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真正粘菌ネットワーク

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単細胞真正粘菌が作る輸送ネットワーク JSTがモデル構築 2010年1月22日(金) 19時51分  レスポンス
独立行政法人の科学技術振興機構(JST)は22日、単細胞生物の真正粘菌が形成する餌の輸送ネットワークを理論的に解明し、都市を結ぶ実際の鉄道網よりも経済性の高いネットワークを形成する理論モデルの構築に成功したと発表した。
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研究の成果であるネットワーク形成に関する理論は、複雑化するネットワーク社会で、経済性や災害リスクなどの観点から最適な都市間ネットワークを設計する手法の確立に結びつく可能性があるとしている
真正粘菌(注:変形菌ともいう。等菌類の一群に属し、湿った場所の古材または植物体上に腐生して栄養を摂取し、細胞壁を持たない不定形粘液状の原形質塊でアメーバ-運動をする。仮足を出し、頻繁に原形質流動を起こす点と、多くの原形質塊が得られる。約60属・約360種が知られる。)は、何億年もの間、厳しい自然淘汰を乗り越えて生存し続けている。このため、さまざまな機能をバランスよく保ち、変化する環境にも柔軟に対応する。つまり頻繁に使用される器官は増強され、使用されていない器官は退化する。これは、人間が作る都市間ネットワークの思想と共通する部分が多い。
粘菌のこうした知的な挙動に関しては、すでにJSTさきがけ研究者の手老篤史研究員らが発表し、2008年度のイグ・ノーベル賞を受賞している。しかし、脳も神経もない粘菌が知的なネットワークを形成するメカニズムについては理論的な解明がなされておらず、生物学上の謎の1つとなっている。
今回、手老研究員らは真正粘菌変形体が作る輸送ネットワークを実験・理論の両面から解析し、数理科学的にネットワークを再現する理論モデルを構築した。これにより、粘菌の作るネットワークによる物質輸送は、実際の鉄道ネットワークより輸送効率が良いことや、アクシデントに強いことが解明されたとしている。
今後、都市間を結ぶ道路・鉄道・インターネットなどによる物流・情報ネットワークの整備で、建設・維持コストや災害リスク管理など、さまざまな要件を目的に応じて重視した際に、今回の研究により構築した理論モデルを適応することでより最適なネットワークを提示する設計法則の確立が期待される。
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効率高く、迂回路も…粘菌に“鉄道網”構築能力 手老・北大研究員ら確認 2010年1月22日 読売新聞
 「粘菌」と呼ばれる単細胞生物が鉄道網のような高度なネットワークを構築する能力があることを、北海道大学の手老(てろう)篤史研究員らが突き止めた。実験で、粘菌が首都圏鉄道網のミニチュア版そっくりに変形していく様子を確認した。22日付の米科学誌「サイエンス」に発表する。
 粘菌は、胞子から小さなアメーバが生まれ、アメーバ同士が融合して、変幻自在に伸びるネバネバの集合に育つ。実験では、関東地方をかたどった容器(縦21センチ、横17センチ)の中で、横浜や千葉など首都圏の主要36駅に当たる位置にエサを配置。東京都心に粘菌を置いた。粘菌はエサを求めて広がり、次第に実際の鉄道網のようになった。
 粘菌が変形した「鉄道網」を分析すると、輸送効率やアクシデント時の迂回(うかい)路の確保といった点で、実際のJR鉄道網より優れたところがあるという。手老さんは「数億年を生き抜いてきた能力が巧妙な『鉄道網』を構築した」とみる。
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ネットワークですか。おきまりのくちびるネットワークを出すとか。

さて、すでに2000年理化学研究所と北海道大学電子科学研究所は真正粘菌変形体が迷路を最短ルートで解く能力があることを発見していた。今回のはその応用研究の一端と考える。下手するといまのコンピュータ以前にシミュレートのために用いられたアナログコンピュータのうち、最後期の電子式アナログコンピュータに近い挙動を想定できるとはいえよう。(アナログコンピュータ analog/analogue computer:電気的現象・機械的現象・水圧現象を利用して物理現象を表現し、問題を解くのに使われるコンピュータの一形態。手回し計算機や計算尺もそうである)
粘菌変形体には脳や神経系はなく、原形質と呼ばれる物質の塊のみからできているため、高度な情報処理能力は無いと思われていたが、原形質の持つ物理化学的な性質を組み合うことで、迷路を最短ルートで解くという高い情報処理能力を発揮している。
もちろんここで注意しなければならないのは、普通は町があって商店などが集まり、その結果鉄道が引かれるもの(新橋や新宿なんかそうですな)と、鉄道が引かれたら逆に人が集まったところ(品川や武蔵溝の口がそうかな)とが両方あるわけである。同じことを大阪都市圏でおこなうとすると、鉄道が引かれても家が建たず閑散架する事例を入れるものも多いからかなり変わってくるのではないか。
と、研究ねたつぶしのようなことを書いているが、実はこういうのはコンピューターの研究としても先行的で、スポンサーがなければいつの時代に実用化するという視点がえられないもので、貴重な成果である。
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もっとたちが悪いのは、これによって得られたプログラムなどの生成方法を考える場合、知的所有権にするのにはかなり難しいところがありそうだ。(著作権になることは確実であろうが)とはいえ。回避できるものでもないようで、結構悩ましいものではある。そういうことを考えずに、事実を捉えるのが人間としての本質ではあろうが、収益を得ることが前提となると、どうしたらいいのかと悩むほど立派な成果ではある。

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