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共倒れ

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JR戸塚駅西口に大型商業施設(再開発ビル)「トツカーナ」が完成し、4月2日にオープンする。再開発地域内で営業していた店舗街(トツカーナモール)とTストアなどが出店する専門店エリアで構成、長年にわたる同駅周辺の再開発の中でも大きなプロジェクトが完了することで、周辺地域の活性化が期待されている。

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この記載でも危惧したのだが、4月たって見るとこのエリアに4件のスーパーというのはきつかったらしい。やっぱり共倒れを起こしてしまった。
新たな開発ビルのテナントが、至近に歯抜けにならないことを祈るばかりである。
ともかいたが、ここはそこまで問題は出ていない。当時市長は「周辺への経済効果は大きい」と期待を込めたのだが、プラスとはいいきれない。しかし駅ビルでも歯抜けが少しずつ出だしている(また入居していない店舗もある)
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既存の地場のスーパーが2件あった。そこに比較的大手のスーパーが参入。
A:地場で育ったスーパー。高級品から中級品を扱っていたほか、共同購買会社Gとの協業も進めている。支店も5件ぐらい各地にある。今回の再開発に当たりビルをたて(等価交換方式:地主が所有している土地を出資して、その土地にデベロッパーが建物を建設。建物が完成した後に、地主とデベロッパーが、それぞれの出資比率に応じた割合で土地建物を取得する方式)、上層部を他業者によるホテルにした。後述のCの本拠地にも支店を持っている。バス乗り場と駅の間にあり利便性が高かったのだが、バス停が駅の近くになり、バス停のどまん前になってしまって客層が一変。 23:00まで営業
B:地場の八百屋さんが大きくなった店。創業の地ではビルを建てるがパチンコ屋さん、飲食店などを兼業し、そのほうが利潤が高いようだ(ただし物資購買の関係でスーパー。近隣にの支店ではいわゆる「業務スーパー」という超廉価で品質が劣るものの販売にシフトしている。販売価格は低価格で何でもそろうが、いわゆる年金生活者の来訪が多い。23:00まで営業
C:大手スーパーの跡地に入ってきた南関東での大手で駅ビルの出来上がる直前に参入。当地では初見である。中級クラスの商品を扱うが、商品開発能力にたけ、特価品などの販路を広く持っている。A社と同じく共同購買会社Gの所属であるが、後の参入でもあるため、共同購買会社G経由の「独自ブランド」はこの店では出さないように自己規制しているようである。 22:00まで営業
D:今回参入した大手電鉄系スーパーであるが、駅ビルの管理者との資本関係があり、一番駅に近いところでバスターミナルとの間に立地する。他の店舗に比べて全体に高目の価格で高級品志向であるが、とにかく立地が良い。23:00まで営業
つまり旧来の顧客層は購買能力を比較すると
A>C>B(Cができる前の大手スーパーも同じ客層)
であったのだが
今は
D>A>C>B
となった。
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Dのスーパーは共稼ぎの人のように、低価格より利便性を求める顧客により、それなりに夕刻以降は来客を集めている。ただし日中はあまり込んでいない。
Bのスーパーは日中、低価格を求める方(とくにお年寄り)が多かった。しかし、最近は立地が相対的に悪くなったこともある(とはいえ、都市計画としては相当な配慮をしていたのだが)のか、時々行うスーパーCの特売価格に引かれて、更なる低価格販売を余儀なくされているようである。
Cのスーパーは、高級なものもあるのだが、基本的に中堅客層(ボリュームゾーン)を狙っている。ただし会社の方針としてチラシなどの配布をせずHPのみの宣伝である。平均的に終日客がいる。ただし、懇切丁寧な商品説明などはちょっと期待できないので、常連向けである。

と言うわけでAのスーパーは共稼ぎの主要顧客や高級品のニーズをDに食われ、一方ボリュームゾーンの顧客はちょっとバスのりばから離れるがCのスーパーにいく様になったため、店内のレイアウト変更もあわせて古参のスーパーの顧客は離散することになった。とはいえ本店であるし、今回の再開発に当たりビルをたてたなどの財務状況もある。つまり短期的な資金ショートが懸念される。
そこでこのスーパーは他の会社の出資と傘下にはいることにしたらしく、商品購買ルートを大きく変更してしまった。この傘下にした企業Sであるが、共同購買会社Gの親会社で都内で比較的高級食材を中心に扱うスーパーである。このため「顧客を食いあった企業が同じ共同購買会社Gである以上調整の責任があった」「対応顧客層が自社の得意な領域に近い」「企業Sにとっては自社既存の店舗にはエリアが重ならない(共同購買会社には干渉するが)」と言うことであろう。さらにスーパーDの関連する購買Grにかかわる牽制もあると思う。

また Bのスーパーは低価格路線を進めることで差別化を図ることにした。そのため一度店舗を閉じ「業務スーパー」という超廉価販売にシフトするようで工事を進めている。ここはどうも最初から想定をしており、また、建物を自社物件で持っているなど資金ショートにはならなかったようだ。
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元来日用品の利潤は相当量がないと得られず、購買先の開発や商品開発にあわせて人件費の低減のほうが企業の存立を左右するようになっている。というのは需要の増加がもはや企業のみでのが期待できず開発できない中で、雇用の維持の責任を負えなくなっているということである。そこで利潤劣れない廉価側に強い購買需要が出る以上、経営を継続することが企業体の責任と、その後の経営者の社会的価値、さらに資金供給を行う銀行などの動向を考えると、ボリュームゾーンでの大量の顧客、そして薄くても確実な利潤を得なければ存立が図れないのである。
あまりにもこの4店は購買者の所得水準と客層・購買能力の差異が明確であった。そして既存の市場を奪い合うことしかできなかったという限界を感じるのである。そして結果的にこの消耗戦は持っている固定資本の差であり、ノウハウや技術の差ではなかったと言うことに、起業精神が市場拡大のない社会では成り立たず、そしていまや市場占有・囲い込みをしなければ大手とて生き残れないむなしさを感じるのである。

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