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不謹慎ネタとはなんだろう

まあ、不謹慎なということで意思の疎通が図れないことってことは免れない。しかし、先に書いたBBCの原爆ネタに日本大使館が抗議した件(http://dehabo1000.cocolog-nifty.com/holder/2011/01/post-011c.htm)などもあるので、なかなか共通の概念がない国同士・民族同士では難しい。
たとえば・・・東日本大地震をネタにして、無神経なジョークをTwitterで連発していた米コメディアンが、出演CMを降板させられた。ところが、かの地では自虐漫談(一時のビートたけしに近いか、年齢としては高田純次に近い)では有名らしい。
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非難を浴びているのはベテランコメディアンのギルバート・ゴットフリード。Twitter上で、「さすが日本は発達している。連中はビーチに出かける必要がない。ビーチのほうからやって来てくれるんだから」など、計12回にわたって日本人が日ごろ某デーブ・スペクターでおなじみの「アメリカンジョーク」をつぶやいていた。(これではデーブに失礼か)

この軽率しかもお下劣な(ちょっと直裁的に色っぽいのがあった)コメントに対し、非難が集中。CMの(同社のマスコットキャラクターであるアヒルの声の)声優として起用していたアフラック保険は、即座に解雇(日本の雇用契約風に言えば専属契約解除)。同社は、「日本の危機に関する、ギルバートの最近のコメントはユーモアを欠いたものであり、アフラック社員の考えや感情を反映したものでは決してありません」と声明を発表した。
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どうもアフラックにとって日本は大きな顧客であること(アメリカのほかの保険会社とはすこし違う事情がある。しかもいまやアフラックの利益の70~75%は日本市場で稼いでる)がわかっていなかったのかもしれない。また、芸人、特にスタンドアップコメディーは他人をけなしてなんぼというもある芸風でもある(あるいみ鳥居みゆきが近い)ので、笑っちゃいけない事に突っ込んでいく立場としては、思い付いちゃったからには言いたくて仕方がなかったんだろう。というが、どうもこの人は捨て身の芸で売っているところもあるらしい。どこかに、これを批判して「アメリカはすごい!空港に行かなくても飛行機がビルまで迎えにきてくれるのだから!」とか彼は言うのかという冗談を言っているのをもみたのだが、いやかれはそれ以上にいい仕事をしてます。
上記にリンクしてあるWikiIの部分抄約には

彼は、米国同時多発テロのちょうど3週間後に演芸場でこのようなねたをやった。
モノローグ(前フリ)で、彼が「飛行機に乗るつもりだが、直行便が取れないんだ。飛行機はエンパイア・ステート・ビルディングに止まらなければならないとなってる。」
というジョーク(The Aristocrats jokeとなっている。不謹慎を笑うジョークの一形態。なおAristocrats jokeの直訳は「貴族の(=見下した)冗談」という・・あれ、日本でもこういう名前のがあったなあ)結構客に突っ込まれていたようだ。
従って、私はある意味人を切る冗談のためには命も惜しまない側面も彼の仕事にはあるんではとおもう。もっとも、アメリカは発達している。彼は仕事に出かける必要がない。顧客のほうから断りに来てくれるんだからとかいえるとか。
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さて、日曜日笑点を見ていたら、演芸コーナーに医事漫談のケーシー高峰(77)がでてきた。この2回、漫才のサンドウイッチマン(宮城県出身・気仙沼で震災に遭遇し、情報をいち早く伝達)や手品のマギー審司(気仙沼出身で親族がなくなった)というメンバーが演芸コーナーにでていたのだが、どうもこれは地方での録画の関係で偶然こうなっただけで、これが九州ということもあるのか番組ではこの手の話は触りしかしなかった。
サンドウィッチマンは、漫才の冒頭「どうも東北の漫才師・サンドウィッチマンでございます。」と自己紹介。
マギー審司はネタの最後に、赤・白いハンカチを日の丸の旗に変身させ「がんばれ日本!東北地方の復興を心より願っております!」。
ケーシー高峰は東京での録画である。ベン・ケーシーのテーマの出囃子で先においてある黒板の前に出て来るなり「放射能の産地、福島県いわき市から参りました。皆様に放射能を公平にお分けいたします」と言って(いつものコスチュームの)白衣を客席に向かってバサバサ・・おいおい。
しかしすぐ直って、・・・福島県に応援いただきありがとうございます。生まれは山形県ですが23年もいわき市に住んでおりいまやひっこす気はありません。今は夫婦で炊き出しをしています(下記)。3/13東京での舞台(浅草キッズらの漫才会に招待の形ででていたらしい)がおわったら、家に寄ってくれというので100人分のトン汁とまいたけご飯を持っていった・・・とたたみかける。この間漫談と言うよりは事実を簡潔にのべるのに徹している上に、の描写が生々しい。(この間の描写には客からほー・・・という反応も多い)
これ以降彼得意の医療情報(ここでは貧弱な上に食事が変化がないため味覚障害が生じる事。高齢者の認知症発生、食中毒発生)という内容を交えた「避難所風景」という形の漫談を披露し、最後に「まあ、どうぞひとつ心ある人間的な対処をしていただきたいとおもいます。ありがとうございました。」で締める。
参考:http://ckpc.net/kiji/914
放射能の原産地・福島県いわき市からやってきました。平等に放射能をお分けしたいと思います(客席に向かって白衣をバサバサ)。
テレビご覧になっている皆さん、いつもいつも、福島県を応援いただいて、本当に感謝申し上げます。(拍手を制して)ありがとうございます。私も被災者でございまして、出身が山形なのに、福島県いわき市に住んで23年になりました。もう、どんなことがあっても、いわきを離れたくありません。いま本当、夫婦ともども、炊き出しに行っています。もう、本当にかわいそうです。
それで、被災されている方は食べ物が限定されています。最初の1ヶ月は何もなかった。朝パンですよ。パン1個。それから小さなミルクみたいなの。これ1個。昼間はおむすび、夜もおむすび1個です。うちの家内がちょうど3月11日、3月13日、紀伊国屋ホール終わって帰って、「あんたもし良かったら顔出してちょうだい」。それで行きました。百何人。豚汁と、舞茸ご飯作って。そこへ丁度、福島医大のドクター達が来ていた。福島医大の先生方は、朝・昼食べなかったんだ。
一番福島医大で美人の女性の…、その時「あ~、この娘と一緒になりたい!」と思った。(笑い)…言わないほうが良かったかな。

