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続:瞬時で判断しなければならないスパコン(2/3)

(続く)
話はスパコンに限定して進める。
過日、普段から省エネルギーの相談に応じている、近所の風呂屋さんの主人から呼び止められまして、「日本の今後の科学開発はどうなるんですかねえ」とぼやかれてしまいました。
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次世代スパコン開発「異議あり」  ホリエモン「自分の稼いだ金でやれ」  2009/11/16 19:58  J-CASTニュース
(中断)
これに対しホリエモンも11月14日と16日、「政府に頼るのをそろそろやめないか」というタイトルでブログを書いている。
そもそも「補助金なぞを当てにして仕事をしたり研究をするという感覚が全然理解できない」。もともとは国民の税金なのだから「文句を言われたくなければ、自分たちの稼いだ金でやればよい」という考えだ。
さらに、日本の研究機関・大学は、自分たちの研究の事業化に稚拙であると指摘する。事業で得た利益を研究にフィードバックする仕組みができていないために、大学教授は研究費の獲得に汲々としなければならない。
ではどうすればいいか。ホリエモンが引き合いに出すのが、当の理化学研究所が戦前形成していた「理研産業団」という組織だ。理化学研究所の発明を、そのまま研究所自身で製品化する組織で、1939年の最大時で会社数63、工場数121にも及んだ。ビタミン剤を始めとした製品を次々と事業化し、理化学研究所はそこで得た利益を研究予算につぎ込んでいたことから「研究者の楽園」と言われていたという。
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ホリエモンはこれを見習い、
「大学や研究機関なら儲かる応用研究分野がスピンアウトして出来た株式会社の上場益を、その出自の研究機関や大学に還元できる仕組みを作ればいい」
と提言している。

「世界一有名な科学者に与えられる賞。ノーベル賞のもともとの資金源になったのはノーベルがダイナマイトで儲けた金だ。補助金じゃないぞ」
------------------------中断
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10388307626.html
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10389451643.html#main
政府を通じると全く無理解な国民や役人や政治家を説得しなければならない。現実その理解を求めることは、不可能であるという意見であったが、実際このようなことで悩む事例は多い。説明責任というものは技術者・研究者に必要なことだが、実際投資先に説明できるようなら、じつはすでに研究が終わっている。そこで、ここでもって来た理化学研究所の考え方がどうして今は成り立たないのかということである。
理化学研究所が限りなく国の研究所にちかくなったのは、戦後軍用技術との結合を指摘されたからである。もちろんビタミン・感光紙・カメラ・計測器・ピストンリング・・・(つまり理研・・・という名前の会社はこの由来がある)という段階で、ビタミン剤などを次々と事業化していった。その利益を研究予算として研究者の楽園と言われていたのが逆に言えば、軍用技術の創出という意味でGHQに切り離された側面がある。もちろん当時の財閥解体が技術力の破壊にあったという意見があるわけで、理化学研究所の解体もそこにあろう。
さて、確かに誰か、戦前の理研は応用研究に傾注している側面があったという意見もあったと聞く。もちろんそれが製品に結びつくビタミンの研究というのはあろうが、相対的にはバランスの取れていた設備といえる。ところが注意しなければならないのは、研究者が起業しているとしても、基本的には「財閥」とまでいえる形でしか起業しなかったということである。完全なスピンアウトにはなっていない。
更に、これらは研究者自体が各構成企業のトップになっていたわけではない。市中の若い経営者の経営によるものに対し、最高技術責任者として研究者が位置した(この手法はホンダやSONYのような形に近い)望んだということになる上に資本を理研が出していたことになる。

