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唐様で書く(1/2)

売り家と唐様で書く三代目:初代が苦心して財産を残しても、3代目にもなると没落してついに家を売りに出すようになるが、その売り家札の筆跡は唐様でしゃれている。遊芸にふけって、商いの道をないがしろにする人を皮肉ったもの。
確かに、顧客がほしい情報以外の情報で付加価値をつけても、評価されにくいということではあるな。ただし自己反省を申し上げると、遊芸にふけって、商いの道をないがしろにする人と売り家と唐様で書く人というのは実は同一のの人の資質ではない。遊芸に浸りきる人の場合でも、その相手側の資質を分かっているからこそ、上達する芸というものがある。たとえばお座敷の踊りを習ったとするならば、その芸の上達には見る側の美しさという評価がある程度分かっていないと上達はしないだろう。
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逆に評価基準とはことなることをすることが、主張である以上第三者に分かる行為とは一線を隠す事例もある。ちょっと長いが引用してみよう。
いろいろ評価が定まらないWikipediaでも、評価が高いものだそうな。

------------抽出引用
朝倉軌道(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E5%80%89%E8%BB%8C%E9%81%93):1908~40年、福岡県朝倉郡を中心に軽便鉄道・乗合バス・貨物自動車による陸運業を行なっていた企業。本線として主に福岡県道・大分県道112号福岡日田線(通称:朝倉街道)に軌道線を設けていた。
開業当初はボギー式客車7両が存在した。以後は営業規模の拡大と共に両数が増え続け、1928年には23両まで増加している。
1933年7月1日に客車8両を単端式ガソリンカーに改造する申請がなされた。(中略)提出された仕様書によれば、ガソリンカーはフォードA型エンジンを使用し、定員は40人、寸法は長さ8,540mm×幅1,680mm×高さ 2,090mmというスペックであったが、残されている車両写真には設計図と同型のものはなく、図面通りの車両が本当に作られていたのかすら不明である。
しかも、この申請は当局に認可されなかった。規定の様式で書かれていない、設計書と図面が食い違っている、設計そのものに問題点があるなど、書類に問題点が多かったためであるが、最大の問題は、認可車両最大幅が1,676mmにもかかわらず、設計図の車両幅は1,830mmであったことである。県当局自身の責任問題になってしまい、認可され得る筈はない。(中略)
このような車両を朝倉軌道が申請した理由について湯口徹(注:有名な鉄道史研究者。著書多数)は、仕様書に「建具材ハ総て欅材ヲ用ヒ」「優美ニ仕上ヲナス」など「設計の審査に関係のないことばかりを延々と列挙」してあることや、実態がどうであれ書類上は「1,676mm」と書いておけば(当時の法制度では)認可を通ったはずなのにそれをしていないことから、「朝倉軌道車両担当者の話にならない頭の悪さと要領の悪さ、そのくせ無知、横着、強情」から、「当局が認可できない理由がまったく理解できなかったのではないか」と推測している。
しかし、認可が下りないことは朝倉軌道にとってさしたる問題ではなかった。そもそも、申請以前にガソリンカー2両が試作改造済みであったと推測されている会社であり、認可に関係なく客車のガソリンカーへの改造は次々と行なわれていった。申請では8両全てが同形ということになっているが、残っている写真では1両ごとに形態・車幅・窓の数などが異なり、実際はあり合わせの雑多な客車を元に、手当たり次第に改造が行なわれたものとみられる。(中略)許認可制度を全く気にしない朝倉軌道に対し、当局は度々書類の督促を行なったが、返信が中々来なかったり、来たはいいが必要事項が全く抜けていたりで、状況はほとんど進展しなかった。さらに、再改造までしたものも登場して、混迷の度は深まり、当局を相手に、ここまで杜撰さを貫き通した鉄軌道会社は、日本でも希な存在であろう。結局当局は、1923年以前からの車両については「調査資料不詳ニツキ会社届出ヲ正ト認メテ処理セリ」とするなど詳細な調査を諦め、1938年1月 11日にガソリンカーを認可した。
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実はこれはしたたかにしらを切りとおしたという意見もあり、廃業時には黒字で廃業した(群小の会社を合併したバス事業はのちに別会社に譲渡し戦時統合で西鉄バスに、トラックは分離後戦時統合で日本通運に)なる。最後まで赤字路線の切り捨てや車両の低コスト化など徹底した合理化で利益を出し、果ては運輸営業廃止と補償金をもらって廃業するなど最後まで無借金経営をしていたという、企業の社会的責任はなりふり構わず適切な利潤で儲ける事であるというのをやっちまったことである。
だから真意は推測しかないのであるが、この手の業務を経営者がやっていなかったという場合、認可できない理由がまったく理解できなかった以上に、理解する必要もないから必要な、資質のある要員を配置していないという見方もできる。
良くある「需要に適合したソリューション」という場合、需要は「近代的動力設備の投入による運転経費の縮減と増収」とこの会社は考えているのだろう(速度向上による競合は、自社で並行バス路線を持っている以上さしたる意味はない)。また、「ソリューション」には人材という概念がこと安全運行や法規遵守には価値を持たなかったのであろう。その分経営的に他社買収などのところにはきわめてしぶとい人材を供している節はある。
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つまり一律に需要をどう考えているか分からない以上、結論の推定には相当幅を持たせる必要があるのである。戦時買収まで、このように前次代的構造の輸送形態をしぶとく生き抜いて、CSRなくして企業の継続性を維持するというのは確信犯に等しく、もしかしたら要領を得ない申請で税務も逃れていたなら、これとて担当者の無知以前に、無知な行為を容認させていた経営者の戦略かもしれないのである。(続く)

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