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お客には伝わらない以前にお客はほしがらない(2/2)

(承前)
ところで、最近事務所に家具を買おうと考えている。机などのものは中古家具でそろえているため、そこそこ販売店を捕まえているのだ。但し今度はインテリアの性格を多少考えているため、ビジネス家具と言うわけには行かない。但し機能第一は変わらない。
余りごてごてしたものは嫌いである。色もこだわらない(まあ暗いトーンがあればそちら)からとことん機能美を追求したい。同じようなものは某ド○キ○ーテにも在るんだが、そのそも店においてあるものが店頭でいきなり壊れているのを見てしまい、これはだめだなと思ってしまった。
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と言うわけで、北欧の品質主義を継承し、シンプルな機能美となると・・・・イケアになると考えた。イケア(IKEA):スウェーデン発祥で、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアで店舗展開する大手家具店。
非常に安価ながら上質なデザインが施されていること。安価でありながら不良品率は低く、商品管理が徹底されている。品質基準を明確にし、商品機能に重点を置いている。家具を自宅で組み上げるには、完成状態より多分に大きい空間を必要とする。家具販売基軸ながら、食器、照明器具、システムキッチン、テキスタイルなどホームファーニッシングやガーデニング関連を含む非常に多様な商品構成を持っている。流通や梱包、製造などのコストを徹底的に削減しながら、顧客のニーズに合わせた格安の組み立て式家具を販売している。
これは意外と思われるかも知れないが、私や家族にとっては基本的な商品選択のポリシーにあっている(そこの人、笑わぬよう・・・)


と言うわけで、仕事の合間にイケア港北にいってきたのである。近くの最寄り駅(新横浜駅等)が遠く、新横浜駅-イケア港北間のシャトルバスが運行されている他、2008年3月20日より東急東横線・目黒線の田園調布駅から長距離シャトルバスの運行(定員制)を行っている。私はシャトルバスで入った。なお公式ページにはないが、
●JRおよび横浜市営地下鉄新横浜駅より
・横浜市営バス300系統、新開橋停留所下車(時間2本)
●横浜市営地下鉄仲町台駅より
・横浜市営バス300系統、新開橋停留所下車
・横浜市営バス310系統、折本町停留所下車(時間1本)
●横浜市営地下鉄新羽駅より
・横浜市営バス41系統、新開橋または折本町停留所下車(時間3~5本)
元々自動車相手の商売ではあるのだが、41系統は大倉山や鶴見駅まで行く系統であるため、知っていれば使えるのだ。(事実店舗内に市営バス41系統の時刻表も張ってある。なお300 310系統は今は公的補助金の元で運行しているので運行休止が起こ可能性もあるからかも)

で、本来イケアは客が自ら持ち帰り、設置し、組み立てる前提だといえ、本邦の購買層はDIYが浸透した客ばかりではない上に、品質保証上の問題意識が極めて敏感な日本では顧客に全責任を持たせるアクションがなりたたない。しかも、悪評がでたらネガティブキャンペーンとなるなら、「立ち去り型」の意思表示で問題を顕在化させない購買層が日本の特徴。そこで現在は配送サービスや組み立てサービスをやっている。そして、港北イケアの店内は
1. イケア商品を使ったテーマ別モデルルーム
2. 収納やテーブル、小物など商品別エリア
3. レストラン
4. 組み立て家具の倉庫
5. ビストロ(ホットドックなどの軽食・旨くはないが極めて安価でたのしい)と北欧の食料品(缶詰など)
という周回ルートが組まれており、さながらたのしいツアーである。もちろん、商品が実際に部屋に置かれた状況を想像・把握したうえで購買対象を絞り、商品番号を頼りに倉庫から希望する商品を取り上げ、レジへと向かう。これなんぞもあるいみ現金正札主義ということで私は好感をもっている。
店内は広大で、商品を各所に展示している。さわって確認することを考えると非常に親切。オプションなども選択範囲も秀逸である。

