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問題意識の違いであろう(2/3)

(承前)
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BBC側、日本大使館にも謝罪 二重被爆者の不適切放送で 2011/01/21 20:42 【共同通信】
 【ロンドン共同】英BBCテレビのお笑いクイズ番組「QI」が広島と長崎で二重に被爆し、昨年死去した山口彊さん(長崎市出身)を「世界一運が悪い男」などとジョーク交じりに紹介した問題で、「不適切だ」と抗議していたロンドンの日本大使館に21日、番組プロデューサーからの謝罪文が届いた。(後略)
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モンティパイソン(これもBBCである)もイギリス王室を徹底してコケにするコントをやまほどやってる。それに対して当然非難はあろう(というか日本で放送した当時も、きわどすぎて結果ローカル局だった東京12チャンネル(=テレビ東京)でもかなり内容を調整して放送している。また、このこき下ろしは品性もなく、民族差別、人権蹂躙という見方もあって、ひどいと、余所者で日本人がほとんど出てこないのに日本人が多く憤慨した事例さえある。)そこをNGにして意見が封殺されるのはさて「平等な」視点かというポリシーもあるし、一方これによって簡単に英国王室の権威や品位が損なわれていないとかんがえてるかもしれぬ。(その分「天皇も便所では紙(かみ)に頼っている」といって放送禁止となった本邦とは違うな) また、ミスタービーンで女王陛下(のそっくりさん)にヘットバットかましたりした差別的な笑いをするのは、イギリスの笑いの基盤的思想であるようで、シニカル・自虐性の笑いがある。これは上に述べた階層的断絶の強い社会構成のなせることではあろう。

モンティパイソンで障害者の障害者レースというのもあった。これなんぞは確信犯であるともいえるが、笑い自体にそもそも差別性、蔑視が前提にあるというブラックなコメディではあるが厳然とした事実を示しているとも言える。平等という概念が人権より優先される概念(公共の福祉を高くする概念)はむしろ日本の見方である。つまり人権の存在は重要であるが、平等という概念は人権のはるか後ろに順位があるので笑いが出てくることをこれは示す。日本でこれやったら「自己検証番組」でフルボッコにされそうである。(ナイナイ岡村氏やロンブー田村淳などがこのような理由で自己規制をすることを、問題としてそれに対する姿勢を語る番組を作った記憶がある)

日本ではこのような差別的な形で笑いを取らないというものを趣旨とする喜劇役者が特に関東では多い。萩本欽一氏、先代の林家三平氏はこれを強く進めた人である。これは種々の理由があるのだが、いろんな人が集まり集合体として生きていく江戸・東京で、笑う人と気分悪くする人がいるのでは「同一性が求められる社会」になじまないという側面があるのかもと推察する(これだけではないが)。特にこの考え方は、庶民と下級武士の町の上、明治初期には地方から来た人にもわかる差別性の笑いを構築しなければならなくなった。(結果この時代は、旧来の歌舞伎や風習を知っているからわかる落語より、何も知らないからこそ笑えるという芸風を興味持つ人々が現れ、落語家の芸風にコント的なものを混ぜ、一発芸もすることで評価される人が出てくる。4代目「郭巨の釜掘り」立川談志、初代「ステテコ踊りの」三遊亭圓遊、初代「ヘラヘラ節」三遊亭萬橘、 4代目「ラッパ」橘家圓太郎と共に明治の「珍芸の四天王」という) けどイギリスは 「人々には基本的に差異があり、同一性自体を期待するべきでないから成り立つ社会」ということが全般にあるのではないか。

BBCはポリシーの是非はともかく、独自性も露呈して後は聴取者の意識や判断にまかせる立場を貫いている(これは英米の新聞に記載全体にいえることであもある。だから著名記事は注意して読まないとかなり偏った記事が入っていることがある)。結構とんがった体質の放送局ともいえ、「皆様のNHK」というのとはここに大差があるようだ。となると、少なくとも日本人にとっては取り上げ方に尊厳がみられないということは言うべきだし、それは在外公館は、対応し、釘をさしたということは認めるべきかもしれない。
逆に言うとアウシュビッツやソ連の粛清などの事象に対し一般日本人も事実認識を持ちえてるかは、一度自己検証をしておくべきともいえるな。(続く)

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