« 日本では見慣れた光景 | トップページ | 副業開拓をするって(2/2) »

副業開拓をするって(1/2)

(株)あまつか笑事というセミプロ漫才師がいる。スーツ姿で舞台に立ち、最初に名刺を差し出すところから始まる。弱小の事務所に所属して、小劇場中心にライブで活動しているようであるが最近はTVにも出だした。新人なのだが、M-1グランプリなんかにでてたりするしそこそこの年齢である。
二人ともお笑い活動の傍ら、会社勤めをしているとか。(というか、本業がちゃんとあり、その合間に舞台活動などを行っている。この前のTV出演のときは、朝ゲネプロにでてから会社に行き、夜出演したらしい。)主にスーツ姿で舞台に立つ。ボケの方は小さな広告代理店の代表取締役、ツッコミ(なのだが、突っ込み方がボケという形)は大手不動産会社の課長らしい。この2人の漫才は片方が大きなクライアントの課長として仕事を振るところ、もう一人は社長であるが使われる身であるという、職名と立場の逆転が笑わせる。
-----------------------
で、本名から調べてみると、確かにボケの方は本当に都内の広告代理店S社の社長として名前が載っている。本当に仕事をしているのかとおもっていたが、東京都不動産取引協会の賛助会員のところにも社名と一緒に乗っているのだからうそではなかろう。そしてリンク先の会社のHPの取引先には複数の不動産会社が名を連ねている。まあ仕事をしている会社であることには間違いなさそうだし、なんと言ってもHPの社長挨拶のところに舞台とおんなじ顔が載っている。
ブログランキング・にほんブログ村へ

----------------------
さて、相方(ツッコミ)は本当に会社勤務なのかというと・・・・・名前をエンジンで引っ掛けたら某大手企業主催の不動産セミナーの記載が出てきた。そこで講演をしたらしい。

住宅セミナー「広告(チラシ)から物件までのハウツー」 開催日 2008年12月13日(土)
◆◇不動産は今が買い時!今が買い時かどうかを判断するための検証項目◇◆
講師:C社 O氏
1.不動産相場の今後~不動産の価格は今後どうなる?~
2.不動産商品の今後~不動産の商品はどうなる?~

そして、上記の広告代理店の顧客にこのC社が載っているんですな。そーなのか、どっちにせよこの2人は、クライアントと受託先の関係があったようだ。しかも、彼らは都内のお笑いの舞台・・ライブ・・・に最近夜立っている(あくまで夜らしい。昼間は会社の仕事をする)のだそうだが、課長はあるときライブのパンフの束の中に勤務先の不動産物件(マンションだとか)のチラシ(・・・うーむ上のセミナーもチラシから話題に入ってるなあ・・・)を、会場で客に配るお笑い関係のチラシの中に混ぜ配布したらしい。なんとネタでなく本物の営業業務だった(おい)。
ただしこのご時勢、上場会社であるC社(実は旧社名がすごく有名)も不動産市況悪化に伴う債務超過から自主的な事業再生方向に移行しているそうだから、大変なのはあるだろうな。(給料カットのつかみのネタもうそでなかろう・・・・)