ということは、客層を選ぶと言うことである。自分で調べて、自分で聞いて、自分で評価してということができないし、そもそもその評価材料をやノウハウを習得するために行く客にとっては、不親切な店舗にしかなりえない。
じつは製品に書いてある情報が難しい(翻訳が下手なのだろう)ため、オプションがわからない。よくよく見ると「店員にお問い合わせください」と書いてある。考えあぐねていたが、はるかかなたに店員がいる。
彼(この人は日本語が堪能な外国人である)は極めて事務的に、的確な対応をしている。これは私には都合がいいのだが、一歩間違うと商品情報をわかりやすくして、それがもとで需要喚起するという顧客にとって見れば、まったく使えない販売方式になるのだろうと考える。
となると先の記載である。
-----------------引用
デジタル流行通信 戸田覚 【第75回】 2009年05月11日 安売りに歯止めがかからない!米国家電量販店「崩壊の現場」 (ダイアモンド オンライン)
(中略)
 ところがアメリカでは、アップルストアなどの特殊な例を除くと、中心部に家電量販店はない。少なくとも、大型の家電量販店は皆無だ。「誰もが自家用車で家電を買いに出かけるのが前提」であり、当然ながら店も駐車場も徹底的に広いのである。と言っても、体育館を想像すると間違いで、感覚的には「サッカー場より広い」と言っても大げさではない。特に通路の“ゆったりさ”は日本とは大違いだ。だが、陳列の仕方もまったく違う。 たとえば、ビデオカメラの売り場は、日本の大手量販店では7~8メートル程度の棚1本に全商品が並んでいる程度だ。アメリカの量販店では、同じ長さの棚が3~4本ある。だが、じっくり見てみると、日本より品揃えが多いわけではない。展示がスカスカなのだ。日本では、ビデオカメラを並べる際には、ほとんどくっつかんばかりに「所狭し」と並べられている。しかし、アメリカの量販店では、1台ずつの感覚がかなり離れているのだ。その理由は、棚の下を見るとよくわかる。なんと、そこに“在庫”があるのだ。ケースには鍵が掛けられているのだが、棚がメッシュになっていて中が見える。お客に「在庫の有無を自分で確認させる」というわけだ。ビデオカメラばかりではない。テレビやPCなどの大物以外は、全ての家電の在庫が、その場に置かれている。つまり、この巨大な売り場は、倉庫も兼ねているというわけだ。
----------中断
はあー。まったく同じだ。巨大な売り場は、倉庫も兼ねている。元々店舗は町の中心部ではない。
陳列がシンプルで、最低限のスペックと価格が横並びで記載されているところは同じ。但し説明は明確には書かれていることは多少違う。そして設計者(デザイナーと書いてあるが意匠・商品企画・製品と分けるとどの設計を担当しているかがわからない。たぶん両方できる高級な技術者なのだろうが。)の名前が書いてあるものが多い。
店員に質問をすると「担当者に聞け」と言われるのはまあよかろう。担当者は、陳列場所やら商品の規格対応などの知識は持っているが、売り込むことはほとんどない。むしろ、「こちらの方が使い勝手はよいです」「日常使いならこれで十分」と、親切すぎるほどアドバイスしてくれることもないが、店員が売り込むことをしないで、在庫や管理業務に特化している(逆に其の手の説明は極めて明確)。特別な知識を持ったお客が自分に向いている商品にたどり着けないと言えばそうなのだが、元々扱う製品をあらかじめ勉強せずに買うという行為が店舗ではできないのである。メーカーが必死に新機能を開発して盛り込んでというものは、買うかかわれるかだけでしかわからない。

