« 嗚呼 世に技術者倫理の種はつきまじ | トップページ | 夏に福島に行ってきた »

冷陰極管(CCFL)はいかがでしょう

世の中は「エコ」「省エネ」の掛け声で満杯。そこでLED照明を使うことが多くなった。
初期投資が高いということで当初は憂慮されていた信号機も、特に歩行者用などはLEDで表示が鮮明になっている副次的効果もあるようだ。
元々蛍光灯が多用されていた日本では、蛍光灯の調光装置なども普及したため電球と同じような用途に使われることも多かった。所が欧州では家庭用照明には「雰囲気重視」という場合には、どうも蛍光灯は今まであまり評価されてなく、電球が使われていた。そのため、省エネルギーの志向が高くなってくると一挙にLED照明が普及してきた。蛍光灯と互換性のある構造のLED照明(つまり複数のLEDを蛍光灯形状に配置集成したもの)が用いられはじめている。メンテナンスサイクルが長いなど、省エネ以外の効果も認められている。ただし調光装置が成り立ちにくいとかという使い勝手を危惧する向きもあるようだ。(最近はこの調光機能を充足したLED照明が出てきた)
日本でも単体のLEDをいわゆる「豆球」として使うのはそこそこ普及している。(あれ切れると面倒だしねえ)同等品で豆球の1/6ぐらいの消費電力らしい。安価にもなっているようで、家の灯具に妻がつけてるのをみて感心したことも有る。(参考:http://okwave.jp/qa1103139.html
もっとも、蛍光灯を電球の代替にするというのも(雰囲気などの問題にはあるのだろうが)かなりの省エネにはなる。明るさを調整する電気スタンドなんかには機構上使用が難しい。このため日本では調光用途にこそ電球が使われてる場合は多く、電球の製造中止を行なうのにこの調光機器対応が課題になっている。しかも調光機器自体が省エネの機構であるのだが、これをよく用いるのは意外と日本の独自エネルギー技術だったのである。調光機能がなければ、一般用途の場合電球型蛍光灯を用いるだけでも手間もかからずコスト削減効果がある。
ブログランキング・にほんブログ村へ

さて、よくある一般に使われる蛍光管は熱陰極管(Hot Cathode Fluorescent Lamp-HCFL)と呼ばれ、電極を加熱して熱電子放出を行うことで蛍光させる。これに対して冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp-CCFL)という陰極を加熱しないで電子放出を行う蛍光管もある。「枯れた」技術で、技術が安定しているが、このところこれが見直されつつある。近年ディスプレイに用いる液晶バックライト用の光源で急速に発展したが、現在、この冷陰極管市場は日本の技術が世界の趨勢を握っている。(製造工場もアジアが多い)
従来、熱陰極管に比べて冷陰極管は発光効率が若干悪いことが問題になり、特定用途として、小型にしやすく低消費電力でも明るく安定して光るのでノートPCのバックライトに使われてきた。ここでノートPC用なら電池の消耗などを考えると、冷陰極管の発光効率をたかめることで電池を長く持たせるニーズがある。これで材質などを変更した改善研究で効率は大幅に改善され、熱陰極管以上に効率が高くなる見通しがでてきた。(ただし、最近はノートPCの照明はほとんどLEDになってしまい、冷陰極管は普通のディスプレイ用に多く使われている。従って設備の転用もできると言う背景もじつはある)

ところで、同じ明るさではCCFLのほうがLEDよりも低消費電力で長寿命、LEDのような経年変化・減光・変色も少ない。LEDよりも長寿命であり、価格も(付帯回路を考えても)やや安い。CCFLは陰極を加熱せず電子放出を行う原理の制約があるので、管が細いものしかできない問題もあるが、むしろこれを逆手にとって、複数本をまとめて光らせるとか、レイアウトを工夫してむしろ薄い省エネを伴った灯具ユニットに仕立てることもできる。
こうなるとLEDのように小さな器具・局所照明に対し抜群の省エネ効果と耐久性を発揮するものはそれに用いられるのはいいとしても、意外とCCFLは省エネ用の一般灯具に用いることもいいのではと考える場合も最近は多いようである。
近場のそこそこの規模の駅で、経年した構内の照明(1番線:東京方面・・・とか、出口・地下鉄乗り換え・・・とか)を更新してるのを最近見た。えらく薄い灯具をつけてるのでなんか工夫をしてるとおもって興味深く見ていた。てっきりLEDと思っていたのだが、点灯の形態を見ていると、LEDのもの以外もあり、それはどうやらCCFLである。もちろんCCFL自体は輝度が高くなったものではないのだが、灯具が小さくなるとか、他の光を伝える散光素子が使いやすくなり、蛍光灯が1/3に削減できるなどレイアウトに有利なことで省エネが成り立つ仕組み。さらに極めて軽くなったため、設置工事が楽になるとか、壁に簡単につけられるとか付帯効果があると言うのもうれしい。
-------------------------
最近は急激なパートナー増加で共倒れ・・・というのが多いのが気がかり。というのは粗製乱造で製品の声価が落ち、全体に市場が収縮したと言う商品も、最近増えているからではある。それでも、省エネを推進する企業としてもTPOを考えて照明を選ぶための、具体性の有る用途別の選定が必要になってきたわけ。しかもある程度こなれた技術のなかで見出しができている(これはLED照明全体にもいえる)のは民生用にはいいと思う。
こういうように選択肢が少しは増えたほうがいいのだろう。

|

« 嗚呼 世に技術者倫理の種はつきまじ | トップページ | 夏に福島に行ってきた »

コメント

LEDより安いCCFLがあるという同僚の話を調べるために、このページにたどり着きました。勉強になりました。

投稿: まるーべり | 2010年9月25日 (土曜日) 20時48分

ありがとうございます。
機器応用という側面でLED照明が韓国主導で推進されていることもあり、CCFLはこの1年じつはあまり普及する方向にいっていません。
私は、直管式の蛍光灯の代替でLEDを考える場合素子露出型と、チルドショールーム内照明以外はCCFLはいいと思うんですがね。(たとえばコンビニの外部への透過看板照明とか)

投稿: デハボ1000 | 2010年9月26日 (日曜日) 12時58分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/45929696

この記事へのトラックバック一覧です: 冷陰極管(CCFL)はいかがでしょう:

« 嗚呼 世に技術者倫理の種はつきまじ | トップページ | 夏に福島に行ってきた »