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バラ売り

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近距離きっぷもお得 駅前に自販機続々   . asahi.com  2011年1月9日7時41分
阪神間のJRの駅前に、近距離のきっぷを割安で買える自動販売機が続々と登場している。12枚で1組の「昼間特割きっぷ」に目を付けたチケット業者がマージンをとってバラ売りするようになった。中には、わずか4台で年間約2億円を売り上げる業者も。
「できれば正規料金で……」とこぼすJR西日本だが、法的な問題はなく、駅前の「商売繁盛」になすすべがない。
兵庫県西宮市のJR甲子園口駅改札から20メートルほどのロータリー沿い。平日午後、「格安JR券」と大きく書かれた自販機の前に並んでいる人たちがいた。
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西宮市の女性(55)が30並ぶボタンのうち「甲子園口⇔三ノ宮・元町 190円」を押した。駅の窓口で買うと1枚290円。100円安い。12枚1組の昼特きっぷなら1枚あたり約158円。それよりは高いが、親族の家から勤務先に行くのは月に2、3度。そんな時にこの自販機は魅力だ。女性は「駅員さんの目前で後ろめたい気はしますが……」と改札口に目をやった。
自販機でバラ売りしている昼特きっぷは、平日の日中と土日・祝日に使える回数券。3カ月の有効期間内に使い切らなければ、残った分だけ割安感がなくなる。自販機を設ける古物商「HKコーポレーション」(同県芦屋市)の小坂博美社長(59)はここに目をつけ、JRから買った昼特きっぷに約9%のマージン分を上乗せし、5年前からバラ売りを始めた。
甲子園口以外でも立花(尼崎市)、芦屋(芦屋市)、住吉(神戸市東灘区)に各1台を置き、午前6時~午後9時半に売る。4台の2009年度の売り上げは約1億9800万円に上り、約1800万円のもうけがあるという。 1台約800枚のきっぷを収容する自販機が品切れとならないよう、小坂社長と社員の2人で朝夕の2回、補充して回る。
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都内でも新橋に行くとこういう金券ショップ(これらは古物商の免許を持っている)がたくさんあって、新幹線のきっぷを安く売っているものをみますな。横浜駅の前にもありますね。このような販売に対してJR東やJR東海は「まがいものをつかまされるから」とということからあまりいい思いをしていない(張り紙を出したこともある)。

駅構内にはこのような店がないのは通例である。けど考えれば有楽町の駅近くにはまさに自販機やみどりの窓口のどまん前にこういう店がありますな。また沼津駅の近くにも同じような回数券ばら売りの「自販機」があって、ニーズがあるんだなあと驚いたことがある。
ところが近距離切符に関してはこういう商売を関東では見ない。これは日中だけの割引切符というのはJRのみならず私鉄も行わないからでもある。そのため関東では例がないのであるが他の地域では結構あるのだ。ただ大概は私鉄やバス会社がJRに合わせる形で料金を低く調整している。朝夕の輸送量と日中の輸送量の差がひどくあり効率的な乗員の運用などを考えると空の電車を走らせるよりはましということもあるのだろう。このあたりは日中もそれなりに客が居る東京の電車との差かも知れぬ。
こうした販売方法には古物営業法に基づく営業許可があればできる。ダフ屋のように高い金をふっかけて販売数が限られるチケットなどを公共の場所(路上など)で販売すれば、ダフ屋行為なのだが、自ら買ったものを公共用地以外でバラ売りし、しかも普通運賃より低いとなれば適正な営業活動というか商社活動なのだ。こういうのを場何とかしたいといっても繁忙時の運賃は通常の定価である以上どうしようもなくなる。
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そのむかし、名古屋と大阪の間には関西鉄道(かんせいてつどう・・・今の関西本線)と官鉄(東海道本線)てのがあったが、熾烈な価格競争をした経緯がある。
関西鉄道は、昼行1往復・夜行1往復で料金不要の急行列車を設定した。名古屋駅 - 大阪駅(関西鉄道は当初京橋の近くにターミナルを置いた。のちに今のJR難波)間において時刻も運賃も同額で勝負はほぼ互角であった。
1902年から値下げ合戦が始まる。値下げは片道よりも往復運賃の値引きになる(ここで岐阜とか四日市とかでの途中下車は正規の運賃なので、そのほうが高くなる)往復運賃が片道運賃を下回るまでし、団扇などおまけ競争までして泥沼化して行った。
これrでは安全性に問題が出始めたことを憂慮し国会議員等の調停での和解があったが、翌年協定破棄で競争が再開され、片道運賃まで割引をし、弁当や旅のしおりなどもサービスする有様となった。関西鉄道の社長は倒産も覚悟し、「どうせ潰れるなら官鉄を潰してから」といったと言われる。結果的には日露戦争勃発とで輸送が軍需優先となり政治的に終結され、そののち合併にいたるのだが、この経緯もあって関西本線は合併後疎んじられ(線形が悪いこともある)幹線から滑り降りてしまう。反対に競争がなくなったことで逆に近鉄(大軌)の名古屋進出にかかわるのである。