更に考えるべきは理研に投資したのは、軍用の事業に間接的に関与する技術を必ず絡めていたことである。もちろん直接的に軍用の技術を開発していたのではないということが前提だが、軍用技術とかならず関連していたところがあるのが、投資を企業が受け入れやすい側面にあろうと考える。そして間接的に軍の金が企業経由で投資されていたとも言える。だから、迂回して民間投資の体をして理研には軍が投資していたというならば、出所が税金であるということで、軍が(一応・・・)存在しない日本でこれを統括的に議論するなら、これは政府であるわけで、理研とてその呪縛から離れていなかったわけではない。
ビタミン(兵隊の健康維持)・感光紙(帳票管理)・カメラ(軍用機器)・計測器(特に工業計器と航空計器)・ピストンリング(エンジン)・人造酒(航空燃料増産)というように考え出すと、うまく民生技術を出すのに軍のモチベーションを「民間」投資の材料に使ったというしたたかさ、そして技術者の良心(つまり民生用を作るのには資本投下もできないし、意義を説明しても困難なので、軍の言い方を使った)は見える。そのあたりの罪罰感をなくして研究者が開発できる側面は、常に好ましいとはいえるが、結果的には国の意向で投資させたという側面は否定できないわけで、税金由来でないとはまったくいえないと考える。
「世界一有名な科学者に与えられる賞。ノーベル賞のもともとの資金源になったのはノーベルがダイナマイトで儲けた金だ。補助金じゃない」のだが、その実ノーベルが憂いてノーベル賞を作ったのは、危険な作業を安全にするという形で企業化したダイナマイトは、結果的にはかなりの分、意図しない使い方をした軍用途で、その結果お金が入ってきたということが引き金であることを考えると、直接的に支給するのがよくなくても、間接的に投資ということで同じ問題が「オブラートに包んで」出てくるだけではないのか。
軍というものがお金を持っていない国は少ない。中国の軍はそこからスピンアウトした企業をもっていたし(弊害も多く今は帳簿上は離れている)アメリカの軍は社会保障(仕事の供給施設)と技術の企業投資機関の意味合いがある。そのため、間接的に国が技術の支援をしないという姿勢をとるのは、日本ならではとはいえる。
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堀江氏の意見は、新自由主義の世界にてこのような資本投下をすることは、むしろ許されることであって、ある意味その考え方を進めた小泉政権では、これが提案されるであろう(し、この時期に大学への投資の自由化が図られている)。しかし、技術開発の費用まで専門家以外の意見を図ることが民主社会主義のコンセンサスという側面があるこそ、仕分けという公開裁判に似た手法・「衆愚政治」の一種と揶揄される手をとるのであろうから、まず民主党の姿勢では取り入れられないと考える。
政府の補助金なんて当てにする科学技術の発展をやめにしたいのは、多くの人の期待する意見であろうが、特に顕著な投資に対するリスクが吸収できない社会と、既存の評価基準、そして投資行為自体の不信と原資の乏しさ全部を解消しなければ、この提案は絵に描いたもちである。そこで、最近の企業には日本国内で起業しても制約が多くなりたたないから、海外に行くべきということを指導する人がかなり多くなっている。
この発想はじつは、満州国建国という時期に、日本国内の「真綿で首を絞められた閉塞感」から、中国に行く起業家というか、一山あげる山師(日本の国民性ではこういう判断になる)が出て行った(いわゆる大陸浪人)ことがあるのを想起させる。実際、鉄道技術やその他の技術などには、日本の既存技術にこだわらない技術が出来上がり、これらの技術が戦後日本に導入されたものが多いのだが、閉塞感をもって大陸に方向性を求めたものが、その手法の問題点が出て使えない状況(満州国の立国と敗戦)になってしまったということは、外に出ることをやはり異端視し、危険な行為と追認することを結果的に促進してしまったとはいえる。
その意味で堀江氏のいう問題点の根源にある「投資を手堅くしかしない守旧志向」は、昭和のはじめにはすでに意識されていたことで、それを後生大事に持つことがアイデンディティーであるとされるなら、どだい無理とまで言われる。日本企業でも、中途に対して改善による変質が熱心であるのだが、革命的な変革をすることをすることは自然減で従業員がいなくなるまでは無理であるという。ある意味がこれも同じと思う。(ただしこのように会社がつぶれるまでの長い間に企業内での絶え間ない改善で、まったく異なった企業経営の内容になってることもまた多く、これは海外でも 3MやGEにある形をより時間軸を長くしたものである。)

結果このような方向になりつつある。ただし、たまたまスパコンは議論になったのだが、隠れた項目についてはこのような議論が他にもあるとは思う。
---------------------------------引用
スパコン「凍結」せず…菅戦略相、仕分け見直し  11月22日22時2分配信 読売新聞
 菅副総理・国家戦略相は22日、政府の行政刷新会議(議長・鳩山首相)の「事業仕分け」で「事実上の凍結」とされた次世代スーパーコンピューター(スパコン)開発予算について、判定を見直す考えを表明した。
 研究者などから批判が相次いでいたことを受け、判断した。政府は今後、スパコン事業の継続に支障がないよう、スパコン開発予算(2010年度予算概算要求で約268億円)を確保する方向で調整を進める見通しだ。
 科学技術担当を兼務している菅氏は22日のNHK番組で、スパコン開発予算について「事業仕分けは、政策判断をしているわけではない。当然(判定を)見直すことになる」と述べた。また「行政刷新会議の本体は、首相も私も入っている。最後は政治家が判断する」と語り、予算の削減が必要だと判定されたスパコン以外の科学技術予算についても、政治判断で判定の見直しを検討する考えを示した。
--------------------------------終了
(続く)

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