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LED照明は電車にはいいのか

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LED照明、山手線で試行=電力4割削減で長寿命―JR東日本 時事通信 12月20日(月)17時0分配信
 JR東日本は20日までに、山手線車内の蛍光灯を試行的に発光ダイオード(LED)へ交換した。2種類のLED照明を試作し、約5年かけ振動や耐久性などを試す。車内照明のLED化は阪急電鉄も今月始めたが、JRグループでは初めて。
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 LEDに換えられたのは、山手線52編成のうち1編成11両。客室内の全ての蛍光灯262本が交換された。「より多くの人に見てもらいたい」(同社広報部)と、山手線が選ばれた。
 同社によると、通常の蛍光灯と比べ消費電力が約4割減るといい、1編成当たり年間約12トンの二酸化炭素(CO2)削減につながる。寿命が長く、交換サイクルも伸びるとみられる。
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たまたま外出先で、LED電灯の将来性を討議しており、しこたま疲れてかえってきたらこれが載っていた。いやいや、またか。
http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101212.pdf

電車にはすでに、小田急電鉄「小田急ロマンスカー・VSE(50000形)」に、東芝ライテック社がLED照明ユニット(直線形状のLEDモジュール)と専用電源(2編成分)を使っているが、あくまで本当の試験的採用である。

またちょうど上述のように、12月から阪急電鉄はすべての車内照明にLEDを採用した9000系車両増備車(8連1本)を投入し阪急神戸本線にて営業運転開始というのもある。車内にある約200本の照明をLEDとしたらしい。(つまりこれも直管型であるが、蛍光灯タイプかは不明・・・(http://www.hitachi-hll.co.jp/catalog/institution/index/s1-5.pdf)これは灯具全体が日立製作所製であるが、そもそも9000系電車自体が日立製である。
(参考:http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/ER201012082N2.pdf
もしかしたらこれと競争したか。
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鉄道車両に搭載可能なLED照明を開発してきた(というか既存品の認証を得るための手助けをしたということなのだろう。不燃性能を有する必要があり「鉄道車両用材料の燃焼性規格」の「不燃性」などの基準に適合するようにLED照明を指導したというのが正直なところだろう。)結果、あくまでテストとして山手線車両1本に客室内の全ての蛍光灯をLED照明に取り替え搭載したということらしい。

LED照明化により、現行の蛍光灯に比べ約4割の消費電力の削減と、それに伴うCO2発生量を約12t-CO2 削減できる見込みです。(山手線E231系 11両1編成1年間当り)

CO2発生量を約12t-CO2 削減ということは21600kWh/年の削減。
262本の電灯となると一本82.4kWh/年。
この電灯をつけた電車が毎日走っているとするならば、1日225Wh。
これが従来の電灯の40%というのだから今までの電灯は562Whを1日に消費していたことになる。
ところで、電車の蛍光灯は飛散防止型ラピットスターター式を使う。大体一本40Wのものが多い(非常用に20Wを入れることもあるが・・・)今のところ高輝度Hf型をつかってるのは電車では見ていないのだ。となると大体1日14時間ぐらい運行しているといえ、山手線の場合なら車庫に入ってるとか考えるうえに、日中でも駅などにはいると暗いから、一日中電灯をつけてることもあり合理的な指標である。
ただし21600kWhは家庭用電気なら年間325000円を1編成で経費を浮かせたことになるが、確かにLED蛍光灯は今のところ高価で、価格差を考えるとこれぐらいの利得はまったく割に合わない。(40W仕様のものだと、LEDのが1本18000円 蛍光灯が500円ぐらいといえるか)投資回収10年ぐらいかな)だからこれで電車賃を下げてくれとはいえない。まあ社会的評価の向上と、それとていずれはLED化が趨勢になることから実用評価を考えたのであろう。
ただし後述するがこれ以外の投資縮減効果がいくらか算出せられる。
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さて、今回は現行の蛍光灯具本体ごと交換するタイプと、現行の灯具の蛍光管のみを交換するタイプの2種類を搭載しているらしい。なるほど戦略的だ。
というのは電車においては、電子機器の高度化で最近は特に低圧直流電源を調整することが容易になっている。その昔は架線電流に抵抗をはさんで降圧するというのがあったが、蛍光灯は交流電源しかつかえないので別種の技術(静止型インバータ)を用いることになり難しいのだが、このため新車の電車には電源装置そのものから新製した電灯の灯具・そしてDC/DCコンバータを用意すれば合理的とはいえる。(ただしその代わり一瞬電気が途絶えたりすることは電車にはあり、そのためちらついたりすると不安になるものである。昔の地下鉄銀座線の電車はこの対策をしなかったので、時々一瞬電車内の明かりが消えたので、なれない人は驚いたようである。これに対する電源装置の配慮は必要にはなろだろうが、いまはこれは大きな問題にはならない)
一方既存の電車のを取り替える場合は現行の灯具の蛍光管のみを交換するタイプのほうが、当初の導入費用も安価で便利である。こちらは場合によっては少し省エネ効果が落ちるとか、また電灯が重くなる(電気回路を仕込むため)とかある。つまりどっちもそれぞれ長所・短所を持っており、そのみきわめをしたいということ。また以前の蛍光灯とは傾向がことなるから、その比較を前提としてるのかもしれない。
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「これ以外の投資縮減効果がいくらか算出せられる。」というのは、寿命と人件費である。これが意外と無視できないものなのだ。
蛍光灯は大体2000時間で寿命がくる(公称。インバータ機ではかなり長くなるような工夫をしている)。他方、LED照明は今のところ40000時間で交換といわれている(算出基準によっての違いはあるが)つまり、LED照明1本と蛍光灯20本との比較なら、ややLED照明のほうが高価(1.5倍ぐらい)という価格差にはなる。その上水銀が入ってる蛍光灯の回収処理費用もある。(概算だと廃蛍光灯(直管)処理費用は工場持込で160~180円/kg   大体40W管4本が1キロである)また、40000時間となると10年ぐらいは交換をしなくていいということになるから下手すると10年ぐらいたった保全工事のときに対処できるということになる。下手すると209系のように蝶寿命を想定しない場合は廃車するまで変えなくてもいいという割り切りもあろう。
つまり、保守や交換のために費やす人件費が削減されるとか、その在庫管理をする人件費を削減できるという視点であって、これは人件費の計算によっても変わるが、給与レベルが比較的高い(他社に比べてであるが)JRならそこそこの経費削減にはなるだろう。

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