白衣を客席に向かってバサバサというのは、被災者を「放射能差別」する人たちへの強烈なブラックジョークなのだろう。というのは彼の漫談の特徴なのだが、先においてある黒板には実は演じるときのレジュメが書いてあり、今回も(その場にあわせて使わないものも多くは混ざっている。その場にあわせている可能性もある)「風評被害・味覚障害・認知症・何度も同じ事を繰り返す・ノロウイルス・食中毒・シーベルト(Sievert)・バイアグラ(Viagra)・ピル(pill)」とか黒板に記載されているが、どうも最初の風評被害に「この白衣を客席に向かってバサバサ」と「どうぞひとつ心ある人間的な対処をしていただきたい」というのが相当するのだろう。(黒板には「Viagra」とか「pill」とか相変わらず書いてるから収録時はやったのかもしれないが放送には載せなかったのだろう)

もちろん毒舌という意味ではケーシー高峰の漫談は有名で、医療のほうでは(難しい領域でもあり)追従者がいないものの、綾小路きみまろとか毒蝮三太夫とかに近い芸風なのだが、これが毒舌なのかというとその実人間でなく現象に対するきつい批判である。要するにアメリカのような「個人の特定」がされると日本では笑いにならず、漠然とする表現では笑いになるのだが、この手法ではアメリカでは意味が通じないということではとおもう。
-------------------引用
ケーシー高峰さん、笑いや炊き出しで恩返し 23年いわき居住、離れず頑張る  2011年03月31日 09:15 山形新聞
 (山形県)最上町出身で「医学漫談」で知られる漫談家ケーシー高峰さん(77)が福島県いわき市の自宅にとどまり、近くの避難所で炊き出しを行っている。避難者の声にじっくり耳を傾けては時折ジョークを飛ばして心をほぐすことも。山形新聞の取材に対し30日、「23年住み続けている土地の人たちに恩返しをしたい。こんな時だからこそ笑いも大事」と話した。
-福島第1原発の事故が心配では。
 自宅のあるいわき市泉ケ丘(常磐線泉駅の近くの丘の上にある住宅地のようですね)は原発から約60キロ。近くの子どもがいる家族はほとんど避難した。残っているのは高齢者ばかり。頭の中、何を考えても甲状腺(向上せん)なんてね。
-避難は考えていないのか。
 23年住んだいわきの人のために何かやってやろうという気持ちの方が強い。避難所に顔を見せただけで「わー、ケーシーが来た」って被災者が喜んでくれる。ストレスをため込むのが一番よくない。話を聞いたり冗談を言って笑わせたりすると、涙ながらに語って、最後は「よく来てくれた」って言ってくれる。ありがたいですよ。もういわきを離れません。
-炊き出しにも取り組んでいる。
 近くの公民館に、相馬市や北茨城市から70人ぐらい避難してきている。家を流され、着の身着のまま逃げてきた人たちは本当に気の毒。毎日おむすびとたくあん、みそ汁だけ。居ても立ってもいられなくて、28日に初めて炊き出しをした。振る舞ったのはまいたけご飯と豚汁。これからは3、4日置きにやるつもりだ。妻の友達や地域のお母さんたち10人ぐらいが家から食材を持ち寄って、僕も包丁を握った。
-福島県沿岸部は大変な被害に遭った。
 踏んだり蹴ったりだ。紙おむつをはじめ支援物資は届かないし、ガソリンもない。農業被害に風評被害が重なっている。スーパーが営業を始めたらしいが、インスタントラーメン、パン、お茶はあっという間に売り切れたようだ。マスコミは宮城県の被災地を多く取り上げるが、この辺りの海岸線も見るも無残。電気は通ったけれど断水が続く。まだまだこれからが大変だ。
 -復興までは長い道のりになる。
 つくづく東北の人は辛抱強いと思う。普通なら文句を言っているよ。同じ東北人、山形と福島に通じるものを感じる。今、山形に避難している福島の皆さんは、どうぞ山形県人に甘えていいよ。山形の人は、持ち前の心の広さを大いに発揮してほしい。僕はいわきで頑張ります。
-------------------------終了

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