どっちにせよ、あくまでセミプロとして舞台に出ているということだし、この仕事はいずれにせよ話すスキルがきわめて要求される仕事である。また、C社は副業の制限をほとんどなくして社内を活性化し、スピンアウトを薦める社風として有名な企業Grにかつてあった会社でもある。
---------------------
ともかく、企業勤務の社員が副業をすることは、企業の機密保持と言う意味で日本は企業勤務時にアルバイトを禁止前提で雇用することが多かった。もちろん許可規定はある。家業の手伝いで昼間に店番をしたり、土日に農業をしたりするのは一定の許可の上に行うことができるようにはしてあるようだが、きわめて制限的であった。他にも、企業の場合はTVに出たりという場合も不許可になるとか、執筆に関しても企業の許可を出版前に必要とする場合が普通であった。私の身の周りには技術系の書籍を分担執筆すること自体、所属企業から差し止められた人もいたた。この執筆禁止に関しては、社内にこのような技術の専門家がいること自体明記するわけにはいかぬという「存在が社外秘」という理由だった例も多い。(こういうポジティブな場合のほかに社外に出すと恥かしい・・・という社外秘ならぬ社外恥というのもあったとか(苦笑))
ただ、一般の企業ではかつては整理解雇を副業許可を出した人間を先頭に実施した事例も聞く。
知っている事例では工場の閉鎖に際して兼業農家だけを先に整理したということもある。それがある意味当然だったし、企業としてのコンプライアンスの維持でもあったのだろう。けど今は企業の社会的責任は雇用確保という側面自体も大きくなってきており相反条件になりがちである。
--------------------
三菱自動車、社員にアルバイト許可…賃金カット配慮か  2009年1月24日(土)17時0分配信 夕刊フジ
 三菱自動車は24日までに、大幅減産している水島製作所(岡山県倉敷市)が昨年末以降に独自の判断で、生産などに携わる技能系社員約60人に副業を許可し、うち約40人が実際に軽作業のアルバイトに従事していたことを明らかにした。同社は社員の就業規則で副業を原則禁止しているが、工場側が休業に伴う賃金カット分を補えるように配慮した側面もあったとみられる。
 同社広報部は「今後は就業規則に沿った運用を全社に徹底する」とした上で、「水島製作所以外の工場などでは同様のことは起きていない」と説明している。いずれの社員も許可を得ていたため、処分しない。介護中の家族がいるなど個別事情によっては副業を認めており、アルバイト中の社員に今後も認めるかどうかは再度判断するという。
 自動車の販売不振を受けて水島製作所は軽自動車以外の乗用車生産を1月に6日間休止し、休業日の賃金を15%カット。2月も最大14日間操業を取りやめる。このため、水島製作所の関係者からは「規則の枠内で人道的見地で判断しており、誤った運用はしていない」との声も出ている。
 関係者によると、社員からアルバイトを求める声が相次いだため、水島製作所は昨年12月に社員からの申請を受け、個別の事情に応じて認めることを決定。同製作所の課長クラスに対し、届け出をすればアルバイトが認められることを電子メールで知らせていた。許可を得た約60人は、水島製作所の技能系社員の2%程度という。
-------------------
この段階ではまだ一部の限定条件のなかで行われていたのだが・・・政府支援のもと不況業種の一時帰休のときにも副業が認められるようになった。以前は帰休の際の休みは一応給料の何割かは企業と政府補助がでるので、副業は認められなかったのだが。今はそんなことを行っていられないということでなし崩しである。
休暇もふくめて雇用を行っている業種もある。たとえばバスの運転手さんなど、運転時間に対しどれだけ休暇や休憩をいれるということで安全を維持しているのであるからおのずから制限はある(とはいえ農業との第2種兼業は多い)ただしこのようなクローズドな雇用形態は実は欧米では限定的なものではあるもののもっと極端な事例ではある。(これは24時間365日のあいだ雇用するという契約でその中で睡眠や自由に使える時間を認めるという雇用形態である。職務外の業務で怪我をしても本人だけは常に業務上疾病として扱う契約という形になる。日本では地方の中核病院で医師が一人しかいない形のときにこの雇用形態を用いた事例がある)
日本のクローズな雇用形態は、康保険や税法などの形がひとつの企業に所属することを前提として制度設計してあるということも原因であるらしく、これまた世界の中では特殊なんだそうな。
-------------------引用
「もう国や会社には頼れない」 不況で関心高まる会社員「副業」2009年2月4日(水)20時48分配信 J-CASTニュース
不況で賃金切り下げの動きが強まる中、収入を補う「副業」が関心を集めている。就業規則で認めていない企業が多いものの、社員から要望を受けるなどして副業を容認するメーカーも出始めた。このまま不況が続けば、副業は当たり前になるのか。
「副業を持って、収入補てんしたい」
土日などを利用して起業を目指す民間の会員組織「週末起業フォーラム」。それを運営するNPO法人のチーフコンサルタントの森英樹さんによると、ここ1か月で、独立準備以外の動機で入会する人が増えている。
「副業を持って、収入補てんしたいというんですね。もう国や会社には頼れないと言います。中には、もうリストラされた、派遣先で1、2か月後に雇い止めされる、といった切羽詰まった方もおられます。就職難の影響で、大学生も増えていますね」
週末起業フォーラムでは、2008年末ごろまでは月に30人ほどだった入会者が、50人ほどにまで急増しているという。
副業志向の背景には、メーカーが次々にワークシェアリングに踏み切るなどして、正社員の待遇までが悪化していることがある。ただ、副業や兼業については、就業規則で原則禁止にしている企業が多い。もし、無断で副業していることが発覚すれば、就業規則違反に問われることになる。
