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既存技術を再構築(1/2)

-------------------引用
2010年技術士2次試験専門科目(機械部門:加エ・ファクトリーオートメーション及び産業機械 )
Ⅰ次の2問題(Ⅰ-1,Ⅰ-2)について解答せよ。(それぞれ2枚半以上3枚以 内にまとめよ。)
Ⅰ-1:米国の金融不安に端を発した世界的な経済不況は,中国経済が先導して回復が見られてはいるが依然低迷しており,早期の新産業(太陽光発電,燃料電池など)の創出が求められている。一方,我々の生産分野においては,製品のライフサイクルが短くなるなどが原因で,製品の収益力低下が避けられない状況になってきている。
そのため,製品を廃止したり,事業を縮小したり,海外への技術移転・現地生産などの手段により,活路を求める例もでてきている。このような状況を放置すると,国内の生産量が激減し,雇用問題など深刻な社会問題を引き起こすことが懸念されている。
このような状況を踏まえ,あなた自身が携わる設備・技術の中で,例えば,既存技術(成熟・枯れた技術)を再構築して活性化した,あるいは新分野へ移植するなどのような具体的事例をあげ、現在の経済環境下での雇用を確保する方策を考え,記述せよ。
Ⅰ-2(略)
------------------------終了
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社会性のあるいい問題ですね。ですがここでは、この模範解答を作成するようなことかはしません。出題者の意図中に隠れている、問題の意識はどこから来てるのかを見ています。(ちなみに私の技術士の専門は流体工学なんで直接的な指摘にはなりませんが、やってることは産業機械ではあるのですな)
現在の経済環境下での雇用を確保というのが目的から技術を見直すというのは「早い安いうまい」とか「QCD」(Q=Quality(品質) C=Cost(コスト) D=Delivery(配達、納期ひいては物流)とかいうのと同じ、システムのバランスを見て折り合いをつけていくということである。
もちろん、ある一定以上の必要な品質が満たされなければ、全くの無意味であることが多いため、、『Quality First』と言うことから先にたつ場合が多い。ただし一定以上の「社会の要求・前提条件とされている」水準の品質を満たさない商品は存在してはいけないのだが、問題は「社会の要求・前提条件とされている」ものが異なる場合だったり、はなはだしきは「社会の要求・前提条件」自体が為政者や地域の慣習で否定される場合が同じ政府の中でも良くあると言う現実である。
次にコストはビジネスが利益の為の行動というのが、一般的には前提になる(社会還元のためだり、社会ステータスの維持だったりという副次的問題はある。社会起業家の目すものには、時に利益よりも公益のための業務で自治体や政府が企業体を買い取ることを目的と言うものも少なからずある)ので直接的なコストと言うのは無視出来ない。
納期は、必要な時に必要な場所、必要な用途で手に入らなければ結局意味がない。納期が決まらないものはそれなりにリスクを背負って購入すること以外は、購入しにくいので、製造業者にとっても収益にならない。また物流と言うところまで考えると、必要な場所、必要な用途のものを入手しなければれなりにリスクを背負って購入することになる。(たとえば鮮度が落ちたり、発注内容との乖離があったり)
『QCD』で難しいのは、全てを最適化するのがいいと言っても、これらの項目はどれかを増やせばどれかも増えるなどの相互関係があるため、結果的には最適化の配分をしなければ成り立たないと言うところがあることであるが、逆に言うとその計画で各々の製品や企業の特性が設計できるともいえるのである。少し納期はかかるが品質については他の追従を許さないとか。「値段は高いがいい味です」(by コーミソース)とか。
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この視点を導入して考えたとしよう。
成熟したり枯れた技術というものは、そのときの社会情勢によって開発がいき詰まったり、特定用途なら使える技術がその用途が社会に受け入れなくなり、差別化・利用できなかったとしても、用途開発や多用途の結合、既存の固定された用途からの分離ということである程度の前提にたつことで、その社会に有益なものになるというものであると考えている。すなわち「成熟・枯れた技術」と言う定義は、成熟技術というものを考えると、使用方法がある程度固定化してしまて他の手法への展開ができなくなっている技術に対し分岐して、別展開を与えると言う見方もできる。
たとえば、
(1)塩水の電解によって塩素ガスや塩酸・反対に水酸化ナトリウムを得ると言うのは古くから化学工業で得られたものでいまや古典的であるが、反対に電気を通した水は従前希釈の上廃却されていた。ところが通電されて残った水は殺菌された水ということであり、また塩素が一時的に混ざったということが殺菌にもなる。塩酸・水酸化ナトリウムの分離や水の極性分離による使い方で、有益・有害の判定が必要であるが、衛生や環境関連での使用を模索する事例ができた。
(2)気動車は、自動車とは違い連結協調運転という要素がある。このため初期の小型化されたものでは連結を前提としなかったり、少量の区間運転(バスの代わり。軌道自動車)の要素が多かった、そのうち最もニーズが多いボリュームゾーンでギアをつなぐ機械式の変速機は、事故などもあり駆逐されていく。
次に、発電機としてエンジンを使い電動機を動かす電気式(日本では(旧)相模鉄道・・・相模線→相模鉄道 南満州鉄度)やエンジンの駆動を液体式トルクコンバータで制御する液体式(現在のほとんどの事例)という手法がとられた。そのうち、商用としての一定レベルのものは、日本とドイツなどの欧州では液体式がメインになり、メンテナンス問題があるアメリカや中進国の適用では電気式で展開されることが多かった。
ここで機械式は小型のもの以外は捨て去られ、自動車用への特化で推進し大型自動車では機械式で遠隔操作できる連結協調に近い物もできたのだが、自動車用からの逆の転用で小型ディーゼルカー(いわゆるレールバス)の安価な連結協調運転機器を作ったことでそれなりの評価が得られた(電子制御式多段変速機)。これとは別に電気式として、電動機で駆動し駆動用電源はディーゼル発電機による発電と架線・集電の両方に対応するもの(仏)だとか、ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせ、インバータ制御でハイブリッド化・省エネをおきない、電車の制御装置の展開を図った事例(日)があり、また、電気式が戻ってきたのである。
(続く)

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