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高校教員になりませんか

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仕事ない「博士号」さん、高校教員になりませんか (2009年12月6日13時32分 読売新聞)
 博士号を取得しながら、定職に就けない「ポストドクター(ポスドク)」が急増するなか、大阪府教委と大阪教育大は、来年度から京都大大学院理学研究科のポスドクらのうち、教員を目指す人を対象に、高校の理数系の専門教員として養成するプログラムを開設する。
 ポスドクの活用と、子どもの理数離れの食い止めを同時に狙った策で、現場実習や教員免許に必要な科目を受けることができる全国初の試みという。
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 府教委と大教大は、教員養成に関する協力協定を結んでいる。2012年度以降に実施される新高校学習指導要領で、理数科目で高度な教育が認められるのを受け、専門的な知識を持つ教員の養成を計画。200人以上在籍するポスドクの幅広い活用を模索していた京大側の思惑と一致、協力協定を結んだ。
 博士号と教員資格を取得済みか取得見込みの学生、研究員らが対象。年間5人程度で、期間は2年間。京大が推薦し、大教大が選考する。受講無料で、大教大の教員らが週2回程度、模擬授業などを通じて指導する。府内の公立中高に週1回ほど通い、現場での経験も積ませる。

 ポスドクら博士の教員採用は秋田、岩手両県などで行われている。秋田県は08年度から、理系博士7人を採用。現在、普通科、農工の実業高など5校で授業を受け持ち、小中学校の出前授業もこなす。難解な先端科学もわかりやすいと好評だ。同県は過去3回の全国学力テストで、小学校の算数、中学校の数学でトップクラスを誇る。
 プログラム修了者の大阪府での採用は今のところ未定だが、田中保和・府教委教育監は「理系教育の充実につながる」と期待する。
(2009年12月6日13時32分 読売新聞)
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1990年代から始まった大学院重点化計画によって大学院の定員が増え、博士号取得者が増加した。そして増加した博士号取得者の職を補う「ポストドクター等一万人支援計画」が実施された。しかしながら、博士号取得者の行き先として考えられる大学・研究所の定員は増えず、育成に対し期待した企業の博士号のニーズさえ減ってきていることから、将来の展望を確立できないまま年を重ねた博士号取得者が毎年大量に溢れることとなっている。
実は、高校教員の理科系の需要はかなり高いのもあるが、実際の養成が進んでいないとか言うのだ。(それ以上に中学の教員も理科に関しては不足気味ということも聞く。)同業者にもいるが、高校に演習などの支援にいくたびに、カリキュラムの習得をさせる手法に汲々としている教員とその忙しさには、一時ほどではないようだが、かわいそうだという感じを持つのだそうな。

ところで私が高校生だったころに、生物と化学を教わった先生の一人がまさに某国立大学の理学部助手からの転進であった。当時余りまだ使われていなかった、ビデオ教材を用いて(しかもオープンリール)の授業も多かった。もっともあまりこの先生は話しがうまくなかったのだが、熱心さはあった。特に教科書・指導要領を逸脱したところを聞くと、それなりにしっかりした文献を示し教えてくれるということは、熱意のある生徒にはよかったと思う。文系の部活動の支援にもかかわっており、熱心ということは他の生徒からも聞いていた。
ただし、かれは生徒たちに思想的なことは一切いわなかったのだが、試験監督にやってくるときは必ず「前衛」を持ってくるとか、先生同士の宴会では多少そういう話をだしたこともあるらしく、かなり教育に関する考え方にも独自性があったには否定しない。
さて、ポスドクという立場から見ると、高校の先生は確かにわずらわしいと思う雑事がある事実を憂うのかもしれない。それは否定しないけれども、研究という究極の目的に対しては教育者という場面ではベクトルが多少変わろうとも、決して研究という活動ができない環境ではないとは思わないし、研究費用は期待できないにせよ(後述)また新たな発見があろうかと思うのである。このプロジェクトでも「教員資格を取得済みか取得見込みの学生、研究員」となっているなら、教員資格取得に対する支援もあるだろう。今回は理学部であるが、工学部の一部にもこのようなニーズはあろう。(特に数学などは得意かもしれない。あと情報とか教員育成に困っているものもある)その意味で、もうすこし拡大してもいいのではないかと思う。
もっとも、上の報道に対し注意しなければならないものもある。

同県(秋田県)は過去3回の全国学力テストで、小学校の算数、中学校の数学でトップクラスを誇る。
これを直接的に関連つけることはちょっと早計で、この見方は慎むべき行為と考えるが。
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一方気になるのは、「大阪」ということである。

どういうわけか、私の知り合いには大阪府内の公立高校勤務から他府県の公立学校や私立学校に転職をする理科教諭がやたらめったら多いのである。(数学に関しては知り合いにはいないのでわからない。国語などではそうでもない)で、彼らが転職した理由を聞くと、まあ課外業務・部活動監督などで「無駄に」忙しいとかいう理由もないわけではないらしいが、それ以外の事例を20年以上実績を持つ彼らは第一にあげることが多い。
概して「日常の実験に使う備品が買えない」「実験機材の修理ができない」という実は根本的な悩みなのである。ほんとかどうかは不明なのだが、基本的な実験道具を複数の学校でシェアーすると言うことはあるらしい。ある程度は仕方がないが、経費不足で修理ができないためというものばかりで、撤去されて補充が利かないとか、キムタオル(使い捨てウエス)が、期中になくなると、補充できずカリキュラムを直すことを余儀なくされるというとこれは問題である。理科の教授に対して実験費用が確保できないということで、理科教育ができないということになってるなら、教員の資質というような問題以前の、教育環境の問題と感じている。

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コメント

こんにちは。基本的にはよい制度だと思います。あとはその方の適応力だと思いますが、その適応力を短時間でうまく教育できればよいですね。

投稿: KADOTA | 2009年12月10日 (木曜日) 19時30分

>その方の適応力
逆に言うとその点以外の懸念がないともいえます。
すでに、書いたように、私は結構いい影響があったという記憶もありますので、それなりに期待できるだろうと。
問題は、それを受け入れる既存の勤務者の体制もあるんですが。

投稿: デハボ1000 | 2009年12月11日 (金曜日) 00時44分

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