« 今の就活(1/3) | トップページ | 今の就活(3/3) »

今の就活(2/3)

(承前)
「大学」という国際的教育基準・ガイドラインがあった場合どうなるか。「ダブルディグリー」(複数学位)にあった「雇用体系」という、関係なさそうなことが相互干渉する現実が起きてくる。
ブログランキング・にほんブログ村へ

--------------引用--------------
【教育動向】海外の大学と「二重在籍」が当たり前の時代に?  2010.4.12 10:00  産経新聞
日本から海外に留学する学生は、減少傾向にあると言われています。しかし、グローバル化の進展により、国際社会で活躍できる人材の育成は急務です。このため文部科学省は、海外の大学と日本の大学の両方で勉強して、双方の学位を取得できる「ダブルディグリー」(複数学位)を推進するため、組織体制や実施上の留意事項などを示した、初のガイドラインを作成しました。ただ、これには、別のねらいもありそうです。
実は欧米諸国などでは、専門分野や興味に応じて複数の大学で学び、学位取得に必要な単位を積み重ねていくという学生も珍しくありません。
このうちダブルディグリーと呼ばれる制度は、異なる国の大学同士が協定を結び、互いに留学してきた学生に双方の大学の学位(学士号・修士号・博士号)を与えるというもので、主にEU諸国などで行われています。単なる海外留学と異なり、複雑な審査や手続きもいらず、一大学分の授業料で二つの大学の学位を同時に取得できるというメリットが学生にはあります。
日本では現在、東北大学と中国の清華大学など、九州大学と中国人民大学、早稲田大学と北京大学などが、「ダブルディグリー」の協定を結んでいます。
海外の大学とダブルディグリーの協定を結ぶ大学が増えれば、日本の学生が海外留学することが、より簡単になります。また、在籍する日本の大学の学位もきちんともらえるので、帰国後の就職が不利になるということもありません。これによって文科省は、大学生や大学院生の海外留学が増加し、国際社会で活躍できる人材の育成につながると考えています。
また、海外から協定先の大学生も日本に来るので、政府が掲げる「留学生30万人計画」の推進にもつながることになります。まさに、一石二鳥の成果が期待できる制度が、ダブルディグリーだというわけです。
そんな便利な制度がなぜ、これまで広がらなかったのでしょうか。まず、ほとんどの学生が国内の大学に進学し、国内で就職する日本の社会では、あまりニーズがなかったことが挙げられます。また、ダブルディグリーという制度自体が、まだ国際的に一般化していないこともあります。しかし、それ以上に問題なのが、日本の大学の「質」です。
一部の科目だけ単位を認める「単位互換協定」と異なり、ダブルディグリーは、双方の大学が学位を出すのが特徴です。逆に言えば、国際的に見て一定レベルに達していないような大学がダブルディグリーを実施するのは、困難です。
文科省は、実質的な「大学全入時代」の到来により、大学教育の質を確保することを、政策の重点に置くようになりました。大学教育の質の確保という視点には、国際的に通用し、国際競争力がある大学にしようという考え方が含まれています。
文科省のダブルディグリー推進の背景には、国際的にも通用するよう、日本の大学のレベルアップを図るという、もう一つの意図が込められているのです。
------------------
在籍する日本の大学の学位もきちんともらえるので、帰国後の就職が不利になるということもありません。
これが、最近は海外の大学を卒業した人を日本企業で雇用することが、研究施設と、海外営業部門以外で雇用することが難しいという側面を示している。
そもそも、技術思考を与えることを大学は担保している。つまり理論を教える場所になりきらなければ、技術の教育を与える環境を創出できない側面がある。しかし、それは企業にとっては最低獲得している資質に過ぎず、それ以上の企業ごとにカスタマイズされた思考体系や技術構築思想は、一般性が日本ではないため大学で教えることはできない。海外の企業に比べ「博士課程修了者」を企業が採用することが進めないのは、技術構築体系を各企業が独自でたてており、物によっては相互干渉まですることが多くなっていることではないか。(自動車一つでも、ロジック・技術理論・開発体系・調達方針・品質保障体系は異なる上に、相互に相容れないことはある。たちが悪いのはその相容れない内容をベースにして、おのおのの商品体系やそれを支持する確固な顧客層が相当数あるのである)
企業合併が勧められているのにもかかわらず、ホールディング形式の統合が多くなっているが、海外の企業に比べ競合部門を統合することができないし、整理統合の結果も片方の事業内容を設計開発部門や品質保証体系を抹消することしかできない。
つまり、日本の技術体系は

