」ことの方が評価されるような気はします。
なんでもかんでも「すみません」と口先だけで言う人は信用されないし、訴訟社会では確かに自分の非を簡単に認めない方が良いことも多い。けれどもアメリカでは、明らかに自分に非があるのに謝らず、むしろ逆ギレして他人を責め立てる一部の政治家の姿に辟易としている人も多い。その辺を読み違えて「アメリカでは謝ってはいけない」などと勘違いしていると、人間性を疑われるのでどうぞご注意下さい。
------------------------------終了
グルーポンは珍しい対応の仕方を選んだというのであるが、若い会社である上に、今回の不平を持つ人々やユーザーも若いこともあってか、ある意味誠実な手法をあえてとったともおもう。YOUTUBEを使っている人と、グルーポンを使う人は母集団として重なるだけに、ある意味では効果的な手法である。(一歩間違うと「大本営発表」になる危険性はあるのだが)CEOが対応のまずさを表立って認め、謝罪し、弁償し、同じようなことが二度と起きないよう会社として何をどうするのか顧客に説明した。これはどうも日本事業のスタッフやそれなりのコンサルの指導を受けているとみなしてもいいかもしれない。少なくとも国ごとの商習慣の違いとし中国(大陸)と日本はかなり特殊で、大きな世界的に基盤や実績をもっている企業でさえも対処できないという文化の視点が異なるということを彼らは知っているのだろう。つまり、訴訟社会以前に和をもって尊しとする基本概念がある国では、まず過失があるなら謝り其の上で損害などの補償のテーブルが用意されているということかもしれない。その意味で、この処置は(日本法人に)切れ者がいたとだなとおもっている。もっとも日本法人はインターネットビジネスの会社が起こした類似業態の会社を買収したという経緯であり、日本企業としての視点を持った社員がいたという感じはする。
最も、この前からグルーポンのビジネスモデルに関しては日本国内ではニーズ獲得に対してノルマがきつすぎあくどいという評判もあったとはいう。それがこの結果を引き起こしたというのはわからなくもない。ところがこのビジネスモデルの拡散が日本では社会通念上なかなか理解されにくい上に、購買意欲の余力ぎりぎりまで飽和した状態で既存市場を切り崩すというところ自体の問題に海外の企業は気づかないようである。(参入しいても撤退しなければならないという海外企業は、日本人の経営指針ベースでない場合、いいパートナーを選ぶというある域賭け事をしなければ商売は維持でいないということは言われるようだ。世界の中で技術・占有率も高いシンドラーエレベータが問題解決の段階で欧米流に処置した結果、市場から退場させられた事例は海外では驚きをもって迎えられている)そのかわり一旦定着されれば盤石だともいうが)
その意味で、http://info.groupon.jp/topics/20110117-515.htmlに示される謝罪文を見て、私はこの会社は全世界に展開するビジネスモデルに対し一律な概念設置を本社が押し付けることはできない「地産地消」的業務の上でギャランティー回収に走る商売の流れというのは、欧米企業的でなく現実的な見方ができる、頭の柔らかいTOPということではないだろうか。それでも顧客の逸走は結構あるらしいが。
--------------------------
従って、この場合グルーポン社のシステムに対する不備(それは日本市場対応の不備。店舗が許容量以上のクーポンを提供することを未然に措置することを検討するというシステムを日本でも立ち上げる)という問題解決のストーリーができているのだが、それ以前に「商品を保障する」という機能については個々の店舗の責任になるというのもまた事実。つまりデパートの通信販売などかの品質責任の持たせ方とまったく異なるということは、実は多くの購買者が気がついたのであろう。そして、日本人である私はあくまで中間斡旋業者が商品の品質確保の第三者的立場を担うのが日本における流通卸売り業の立脚点と考えるから、企業としての意義やその企業文化がグルーポン社の確実に存在することは大いに理解しながらも、私が期待するビジネスとは異なっているため、グルーポン社が提供するサービスを用いものを買うことは、こと私は当面ないともいえるのである。

|

« 執拗に追求は続く(1/2) | トップページ | 33年前の表現はやはり代わる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/52110698

この記事へのトラックバック一覧です: 執拗に追求は続く(2/2) :

« 執拗に追求は続く(1/2) | トップページ | 33年前の表現はやはり代わる »