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トレードオフの関係(2/2)

(承前)
----------------------------------引用
脱原発と電力確保のトレードオフをどうするか  大西 宏  2011年06月13日  (抄録)
http://agora-web.jp/archives/1343282.html
関電が7月から15%節電を求める方針を固めたことで、脱原発と電力確保が、あちらを立てばこちらが立たずのトレードオフの関係にあるという現実が浮上してきたことになります。関西への製造拠点やデータセンターなどの西日本シフトへの期待にも、突然冷水がかけられました。(中略)
国民のなかにも脱原発への機運が広がりつつありますが、まだまだ嫌原発感情、原発への不安によるところが大きいと思われます。電力確保と脱原発を関連付けて考えられているとは必ずしも言えない状態ではないでしょうか。しかもどれほど国民が生活の不便さを我慢して節電が可能かの見通しも立っていないし、実感としても受け止められていないのでしょう。
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そのことは、あれだけ節電が求められた東電管轄のエリアの電力販売実績を見る限り、計画停電で混乱した3月でも、家庭用や小規模商店向けの「電灯」需要は、対前年同月で、関電エリアの6%増よりは低かったものの、3.5%伸びていたのが現実です。4月にはいって、東電エリア全体としては3月の5.9%減から、13.8%減へと節電が進みましたが、もっとも寄与したのが「大規模需要」であり。「電灯」需要は10.6%減にとどまりました。関電から示された15%節電がかなり厳しい節電目標であることは、この東電の販売実績からも伺えます。(中略)
--------------------------------中断
じつは、節電節電といわれているのだが、本当に省エネが図られるのかというとあまり意味がないところもある。エネルギー節約の余地も、産業用の省エネは日本ではもともとかなり進んでおり、節約できるのは当面5%程度であるという見方もある(LED化を強制的に進めたところでもすこし積み増すぐらい)。大規模需要が節減されているのであるが、実際のところ、この需要が家庭需要のほうにシフトしているという傾向がでている。今回の節電はあくまでピークカットによるものでマスの削減とは違うのであるため、需要の平坦化という意味では一定の効果はあるのだが、本質的なエネルギーの削減ということにはならないというのは、無理という感じをしている。少なくとも人が「お金を稼ぎたい」「いい生活を送りたい」「危険な作業をしないようにしたい」という志向がない以上電気の節減は大局的には
一般家庭にとっても電気代の値上げは実質的な「貧困化」をもたらすが、最大の影響は産業用の電気である。鉄鋼・アルミ・石油化学など電力使用量の大きい産業では利益率が大幅に下がり、投資が減り、海外シフトを余儀なくされるだろう。となると、重厚長大産業の競争力が下がって失業を増やす。結果エネルギー多消費産業の労働者と、工場の立地する地域が狙い撃ちになる。
サービス業の競争力が上がって労働人口が移動するということで、重厚長大産業脱却には有効であるということもあるのだが、実際のところサービス業や知識集約型企業をを生かせるのはそれを使うソース(つまり工業や産業などのバックグラウンド)や、たとえば著作権や知的財産権は其の維持にかかわる国際的社会規範(それは国力の多いところが勝つ価値観や利得の安定しないもの)の依存しており、結果的にエネルギーが確保できないところには利潤が取れないとおもう。だがら、原発はMUSTという短絡発想はとらないのだが。
--------------------------------再開
さて、トレードオフの関係は、商品開発やマーケティングにはつねにつきまとう問題です。その最適な関係を求めてきた歴史ともいえますが、両立を可能にするのは最終的にはなんらかのイノベーションが生まれることによってしかありえません。したがって現場で求められるのは、現実を踏まえ、実行可能な解を描き、最大の価値の実現や成果を生み出す知恵です。
いま政治に求められているのは、日本のエネルギー政策がどうするですが、もし脱原発を進めるという国民意識の流れにそった政策を推進するとすれば、3つの課題があります。
第一は、脱原発の代替エネルギーをいつ、どれくらいの比率にもっていくのかという目標の設定と、イノベーションを促す環境づくりです。
第二は、脱原発と電力不足の折り合いをどうつけるかの方針を示すことと、その国民合意を取ることです。自然エネルギーによる電力確保がすぐさまできるわけでなく、過渡期をどうするのかはもっとも政治に試されているところです。
第三は、実際に脱原発を進めるとして、廃炉には膨大な費用がかかってきますが、それをどう処理するかです。

イノベーションを促すには、発送電の分離が欠かせませんが、ほんとうにできるのかどうかです。技術的にも、制度的にも決して難しい問題ではないとしても、電力会社の抵抗はかならず起こり、実際にその方向に政治を動かすためには強い政治の意志とリーダーシップが必要です。
この夏に、どれくらいの節電ができるのか、また電力不足の影響があるのかを実感してはじめて政策課題としての重要度への理解が進むのかもしれませんが、エネルギー問題をクリアできなければ、日本はさらに対立が深まり、経済の停滞が目に見えて起こってくることは間違いありません。(後略)
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人々が技術をコントロールし、巨大企業の営利追求を否定する「道徳的な商業」である、糸紡ぎによって人々が経済的に自立する「自然で自由な」社会をめざしたのがガンジーの政策で、「非抵抗主義」のゆえんである。反対に当時のインドは「非道徳的な商業」でまとまったイギリスからの資本主義(というか帝国主義)支配から逃れられなかったという見方もある。しかし、これのみが唯一神格化すると、高度な知識基盤が潜在的にあるにもかかわらず貧困と停滞をもたらした政治体制を長年維持するしかなかったともいえ、イギリスの影響の排除が徹底された後に、「道徳的な商業」の思想からの離脱からBRICs(ブリックス)への道を歩んだともいえる。
というかそもそも、すべてのエネルギー産業は、環境を汚染するといおうことが絶対なら不道徳なものだ。(そのいみではドイツの脱原発で国際的な電力購買をせずやっていくとなって、化石燃料が増加したらなにやってるんだかになる)資本主義も不道徳だし、大体CO2を出すことも環境に対し不道徳で、前に述べたように生活をする以上エネルギーを消費するなら、人間の存在は既に不道徳である。しかし、今回の議論において脱原発と電力不足の折り合いをどうつけるかの方針を示すことはともかく、その国民合意は、もともと取れないであろう。理念が宗教化させない限り(そしてそれがナチスドイツや主体思想なのだろうが)、宗教で国が分かれ内乱を繰り返する国は世界にごまんとある。

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