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省エネ最新機器情報(1/2)

給湯器にエコキュートというものがあり、CMなどで見かけたこともあるだろう。
 エコキュートとは、ヒートポンプ式(熱媒体等を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させる技術。冷凍冷蔵庫、エアコンなどもこの機構)を用いた電気給湯器の一種である。冷媒(CO2ガス)に大気中の熱を吸収させ、それをさらにコンプレッサーで圧縮して高温(高圧)にして、その熱を熱交換機で水に伝えることで約90℃のお湯を作る。冷媒は熱を奪われるので、再び熱を吸収できる状態で循環する。
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使用する電気エネルギーに対して約3倍以上の熱エネルギーが得られる(つまりその分外気を冷却する。低い温度のところから熱を更にくみ出すというのがヒートポンプというゆえんである)低コストな夜間電力を用いるバリエーションもある。使用する電気エネルギーを1とした得られる熱エネルギーの比をCOP(エネルギー消費効率・成績係数:Coefficient Of Performance)という。厄介なのはこのエネルギー消費効率は環境の話に出てくるのだが、最近はCOP15とか条約締約国会議(Conference of Parties)に環境にかかわる会議が多くあり、ややこしくて仕方がないのである。

いままで、省エネのメリットは大きいと述べたが、ほかの給湯設備より給湯設備が大がかりで、初期投資を数年で回収できるものの一時的な初期投資が大きい問題はある。もちろん外気が極めて冷たい(そしてそういうときほどお湯は用途が多い)と急に性能が低下する。ともかく日本の標準的気候ではお湯を用い、また冷気もほしいという場合(たとえば機械の冷却に用いる)というなら意外な使用方法があるものだ。
この分野は意外とアメリカでは冷やす能力は高く耐久性は高いがエネルギー効率が悪く、他方欧州では(空気が乾燥していて冷凍空調のニーズが低いこともあり)耐久性がいまいちということがあり、その狭間で存在感を示している。(確かに欧州の車は概して冷房空調が日本ではもたないので、日本向け輸出品は日本製ないしはその設計流用の装置をつけることが多いらしい。ないしは思い切り強力な熱帯向けの冷凍装置をつけ、重くなってしまうという機械・輸送機器もあった。)
-----------------------------------------引用(三菱重工広報資料)
三菱重工業は、30kW機で業界トップの中間期COP4.3(※中間期COP:春および秋(=中間期)の温度条件(外気温度16℃、入水温度17℃、出湯温度65℃)でのエネルギー消費効率(=COP)のこと。中間期の単位消費電力あたりの加熱能力(中間期加熱能力÷中間期消費電力)を表したもの。 )を達成するとともに、外気温-7℃まで加熱能力を維持し、-25℃まで使用可能な業務用CO2ヒートポンプ給湯機「キュートン」(型式 ESA30)を開発した。ヒートポンプの心臓部である圧縮機にスクロータリー式CO2 2段圧縮機を採用して実現したもので、世界で初めて-25℃の極寒地域まで使用を可能とした。寒冷地でのヒートポンプ給湯機の普及に道を拓く戦略商品として積極的な拡販をはかっていく。
 これまでのヒートポンプ給湯機は、低外気温条件下で加熱能力やCOPが大幅に低下するため寒冷地での導入には制約が伴った。今回のCO2ヒートポンプ給湯機は、この制約を世界で初めて打ち破ったもので、外気温-7℃でも定格加熱能力を維持するだけでなく、-25℃の極寒条件においても90℃の焚き上げを可能にして、国内外を問わず、世界中のほとんどの地域でヒートポンプ給湯機の導入を可能とした。
 これら優れた特長を支えるのが、スクロール圧縮機とロータリー圧縮機を組み合わせた世界初の「スクロータリー」圧縮機。高圧力比での効率が優れるスクロール圧縮機と、低圧力比での効率が優れるロータリー圧縮機を組み合わせて2段圧縮することにより、すべての運転条件で高効率化を達成、併せて、差圧低減による性能向上と信頼性向上を両立させた。さらに、中間圧へのガスインジェクション機構の導入により、冷媒循環量を増加させて、低外気温においても必要な能力確保に成功した。
-------------------------中断
確かにこれだと大陸地域などで夏冬の温度差が激しい場合などでも電気が確保されれば(太陽電池とかもあろう)地使えるので輸出しやすいという側面がある。
さて、「スクロータリー」圧縮機なんて名前をつけているが、これは低圧段をロータリー圧縮機、昇圧(高圧)をスクロール圧縮機にしたときいて、ああ、これはコストより達成される性能を求めたらこれは頭のいい合理的な手法とひざを打った。この設計はかなり古参の手馴れた圧縮機システムの技術者が作ったシステムというのを感じる。中間圧へのガスインジェクション機構の導入というのはちょっと前の技術であり、ノウハウの集成の要素が強いからである。
-------------------------再開
 今回の発売に当たり当社は、-25℃までの極寒地で使えるモデル(キュートン25)とともに、比較的温暖な地域に向けたモデル(キュートン5)も取り揃える予定。容量的には16台までの連結設置・制御が可能で、60℃換算の一日当りの給湯量で最大120トンの大型施設にも対応できる。また、高温入水63℃での運転を可能にし、配管保温や浴場保温などの給湯循環施設にも対応可能。
 また、リモコンは、操作性が高い液晶パネルを軽くタッチするだけのタッチパネル方式を採用。週間タイマーによるピークカットなどの省エネコントロールに加え、貯湯量推移が一目でわかる機能も搭載した。さらには、故障予知を可能とする遠隔監視システムにも対応でき、予防保全を行うこともできる。
 当社は、低炭素化社会実現を目指し、ヒートポンプ事業の拡大に取り組んでおり、排熱回収型産業用ヒートポンプ、家庭用ヒートポンプとともに、今回の業務用CO2ヒートポンプ給湯機を主力製品の一つとして育成していく方針。給湯・温水系ヒートポンプの加熱能力としては、8~627kW まで豊富な品揃えを持ち、あらゆるニーズに対応可能。
 今回の業務用CO2ヒートポンプ給湯機の市場投入に当っては、ファミリーレストラン、スーパーマーケット、介護保険施設、ホテルなどを主たるターゲットとして、積極的な営業活動を展開していく。
 なお、昨年末より北海道電力株式会社の協力を得て北海道道東地区で実証試験を開始したのを皮切りに、東北、北陸の寒冷地地区でも実証試験を推進中である。
-------------------------終了
確かに温泉施設などや食品加工などでは、ボイラー(石油や石炭など)の管理は結構面倒な上に、排ガス処理など副次的要因も結構運営コストや要員配置で困っているのも事実。しかも海外企業の弱い分野でもある。着目したい。

ただし、意図しなかったのはこの名前「キュートン」である。たまたまそのものずばりのパフォーマンスユニット(というかお笑いユニット)があるんだよな。多分こんなことは三菱さんは想定外で「給湯するから・・・というネーミングだったのだろうが。

あーそーか。
広報資料や販促ポスターでいきなり椿鬼奴やくまだまさしがでるのとか。ただしこの手法が、商品イメージにいい効果があるかは、外野から見て判断に苦しむのだが。(続く)

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