つまりIKEAの売り方や販売手法は、たぶんに欧米的な責任範囲の明確な、顧客の自己責任による販売でしか市場構築ができない世界では、POPで性能や機能を明確に示す行為は、顧客にとっては必要十分なのであろう。過剰装備をほしがるということ自体が元々、欧米の生活の中では求めていないものであろう。
 目立つ機能ができればあって(ただし、環境にやさしいとかいう従来とはことなった商品性も含む)、デザインがそこそこよくて値ごろなら売れる。だから、開発力は機能よりもコストダウンに力が入れられがちなのかもしれぬ。メーカーの付加価値を盛り込んだ商品の魅力は正しく伝わらないとはいえるのだが、そもそもそのような製品をほしがること自体が社会性のない行為と考えているなら、商品性の意味するところが異なる。製品の進化は改善による手法ではなりたたず、新規な市場を作るしかないという限界がある。
欧米の家電品(エレクトロラックスなど)には、むしろそういう既存ラインの延長戦にある商品自体が求められない。そのいみで欧米で売れる家電品と日本で売れる家電品、欧米で開発される家電品と日本で開発される家電品があまり重ならないというのはわかる。
ホームベーカリー機のように日本発で海外に出たものも多いが、日本製は醗酵とか、タイマーとかもちも作れるとか、うどんも打てるとかある。もともと電気釜の発想自体欧米にはなかろうから、ここはイノネーティブだったらしいが、さて実際は・・・というと海外向けはジャムを作るのはあっても概して単機能であるとも聞く。
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プレゼンテーションというものが、公平性がない情報で聞く側がコンパイルするのが普通なのが海外の企業(韓国はこの点メディアというものを信用しない風土があって、欧米的だそうな)。ところが商品知識をえるものとしてかなりの確度を持って販売にあたることが絶対であるとなると、店舗に購買層が期待するもの自体がぜんぜん異なる。これが、サービスをもって販売する発想がない欧州のスーパーマーケットが日本では成功しないで、むしろ日本の企業を遠隔操作するということのほうが成功するというのがある。また、寅さんのような啖呵売りは今の訪問販売ににた傾向があるが、「テキ屋稼業」は英文では「Tora-san, a traveling salesman, arrives in some remote town planning to peddle his wares to the locals. 」までしか訳できないようだ。
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前章で、提案営業を積極的な潜在ニーズを引き出す有効な営業手法と考えるのは、どうも通用しないものの方が多いようである。テレビショッピングでものを買うのは便利ではあってその人の考え方であるとはいえ、「レベルの低い顧客」という認識がどうもあるという話も聞く。(ではその対極がインターネットショッピングという能動的手法であると考えも欧米にはあるとか。)
たまたま最近、某キー局でテレビショッピングのプロデューサーをやってる知人と飲んだが、そこに総合商社に勤める別の知人と話してるのを聞いて、プレゼンという潜在需要喚起という側面に相当苦労入してる半面、極めて危ない地盤にのっているのにも気がついた。
日本の営業手法は、文化的に見ると一つの極端な文化にてなりたっているという。ただしそのビジネスモデルは欧米にあったものも、日本で違う形態に育ってしまう。このことなのだろうか、経営コンサルのうち海外の専門家にとっては、進出しても商売にならないエリアとまで言われ、進出するなら日本企業との合弁とか、日本の会社を独立して育てなければならないという。後者は日本IBM・マクドナルドなどのように成功事例もあるのは事実だ。ただし投資回収をする海外の企業にしてみれば、日本がうまみのない地域に見えるらしい。ええそれでいいならそれでいいんです。しかし、投資をする環境が日本国内に乏しい状態では、海外の投資家を取り込まなければならないわけで・・・これまた難しい局面なのである。

私は、IKEAで好みの家具を買おうと思っている。しかし、あちこちにIKEAが同じビジネスモデルに乗って業容拡大できると考えてるなら、日本人の「頑迷さ」をスエーデンの企業は見失っていると考える。従っていい製品をうる企業だからこそこれ以上店を増やさないでほしい・・・というちょっとひねくれた見方を所望することになっちまう。
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さて、今度はニトリに行って来た。うーむ。こちらはIKEAを明らかにベンチマークにしているのだが、品揃えのポリシーはやや個性を抑えており、一方口頭での商品紹介を取り入れていることを独自性としてるようだ。IKEAと「無印良品」との間みたいだなあ。

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