厚労省の監督課によると、副業をどうするかは、企業と労働者の契約で決まり、法的な規制はない。ただ、労基法で定められた労働時間を超えて働かせることはできない。企業が副業を認めていないのは、業務に専念させたいことや、労働時間管理の都合、情報漏えいの防止などの理由があるとみられている。
ところが、社員の待遇悪化で、会社側に対し、「副業を認めてほしい」との要望が強くなっているようだ。富士通では、グループ内の4工場で09年1月から、従業員5450人の大半に当たる交代制の勤務者を対象に、副業を容認した。ワークシェアリング実施による賃金減少を、アルバイトなどで補ってもらうための例外措置だ。また、三菱自動車工業の水島製作所(岡山県倉敷市)も、1月に独自の判断で、技能系社員約60人に副業を認め、約40人が軽作業などのアルバイトをしている。
会社勤めをしながら、週末だけのスモールビジネスも
副業がメーカーなどを中心に容認されたケースは、過去にもある。ITバブルが崩壊したときだ。
富士通では、2002年9月から翌年6月まで、今回と同様な理由から、交代制の勤務者を対象に副業を認めた。このほかにも容認メーカーが出て、日立製作所では、2001年11月から期間限定で、ワークシェアリングを実施した国内3工場の従業員約2000人に対し、アルバイトなどの副業を例外的に認めた。
ただ、不規則な勤務形態などもあって、利用しにくい面があるようだ。富士通では、IT不況のときばかりでなく、今回も実際に副業する人はほとんどいないという。また、富士通や三菱自動車工業では、あくまで例外措置であり、全社員にまで副業を認める予定はないとしている。
不況長期化でメーカーなどに副業容認が広がっても、多くの社員がそのメリットの恩恵を受けるというわけではなさそうだ。
もっとも、副業する人やそのサービスを受ける人の視点から見れば、話は違ってくる。週末起業フォーラムの森英樹さんは、こう指摘する。
「副業は、働き方の多様化を実現してくれます。また、サービスを受ける消費者のためにもなります。副業は小遣い感覚なので、サービスを安く売れるからです。その結果、市場を顕在化させて経済の活性化につながります。独立しなくても、会社勤めをしながら、週末だけのスモールビジネスというのもありでしょう」
週末起業フォーラムには、転職が難しくなった35~40歳からの入会が多いという。「会社の中で行く末が見え、別のやりがいを求めて、転職の代わりに副業で収入を増やしたい動機が多いようです」と森さん。副業としては、中小企業診断士を目指す通信講座を作ったり、自己啓発セミナーの講師をしたりと、教える仕事が人気という。このほか、手作り品を作ってネットオークションで売るなどの例もあるそうだ。
------------------------終了
もちろん、その昔からアルバイトという形でヤミの仕事はあったといえばあった。(今のキャバクラの原型になる社交業にかつて「アルバイトサロン」(アルサロ:ホステスはアルバイトで公募し、学生や会社員、人妻が多かった)というのがあり、関西では最近まで店名にあったが、この名前はそのなごりである。)ただしこの制限は歯止めが利かなくなっている。また、いざ副業・・・といわれてもすぐさまできるとは行かないものでもある。人脈などの問題も結構あるし、上述のような「副業は小遣い感覚なので、サービスを安く売れる」という手法は同じことを正業でしている人に対し、営業妨害とされたりすることさえある。(なお、正業のひとから営業妨害と認識されもめるのはNPO・NGOなどの社会サービス部門でも最近はよくあることである。
例1:地域の78条バスという受託者がいない閑散路線なれど地域の自動車のない人々にとってはまさに生命線のようなバス路線は、運行コストや運転管理の最適化を図るために運行業務を地方自治体から外部委託する場合があるが、社会サービスの担い手としてこの目的のために篤志者が設立したNPOと、地域の交通の一翼を担ってきた既存のタクシー会社が運行実務・運行管理受託業務で争うことで地域が混乱した事例。(市町村、特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者(これがタクシー会社など)が、規定により自家用有償旅客運送を行うときという文面が、道路交通法78条にある。)
例2:NPOによって地域の公設宿泊施設の運用受託を始めたら、近接の宿泊施設が公がNPOを使うことで民業圧迫をしているということでもめた例。
-----------------------引用
日産、全社員に副業を容認  2009年3月6日(金)9時23分配信 共同通信
 日産自動車が今月から全社員に対し副業を認めたことが6日、分かった。操業縮小に伴う社員の収入目減りを補いたい考え。三菱自動車の水島製作所が独自の判断で一部社員に副業を認めたことはあったが、自動車大手が会社として副業を容認したのは初めて。日産は今月も新車販売不振を受けて前年比5割程度の減産を実施。副業は休業日に限り8時間以内で認め、業務内容を会社に届けるよう義務付ける。
------------------------終了
ただし、私は副業をするなら、それなりの雇用条件を自分で得てからということだろうとおもう。とかく企業を渡り歩いてスキルアップを図るタイプの雇用で活躍する人には、不当だという声が強いのだが、それは単に雇用者・従業員に契約意識が薄いということでもあるし、そこを厳しく規定すると今以上の勤労者のスキル固定化(企業内で転勤・配転などで人材を有効活用する視点がなくなる)につながる。働くものの多様化を壊すことにつながりかねない。雇用契約ということの知識でがちがちにしか動けない状況を企業の雇用環境として嫌悪するのもこれまた多く、海外の企業にも永久雇用を期待して日本企業に勤務する人もいるのだ。(続く)