綴りになってて元が無いと使えなかった回数券システムというのが多かったのだが、関西では金券式の回数券が、もともと路面電車起源の私鉄とか、市電・市バスで幅広く販売されていた。これは路面電車由来の流れにかかわるところである。(近鉄や南海では表紙つきが前提であったが、11人一緒に使うのは表紙を持っている人が居れば問題なかったようである)確かに磁気切符の関係でばら売りになったのだが、もともとそのようなばら売りをするのはそう珍しいことでなかったのである。
昔、たばこやさんが回数券ばら売りしていたり、バスターミナルで回数券をばら売りしていた人がいた。(京都でも神戸でも)これは、11枚の切符を10枚で買ってばら売りするついでに路線案内をしたりするわけで、電車の乗降の際にスムーズになるとか、また、戦後すぐのころは戦災で困った人の職業として重宝されていたりとお互いにメリットがあったわけだ。(なおこのため、JRの駅で簡易委託を駅前の店などでする場合、11枚を10枚のコストで卸して、1枚分を販売店の利得とする手法が多いのである。)
しかも各鉄道会社は香典返しに金券式回数券をつかうことを奨励し、挙句は顧客の要求で配達サービスにしたり(オレンジカードやテレフォンカード、バスカードを引き出物に使う人がいるのと同じ)ているとか、京阪電鉄のように11枚つづりの回数券自体が車内での補充券や無人駅での販売のために車掌が持っているものと共用(ために無人駅の名前が書いてあり、パンチをうつことを想定するものもあった)してるものもあったぐらいである。だから、近距離切符をばら売りすることは、そう不思議な行動ではなかったのである。
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もっとも競合路線が多い関西では、最近は自動車に客が奪われなくても日中の総輸送量が落ちてきている(これは居住者の平均年齢の高齢化が要因だといわれている。朝夕は変わらないでも。しかもこの問題の地域では自動車もそこそこ込んでいて鉄道は価格の割に速い安全な輸送手段ではあるのだが、それでも輸送量は増えず、しかも純利益は減り気味である)。しかも競争がされない市場ではそもそも需要が生まれないというところもあり、生き残りりは過酷である。もともと車両レベルは高止まりになっており、残る競争手段が運賃の値下げ競争のみとなっている場合もある。

JR:京都ー大阪:正規運賃 540円
           昼特きっぷ(平日10-17時、土休日終日) 12枚綴り3,670円 305.8円/枚 (約43%オフ)
   阪急 大阪梅田ー京都河原町 正規運賃390円

京都側の地点に差があり、また所要時間が違い(JRが早い)こともあるとはいえ、JRの正規運賃が高すぎる か 昼特きっぷの割引率が異常に高いともいえる。けどこの結果、阪急や阪神から客が流れてる(京阪の場合は川を挟むとかあって直接競争にはならない)というのはあるようである。少なくとも山陽電鉄はかなり困っているようだ。
関西は私鉄の料金が安いから、JRも昼特きっぷや特定運賃を設定せざるを得ない。昼特きっぷを辞めるか値上げすれば一発で私鉄に流れる。正規運賃下げれば通勤時間帯のJRの運賃収入が低下してしまう。対策したらしたで客が減るから対策もできないとなると、安い客でもがらがらで走らすよりはいいということになる。
元々私鉄との競争で国鉄が打ち出した対抗策で、JR西日本にも継承された。私鉄各社も時差回数券や土休日回数券などを発売しており、場合によってはこちらのほうがやすい場合も日によってはあるらしい。あげく阪神と阪急は阪急・阪神経営統合によるサービス向上策の一環として相互に使えるようにするとか(まさにJR線を挟み撃ちすることになる)関西圏のJRと私鉄との熾烈な競争の例の一つとなっている。
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市場が飽和することを普通は商品の企画者は考えないで販売する。ところが市場飽和をしてしまうとそのほかの要因を促進することができればいい(住宅・学校・企業を誘致、催事開催)のだが、それがいきわたってしまったりしたところで外乱(震災で人が減ったとか、高齢化とか、買い物に行かなくなったとか、また列車事故で信頼を損ねたというのもあったよなあ)が入ると、一発で代わる。上記の関西鉄道のように、途中下車のほうが高くなるのは、今は申請手法に代わった結果、高速バスに例がある(例:上野天理線・・・伊賀市-天理市の高速バスだと上野産業会館―天理駅前 1700円 なのに、はるか遠くに行く伊賀大阪高速線・・・上野産業会館―大阪駅は1500円である)が、これは規制緩和と安全性が保たれないなどの問題が起きる場合の市場からの容易な退場を肯定するという姿勢の変化による。公益性に対して社会の自由意志に依存することで、自由な競争で生き残ることがその証左となるのだろうが、向米ではまずありえないチキンレースになるということに、なぜか日本ではなってしまうということに世界が戸惑っている。(まさか賃金のダウンが日本で激しく起きるというのに欧州では、動揺し、衰退の証という認識まであった。一物二価という東洋では良くある概念もこの解釈を難しくしているが)
関東の人から見れば、これは身を削ってチキンレースをしてると、眉をひそめるかもしれない。しかし同じことはよくあることだよね。100円ショップにしかり、牛丼やさんの値下げ競争、果てはいまや市場飽和してしまったコンビニの出店によるつぶしあい。倫理を守った社会的に認められる行為が社会における企業の存在意義だったのであるが、社会が認める活動を認証するスピードに現実のカネを稼ぐ革新的手法への対策が追いつかなくなっているかもしれぬ。

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