「ガラパゴス化」するからこそ独自の開発能力を維持発展させ、企業の社会的存立意義になる
という、逆説的な結合性があると考える。
だからこそ、それ以外の要素こそが就職活動のときの指標になってしまうのではないか。だからこそ、大学生に求めるものが一定の基本技量の上で「きわめて不安定な評価内容で」判定されるのである。
---------------------------------
新卒者採用 「成績」は低位 「コミュニケーション力」を重視  2010.5.3 21:49  産経新聞
 新卒者採用のポイントは-。企業が求める人材像(複数回答)を聞いたところ、90%と断トツだったのが「コミュニケーション力」。これに続いたのが「積極性」(68%)や「協調性」(57%)などで、人物重視の傾向が鮮明となった。
 これに対して「資格・専門知識」(5%)、「語学力」(3%)、「成績」(2%)などの要素はあまり考慮されていない。社内教育で新人を鍛える日本の人材育成システムはなお健在のようだ。
------------------------------
これを次に考えて見たい。(続く)

|

« 今の就活(1/3) | トップページ | 今の就活(3/3) »

コメント

>これに対して「資格・専門知識」(5%)、「語学力」(3%)、「成績」(2%)などの要素はあまり考慮されていない。
「社内教育で新人を鍛える」を重視する日本企業は、博士のような高学歴者に対して冷淡ですね。実際企業で話を聞くと、博士が欲しい、という企業はほとんどなく、むしろ融通が利かないなどマイナス評価をよく耳にします。
しかし経済産業省の報告書などを読むと、「日本企業は諸外国に比べて博士人材の活用度が低い」というデータをよく見ます。だから日本は競争力が低下しているのだ、と言いたげな文脈でこのデータが用いられているのですが、正直あまり説得力が感じられないです。

投稿: kunihiko_ouchi | 2010年6月 4日 (金曜日) 22時22分

たまたま私が技術系からかもしれませんが、博士号取得済者がほしい企業は、どうもすでに監理監督者に博士号を持った人がいて、その採用者のスキル・生かせ方を認識しているからこそ「ターゲットワークに対する特命業務担当」としてとる様な気もします。知ってる博士号取得済者が採用された企業は大概そうですね。つまり監理監督という意味で指示命令にウエットな社会認識を持つ日本では、そこが採用の限界ではないでしょうか。

融通が利き会社のシステムに対し、習熟が図られている人材を会社が担保して、そこから博士号をとらせる逆の順序は、意外と多いかも知れません。(反対に会社を辞めて博士号をとりにいった人は、大学に残らずに企業に入ることが難しいというのは、欧米ではありえないでしょう。つまり企業が先にありという社会の構築手法だからでしょうな。)
MOTコースの講義では、とくにそういう縛りを感じました。
私は感じるのですが、「博士人材の活用度が低い」から、「競争力が低下」していると書くのは、博士号取得後研究者となって、企業の考えを感覚として得ていない「学識経験者」だったりするから我田引水の弊があるのでは、とうがってしまいます。(おい)

投稿: デハボ1000 | 2010年6月 4日 (金曜日) 23時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/48275821

この記事へのトラックバック一覧です: 今の就活(2/3):

« 今の就活(1/3) | トップページ | 今の就活(3/3) »