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キャリアプラン(2/3)

(承前)
キャリアプランは、プロジェクトのガントチャートのように描けるものでもないが、かといって、これを使うことが少なくとも技術者はなれている場合が多いということからなじみやすい。むしろ、とっつきやすいということは書き直しやすいともいえるのではないか。見直しを継続的に行っていくことは必要だ。
以前に書いたように、大学でも講義をしている例がある。

講義例: キャリアプラン演習(1,2年生対象)
講義の目的:将来の進路や就職に対して漫然と不安ながらも、具体的な「就職」「働く」という感覚を生活の中で実感しにくい状況がある。雇用と仕事と生活をめぐるいろいろな問題点の提案から、職業選択の自覚を喚起し、考え方を構築し、生活にフィードバックする資質を指導する。
昨今、就職協定の廃止による就職活動の早期化・長期化,経済状況の変化による企業採用の変動など就職を取り巻く環境の変化が激しい。そこで、3年生秋から就職活動を始める時に、卒業後のキャリア設計がないまま、「現実的な将来」に対して戸惑いを覚えてしまう。
講義は学内外の専門家、先輩、若い卒業生を講師とし、職業選択情報を多面的な方向から講話・質疑応答として行い、レポート提出で評価することで、学生の的確な職業選択に資する。

というわけで人の履歴書を見ながらアドバイスして、ひとつの振り返りの資料を作り、その前提を用いて今後の技術者生活をどうするかというガントチャートを作ってみることで指導をすることが最近多い。ただこのようなことをし、書いてきた履歴書様の書類を補足して肉付けする間に、電話でその詳細を聞きだし、ときには面談してということも行うのだが、何人もあいてにこのようなことをしていたある日、TVで落語を聴いていてあらあと思った。3代目桂春團治がやっている、原典に比較的忠実なものに極めて端整なしぐさを加えたものである。
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「代書」・「代書屋」は上方落語の演目の一つ。東京でもする人がいる。もともと落語家4代目(先代)桂米團治が、創作し1939年4月初演した新作落語である。今は半ば古典に近い存在となり、東京にも移植されている。
4代目桂米團治は、大阪市東成区今里にある自宅隣に区役所があった(いまは区役所によって敷地が買収されたので敷地内にある)こともあり、副業として代書人(今日の司法書士・行政書士である)を営んでいた。その経験から創作したもの。今の司法書士・行政書士は隣接法律専門職としてとても難しい専門資格なのだが、桂米朝によれば、当時はそんなに難しいものではない時代という。しかも彼はどっちかというと書類作成より賞状を書いたり演説原稿を書いたり(4代目桂米團治は落語台本を多く書いていたのも関係あろう)ということを、同業者と融通していたようである。そういうことを考えると枕でつかう川柳もまんざらわからなくもないし、コンサルを始めたころの自分を思い出す。

『儲かった日も代書屋の同じ顔』  米團治
『割り印で代書罫紙に箔を付け』  米團治 

代書屋に、無筆(字が書けない)の男が履歴書を代りに書くことを依頼しにやってきた。さっそく仕事に取り掛かる代書屋だが、この依頼人、底抜けにおおぼけで、本籍地の口述をさせても向かいの家の商売まで説明したり、やってない商売を述べたり、遊廓に初めて行った日まで言い出し、代書屋は頭を抱えてしまう。履歴書の賞罰欄にちなんだオチが主になっている。(現在オチは演者によって2種類ある。ポン菓子・大福の大食い)これが現在用いているストーリである。
桂枝雀の例

関東の柳家権太楼

本当は、このあと結納の受け取りの代書を頼む書家の老人やその丁稚、創作当時を反映して渡航証明の記入を依頼する朝鮮人などが登場する。(このとき代書屋さんの苗字が「中濱」というのがでてくるが、もともと4代目桂米團治の本名である)しかしここまで話をすると30分以上するのと、渡航証明のあたりに関しては朝鮮人が苦労して日本語を話すところが放送にそぐわないとか国際感情の問題(たとえば「ちびくろサンボ」の事例)という見方もあるらしくあまり地上波TVではしない。(もっとも東成区は、中小企業の集積地という大阪府東部の特徴を備えている。また今も在日韓国人の割合が高く韓国料理店や民族衣装販売店などが多い、割と融和している地域でもある。隣接する区にある玉造駅が話に出てくるものもある)
現在では、米朝一門がホール落語のとり(40分ぐらいかかる)オチも原典の「自署不能につき代書す」という証明文に絡めたバージョンですることがある。
私は公的書類をどうこうする商売はしていないが、まさにこのようなことを電話と書面でしている側面もあるわけで、代書人ならぬ古の司法書士・行政書士見たいな仕事だなあと考えてしまった。いまの司法書士・行政書士が法務隣接職としてきわめて難しいものになってしまったしな。(続く)

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