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エアー神社(2/2)

(承前)
流行神というものがある。
民俗学上の用語で、ある特定の時代背景の下、一過性の流行がみられる信仰対象のこと。民俗学者の宮田登の研究が知られる。(宮田 登:民俗学者 文学博士で筑波大学教授・神奈川大学教授等を歴任 「ミロク信仰」「生き神信仰」や天皇制に関する研究、「都市民俗学」を提唱。)
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そもそもこういうものには流行性がかならずあるのだそうだ。

「定義如来」(じょうげ にょらい)(仙台市青葉区大倉字上下。正式には極楽山 西方寺)というものがあり、昔から山奥にあるものの、古くから参詣者を集め、定義観光自動車という会社もあった(後に当時の仙台市域にないのに仙台市交通局に合併。現在の川内営業所白沢出張所)。最近、仙台では仙台四郎(実在の人物。知能障害だったが彼が訪れる店は繁盛するとしてもてなされ、没後、商売繁盛の福の神とされた)・仙台幸子というのが流行り神の1つで人気がある。
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たまたま読んだ西大寺鉄道(岡山市(現:中区)と西大寺市(現在の岡山市東区)の間を結んでいた鉄道路線・運営会社。のちに社名を両備バスに変更し、現在の大手バス会社両備ホールディングスになる)の記載を呼んでいると大師駅という駅のことがかいてあった。
大正5年春、「幡多」駅から3km南の虚空蔵大師(鳥坂山ゴロゴロ大師 岡山市中区兼基)がはやりだした。このため幡多駅を大師駅と改称する。このときは、汽車賃の大幅割引や往復切符にラムネ1本サービスしたりしていたという。縁起から見ると「流行り病を治す仏様」として噂が噂をよび参詣者が列をなした。しかしながらいつの間にか一過性の流行り神様としてすたれてしまったのだそうな。
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信仰という物は心の問題であるからまあ流行があるのはしかたがないのだが、最近は「聖地巡礼」と地元での町おこしイベントが、新たな観光地として町おこしになっていることもある。割と有名なのは埼玉県鷲宮町の鷲宮神社である。
鷲宮神社は、絵馬に舞台と目される『らき☆すた』の登場人物の絵を描き残す、記念撮影を行う、コスプレ姿で参拝するなどの行動あり、挙句には初詣参拝客も2009年には県内2位となった。この結果様々な地域振興策に取り込むようになった。ただしここはそれ以前にも名刹ではあったのだが。
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らき☆すた:“聖地”鷲宮神社 10年の初詣で客数45万人 過去最高、アニメ放送前の5倍に 毎日新聞
アニメ「らき☆すた」のヒロインの実家のモデルとして、 ファンから“聖地”として話題となっている鷲宮神社(埼玉県鷲宮町)で、10年の三が日の初詣で参拝客数が過去最高の45万人だったことが5日、明らかになった。 同神社によると、アニメ放送前の5倍になった。 
 鷲宮神社は、由緒は神代にさかのぼると伝えられ、「吾妻鏡」にもその名が記される「関東最古の大社」。ヒロインの柊姉妹が住む「鷹宮神社」のモデルとして、07年にアニメが放送されてから、ファンが続々と参拝に訪れ、イラストを描いた絵馬などを奉納するようになり、“聖地巡礼”と呼ばれた。
同町商工会は、原作の出版元「角川書店」の協力を取り付けて、グッズを販売したり、イベントを開催するなど町おこしに活用し、周辺の幸手市でも同作品のグッズの発売などの取り組みが話題となった。
 参拝客は、07年は9万人だったが、08年が30万人、09年が42万人と増加の一途で、同町商工会は「“聖地巡礼”の報道で神社が『関東最古の大社』として紹介され、 多くの人の興味を引いている」と話している。
 「らき☆すた」は、美水かがみさんが、オタク女子高生の泉こなたと仲間たちの学園生活を描いた4コママンガが原作で、アニメは、さまざまなマンガのパロディーや マニアックなせりふ、奇抜な演出などがネットを中心に話題となり、DVDや関連 グッズも人気となった。【河村成浩】
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これは町おこしの材料として割に研究されているものであるが、これらはバーチャルからリアルへの回帰もあるんだなといえるものである。
もっと異なる例とすれば、単にキャラクターでバーチャルからリアルへの回帰をさせるという手法まで生まれている。
八王子市日吉町にある松栄山 了法寺 八王子(りょうほうじ)は、日蓮宗の寺で、八王子七福神の一つである新護弁財天が祀られている。
入口に設置された美少女イラスト看板から「萌え寺」として知られる。これは、寺の入口に住職の友人で檀家の孫である広告企画会社社長の紹介の声優・イラストレーターの人による案内看板が製作されたからである。ポップな美少女イラストが描かれた案内看板が製作・設置されたことによる。誰でも気軽に入れる雰囲気作りを考えて、当寺に祀られている新護弁財天が音楽・芸術の神であることから考えたものらしい。

まあ、CMという意味ではかの成田山新勝寺にもその見方ができる。
新勝寺は戦国時代の混乱の中で荒廃し、江戸時代までは寂れていた。江戸時代は、江戸で12回成田不動の「出開帳」(「秘宝特別公開」というようなイベント)が行われた。また歌舞伎役者の市川團十郎が成田不動に帰依して「成田屋」の屋号を名乗り、不動明王が登場する芝居を打ったことなどが、庶民の信仰を集め、成田参詣が盛んとなる。これらは明治以降も続きかくて成田鉄道(複数あるがこの場合は現在の成田線に相当 )ついで京成電鉄が開業することになる。これらの事例は枚挙にいとわない。
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つまり基本的にバーチャルなもの(いわゆるエアー)とリアルの間に、宗教というものの存在がある。そのことをバーチャル・リアル何でもありの昨今は示しているのではないか。逆に言うと永続的な信仰というものは世代が変わると存在しないことが普通であり、その永続化ツールとして建築物や伝統というものがあるのかなあと思うのである。合理性がなかなか見つけにくい宗教の盛衰、そこに依存するしかない企業経営は、サスティナブルとはいえない気がするのだがほかの手法を見つけられないのもあろう。かくて、電車の中にお札を貼る鉄道会社もあるわけで。

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