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白熱した正義の議論

アメリカの政治哲学者・ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏の公開講義がTV(NHK教育)で出され、倫理系の研究者には評判になっている。お付き合いある複数のひとから(あれ見た?)と問われる。一部DVDでとってある。とはいえ、『ハーバード教室』と言う訳はちょっとつらいものがある。「公正理論(哲学特殊講義)」と言う感じかな。
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原題は「Justice with Michael Sandel」つまり「JUSTICE」(正義、公正)をテーマに講義では例題や実際の実例を出し、学生に難題を投げかけ議論を引き出し哲学論が進められる。NHKでは千葉大学の小林正弥教授(政治哲学、比較政治学)の解説が入る。
ただし、これらはYOUTUBEによって英語版が配信されている(参考:http://www.justiceharvard.org/)こちらは飲み物のCM(後援者と思う)が入るのでその時間調整もあるのだろう。

イントロである。

本もある。
鬼澤忍訳『これからの「正義」の話をしよう:いまを生き延びるための哲学』(早川書房、2010年)
講義は半ば演習形式で、大教室で行われている。(スピーカーを抽出する公開方式。ソクラテス方式という)講義の手法としては、全演習手法と講義との中間に値し、また、ディベート手法を取り入れているなど、こなれた教授法上の演出が行われている。だから、白熱教室と言う表現をしたのだろうが、古典的な講義法を残し、日本の講義では指導する側も指導される側も抵抗がある、ディベート的手法を巧妙にいれていくのは教授法としていい雛形と感じる。
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さて内容は結構話題になっているようなので、詳細は改めるとして、ここではあえて省く。そこで私は本邦に似たようなものはなかったのかと言う話にした。
石田梅岩という江戸時代の思想家、倫理学者がおり、石門心学の開祖という。この心学とは実践道徳の説明である。根本は、天地の心に帰することによって、その心を獲得し、私心をなくして無心となり、仁義を行うという。一般民衆への講釈が大きい。
丹波(現在の亀岡市)出身の石田は商人として働いた後、思想家に学び45歳の時に借家の自宅で無料講座を開き(ここが意外と大事)講義した。門弟たちによって『心学』の語が普及した。当初は男子のみ対象としたが、聴講を望む婦女子が多く、障子越しの別室にて拝聴を許された。かれは説得力があり、神の再来といって聴講後拝んだり寄進をする(基本隠居が無料講座をしている形であるから)ひとまで現れたと言う。
石田は長年の商家勤めから商業の本質を熟知し、「商業の本質は交換の仲介業であり、その重要性は他の職分に何ら劣るものではない」という立場を打ち立てて、当時身分制度で虐げられた商人の支持を集めた。倹約の奨励や富の蓄積を天命の実現と見る考え方は神の主権を強調する神学体系、およびクリスチャン生活の実践を日本に置き換えたと言う指摘もある。最近はCSRの定義の一つであるとか、松下幸之助のPHP研究所や松下政経塾の成立に影響を与える。(そーいえばPHP研究所は京都駅の脇にあるが、ここは亀岡に近い)
たしかに、そういう視点を考えると、講義の聴衆が極めて意欲的であることが前提になるかもしれない。日本の大学でできるのはどういうランクのどういう手法なのか、考えたいものである。

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