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報告書には影響なかったが運営手法に問題なしといえるか

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宝塚線事故調査の漏洩「報告書に影響なし」 検証チーム  2010年12月13日20時14分 朝日新聞
 JR宝塚線(福知山線)脱線事故をめぐって、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現・運輸安全委員会)の調査報告書の内容がJR西日本側に漏れていた問題で、報告書の信頼性を調べている運輸安全委、被害者・遺族、有識者らによる検証チームは13日、大阪市内で4回目の会合を開き、漏洩(ろうえい)などによる調査報告書への影響はなかったと結論づけた。
 検証対象となったのは、報告書の内容を知ったJR西のY前社長からの働きかけで、事故調のYA元委員が他の委員に報告書の書き換えを求めた件と、自動列車停止装置(ATS)整備に関する会議用資料の一部がJR西側から事故調に提出されていなかった件。
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 検証チームがJR西や事故調の関係者にヒアリングした結果、いずれも報告書への影響はなく、報告書の記述を書き換える必要はないとした。今回は中間まとめで、来年3月をめどに最終報告書を公表する。
 会合に出席した運輸安全委員会のG委員長は「報告書の信頼が取り戻せ、たいへん安心をしている」と話した。
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以前私はこういうのを書いたのだが。
http://dehabo1000.cocolog-nifty.com/holder/2009/10/post-9655.html

JR西、組織的に委員に接触=東京副本部長も事故調元部会長に-福知山線事故 9月27日0時6分配信 時事通信
 JR福知山線の事故報告書漏えい問題で、JR西日本のSU東京本部副本部長は26日、同本部で記者団に対し、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)のY元委員以外にもう一人の旧国鉄出身委員に接触していたのは自分だったと認めた上で、接触はT副社長が室長を務める同社事故対策審議室の指示があったことを明らかにした。JR西は国鉄時代の先輩―後輩関係を利用し、組織的に委員からの情報収集を行っていたことになる。
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じつは事実だけを議論するだけなら、もしJR西がどうこう言っていてもそんなに書き方が変わるわけはないのである。またJR西日本があくまで株主の利益も代替する立場という「民間企業」である以上、このような行為をJR西側に抑止を求めることは厳しい。むしろ、公平な立場を保つことができない委員を招聘するしかないという現実のほうが問題だし、また招聘された委員としてもこのような働きかけをその立場の上でシャットアウトする行動を求められていることに、認識が及ばなかったということを議論・検討するべきである。
とはいえ現実このような技術内容を議論することのできる資質のある人材が、実際にはJR系の人材に偏っているということは事実だ。その疑いのある人を排除すると、人材が極めて少ないというのもまたあるわけだ。
ドイツの高速列車ICEの脱線転覆事故(エシェデ事故)のときは、世界各国(日本含む)からも専門家をよんで裁判形式の技術審査をされたのであるが、もともと、この事故の技術は欧州ベースで進み実績はあった(・・・ただしこれは路面電車クラスにおいて圧倒的に実績があったということで、そこに問題認識の差があった・・・)ため、日本ではほとんど見られなかった(ゼロではない)技術に関して、日本人技術者招聘が有効なの?・・・ということは一瞬考えるのだが、そのために客観的指摘が得られる側面もあるわけだ。
たしかに、この福知山線脱線事故に対して海外の専門家を招いたとしても、なぜこのような緻密かつ線路脇に家があるような線路構造をしたのかという、社会基盤の上での問題提起になるという可能性はあるとはいえるのだけにやっかいというのはあるんですがね。

むしろ、
『運輸安全委員会のG委員長は「報告書の信頼が取り戻せ、たいへん安心をしている」』って、中途半端な意見ですねえ。まあ立場としてこういう答えになるのは確かにわかるが、それが報告書作成のゴールに対する答えであって、そもそも技術的要素が極めて高次であってわかりうる人材が特定の権益を満った人しか居ないという場合のルールが必要であろう。
正直言うとこの委員会の討議の場合、一時的に官庁の常勤嘱託という業務占有権を持たせた立場(みなし公務員)にするしかない。(なお、公務員から嘱託勤務は今もOKだが、民間の人の公務員への嘱託勤務は第二次世界大戦のときにあったが、その反省点から戦後制度が廃止されている。)半ばボランティア的位置になるから人材の忌避が問題になる。もっとも法的に守秘義務がある技術士の場合は対価は高いけれどもこの考慮は不要(違反罰則がある)である。また昔の国立大学の場合は教官が公務員であるからやはり公務員としての秘匿義務があった。(というのは独法になった段階で、公務員やみなし公務員ということにはならないのである)
公正性の担保に始まる社会性の維持行為は、かくのごとく社会的に高コストであることを前提にしてなりたつものと考えるのだが、そこは一般の人にはなかなかわかりにくいものである。

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