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モーターはあるだろ?

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Dyson“羽根がないのに風が出る”扇風機を発表  (ITmediaニュース - 10月13日 17:02)
Dysonは10月12日、「羽根のない扇風機」を発表した。
 同社の「Dyson Air Multiplier」は従来の扇風機とは違って羽根がなく、土台に輪を乗せたような形になっている。
 従来の扇風機は、羽根が空気を切ってしまい、空気の流れが不均衡になる点が問題だった。Dysonの技術は流体力学を利用した独自の技術で空気の流れを15倍に増幅し、毎秒119ガロンの空気をスムーズに流すという。
 この扇風機は土台の部分に組み込まれたモーターを使って空気を吸い込み、その空気を飛行機の翼のような傾斜がついた輪から送り出す。空気が輪から出るときに、その気流に周囲の空気が引き込まれて、空気の流れが増幅され、空気が一定して途切れなく流れる。
 Dysonは、この扇風機は羽根がないため安全で手入れが簡単だと述べている。上部が重く簡単に倒れることもある従来の扇風機とは違って、傾けることもできるという。
  Dyson Air Multiplierは10インチと12インチのモデルがあり、価格はそれぞれ299.99ドルと329.99ドル。カラーは10インチモデルがブルー&アイアンとシルバー&ホワイトの2種、12インチモデルがシルバー&アイアンの1種。米小売店やDyson.comで販売の予定。
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参考:http://www.aivy.co.jp/BLOG_TEST/nagasawa/b/2009/10/dysonair_multiplier.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0910/16/news094.html
写真を見ると金魚すくいの「ポイ」の紙がなくなったものによく似ていますね。
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普通、「羽が回転する」というスタイルがメインであった扇風機。もっともエアコンのとかビルのエアカーテンのようにシロッコファンというのもじつは多いが、物理的に送風機を表に出してモーターの冷却をしながら空気を送る。有圧換気扇というように静圧を出すことのできるものもある。いずれにせよ回転機械で物理的にモノが動いている。
さてそんななかで、英ダイソンが「羽がない扇風機」を開発したという報道。英国や米国市場に投入するらしい。独自の技術で羽を使わずに空気を15倍に増幅させ、輪を通して正面方向に空気を流す仕組みを開発したとか。一般的な扇風機に比べ、なめらかな気流になる特徴、羽に子どもが手を突っ込みケガをすることもないとか。

で、これなんだが、よーく考えるとサイクロン掃除機の原理を正圧側に応用したものではないかと思う。つまり土台に輪を乗せたような形になっている根元(ポイなら柄の部分)にどうも小型かつ高速のの有圧換気扇(またはターボファン・遠心ファン)を仕込み、その圧力を粉体分離機(ダイソン社の掃除機はまさにごみを粉体分離器として扱っている)の原理で、圧力ある空気を渦状態(スパイラル)に排出して、その空気を粘性流体として一端から吸引し、もう一端から圧力があった空気を混和させて排出する。普通の遠心分離装置はここで粉体やごみが壁面にあたり、重力落下する様に流し込む事で得られるが、この場合は空気の流れがほしいのであって粉塵を除去するような障壁はいたないわけである。(なお、モーターを仕込んでいる報道もあった。写真が出ているがこれは遠心ファンだった)
もちろん、このサイクロン機構は工業的にはよく使われている機構で、粉塵が多いところで使うエンジンやコンプレサー用にサイクロンストレーナというものがあるが(例:http://www.hitachi-ies.co.jp/products/cmp/shuuhen/shuu06.htmhttp://www.meijiair.co.jp/html/comp/product_comp_DD800.html)、これを高速の電動ファンをもって有圧ファンとしてるわけである。
だとしても、厳密にいうと大きなファンが露出していないだけで、羽がないというのは余りにもおかしい話とは言える。(誇大表示になる。モーターが小さいとかならともかくね)しかもこの類のモーターはかなり高速で動いている(そうでなければ差圧ができず空気を排出できない)と考えると、風きり音、ファン騒音は免れないし、高速モーターなどの耐久性は(掃除機の技術援用という前提はあっても)劣ると思う。それは現在の扇風機がすごーく長い寿命を保つのとは対照的である。(従来の扇風機は、羽根が空気を切ってしまい、空気の流れが不均衡になる点が差別化になるのかなあという懸念もある)「微風はできるけど超微風なんてのはできない」「タイマーなし」というのもあるようだ。「稼働音がちょっと大きい」のは原理的に免れなかろう。あ、この構造で局所排気用にも使えるなあ。
ただその欠点とは反対に、手をつっこめるという場所はないし、トップヘビーな構造ではないから、インテリアや幼児のファンに指をいれるなどのいたずら、扇風機を引き倒すなどのやんちゃにひどく困っている向き(たとえば幼稚園の教室)には、価格が高くてもいいのかもしれない。消費者の評価・とくに掃除機では日本市場のニーズが多様でその幅の広さに売る方向性に苦労していることもあり、市場での受けも知りたい。


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この原理はわりと思わぬところで使われているし、工場などで簡易的に使ってることがある。
http://www.osawa-company.co.jp/support/won-info.htm
エアガンで除塵を行なうのは旋盤・加工機の脇でよく見る光景であるが、これは普通の工場圧縮空気ではピンポイントではエアガンで効果があるが、大風量で吹き飛ばすということになると、エアガンでは効率が悪く別の方法を考える必要がある。
この商品はコンプレッサーのエアーを動力源として、空気をスパイラルジェット方式(スパイラルに噴出される少量のノズルからの空気が、大量の二次空気を誘引する)で巻き込んで風を多量に流すものである。吸い込みにも(この場合は掃除機という形、排出側に麻袋を「かましてごみを取る)排出にも使う。ガンの内部は全くの筒体で、障害物がない。
この構造を、水滴除去などに使った結果、ブロアのダクトを蛇腹ホースで引っ張るより操作性がいいなどあって、工場で結構使って圧縮機の台数を半分にした設備に改良したことがある。そういえば、有る夏の時期、この場所で作業をしていた担当者が休憩時間に、これを使って自分たちがお茶を飲んでいる休憩場所に少しはなれた場所のスポットクーラーの空気を引いていたのを見たことがある。まさにそれとおなじ行為を、ダイソンは自分たちの固有技術を組み合わせて扇風機に仕立てたのであろう。
なおこの形のスリットは、スパイラルジェットではない普通の絞りである。空気で使っている例はちょっと知らないのだが、液体の吸引でこのタイプのゲートを使っている事例は割とある。工作手法を考えると、一つの選択できる構造ではあるということを指摘しておきたい。
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Dysonの扇風機「Air Multiplier」は日本では11月2日に発売という。実売予想価格は37000円前後。(オープン価格)

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