|

« 日本では見慣れた光景 | トップページ | 副業開拓をするって(2/2) »

コメント

こんにちは。作業時間に拘束されない執筆はそこそこの副業にはなりますが、非常勤講師は勤務時間と報酬がつりあっている感じはあまりしません。私の場合、どちらもジャンルが狭いすき間産業ですが。明日発売の新刊、献本をお送りいたしますので。

投稿: KADOTA | 2009年6月14日 (日曜日) 22時14分

>非常勤講師は勤務時間と報酬がつりあっている感じはあまりしません。
私の周りでもそういう声は聞きます。但し「どこどこの非常勤講師」だからこそ顧客から「お願いします」といわれる側面が多いというのも、また事実のようです。

投稿: デハボ1000 | 2009年6月14日 (日曜日) 23時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100146/45179349

この記事へのトラックバック一覧です: 副業開拓をするって(1/2):

» コーチング〜相手の話を聞いて引き出す [コーチング〜相手の話を聞いて引き出す]
コーチング〜相手の話を聞いて引き出す ビジネス・人間関係・恋愛・育児さまざまな場面で コミュニケーションをとる際に役立つスキルがコーチングです。名前はとっつきにくい印象があるかもしれませんが、実に簡単・そして便利で役立つスキル [続きを読む]

受信: 2009年6月14日 (日曜日) 12時26分

» 製薬会社への転職の現状 (3) [医師の転職.net]
製薬企業への医師の転職は、結論から申し上げるならば、少なくとも求人枠という点では経済情勢の影響を受けていません。製薬会社には、その気になれば正社員数を大きく減らすことができる「削り代」があります。責任医師や分担医師として製薬会社の治験に関わった経... [続きを読む]

受信: 2009年6月18日 (木曜日) 22時57分

« 日本では見慣れた光景 | トップページ | 副業開拓をするって(2/2) »