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いい店選んで25年

学生時代、信州大学にいっていた知人を頼って、栂池高原白馬岩岳にスキーをしにいったことがある。この友人はスキーを堪能したく進学した(だからスポーツスキーのメッカである岩岳なのだな)つわものであるが、その後この趣味の縁からか、大手旅行会社に職を得た。
かれは大学の近くに住んでいたのだが、浅間温泉にも近いところである。その際、いっしょに北松本電車区(のちの松本運転所北松本支所。信濃鉄道引継ぎという車庫で大糸線の車両基地であったが、この当時は旧型の国電車両が集積していた。参考:こちら。現在は統合され廃止)にいったり、浅間温泉の共同湯にいった。
そういえば、国鉄バス美ヶ原高原線の車庫であるが未舗装で活気のない松本車庫(この路線は、私鉄駅由来の浅間温泉発着の国鉄バスで、国鉄線との連絡がない離れ小島の路線だった。観光路線であったが、権利維持路線という見方もある。一日6本で5台のバスを持っていたぐらいではつらかろうな)の最終末期の車庫(松本市大村386番地という)にも行った。確かにそのときの知人のアパート(のとなりにユースホステルがあったことから地図を見ると)の場所に極めて近い。なお行った翌年松電に路線委譲され車庫は廃止されている。
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このときある夜に友達がつれて行った喫茶店がこの「鉄道喫茶 みち」というところだ。(http://railway-cafe.net/)それが今も健在でがんばってるのを最近知り驚いている。HPの記載によれば、「国鉄最終日まで、旅行センター所轄の国鉄OB会と家族会、それに旅行愛好者を集めた「アルプス旅路の会」幹事や副会長。当店にて旅行計画案と乗車券類の取次ぎも行っておりました。」とあるが、確かにこの話をマスターとした記憶はある。
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当時このような店は大阪まで出ればあったのだろうが私の周りには模型店以外はなかった。また、この「鉄道喫茶 みち」は華美な展示もなく極めて大人の店であったし、比較的雰囲気は落ち着いていた(ただしソファーは全部グリーン車の中古のリクライニングのないものだった記憶があるが、その想起ができる記載が、あるオールドファンのHPにある)いい経験をしたとおもっている。今でもオールドファンには評価が高く、また趣味でとった列車前方展望ビデオ・CDを製作販売しているそうだから、他にも知っている人がいるかもしれない。品のいい趣味人というのはそれなりにすごいものだなと想う。
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そして私も趣味人の末席を汚しながら25年が過ぎた。
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最近、神田にある事務所に仕事で出入りしているのだが、鉄道居酒屋 LittleTGVが近所で、月1~2回日中にその前を通る。行きたいとは想うのである。ただしさすがに「萌え萌えジャンケン」はちょっと堪忍したい。趣味とはなれたところで「萌え萌えジャンケン」をしたりしておねーちゃんと遊ぶのはまあいいのだが、子供には見せたくないし(苦笑)、趣味とはけじめをつけたいし、メイド喫茶なら事務所の近所にもはやってるのがあるしorz、秋葉原となると濃すぎてはまったときにリカバーできないと思ってしまうのだ。

所が蛇の道は蛇である。お知りあいから、

デハボ>仕事で月1回は前を通るのですが、LittleTGVにお世話になる勇気がありません。
お知り合い>そんなデハボ1000さんに、こんなお店はいかがでしょう 「コップ酒&缶詰の立呑みバー「キハ」」・・・私もまだ行ったことがないのですが http://www.kiha-sake.com/
デハボ>立ち回り先に近く、平日ならこの場所では「極めて」融通が利きます。

そもそも月4回は日比谷線には乗ってますからね。
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というわけで、ある大雨のとき新日本橋駅近くに仕事で訪問し、終わりが8時ごろになってしまう日程になった。そこで「しめしめ」である。一応出先の事務所でPCを使わせてもらっているので、上記のお店のサイトと地図をだそうとした。が、肝心の店名がうろ覚え。
で思いつく名前で検査エンジンにあたったが、その状況というと、古いマニアにはたまらん行為をしてしまった。
①えーっと「モハ」だっけ(そら電車だろ)
②違うなあ。「デハ」だったか(私鉄の電車かい)
③そーか、「ケハ」だったな(茨交かよ!
④ないなあ そーすると「ガソ」かな(沼尻鉄道orz

なんで一般的な「キハ(キハ:エンジンを持つ3等気動車。運転台の有無はかまわない)」がすぐでないかなあ。(大泣)
ともあれ、大雨の中、客先訪問後、20時ごろに到着したのだが、この大雨にかかわらず、1Fと2Fともに大賑わいで、しかも紳士・淑女である。
店内は1階(1号車:立ち飲み)と2階(2号車:ロングシートの車内が類似の部品で再現された立ち飲み)に分かれている。メニューはカップ酒や地ビール、そしてつまみの缶詰が主体となる。(ただしシューマイなどビュッフェよろしく軽い調理モノもあるが、一人で処理している以上調理をするよりは缶詰のほうが合理的かもしれない。品揃えは極めて良心的であるが、酒も市価の2倍程度と缶詰酒場にしては少し高め。とはいえ缶詰を要求に応じて暖めることまでするんだから、非常識な設定ではない。)まずは飲み物とお通し代を支払って、2号車へと進む。飲兵衛でなければであるが、カップ酒としては結構銘酒もあるし、独自ラベルも作っているようだ。
途中から、1Fに降りていって常連さんたちと話す。バックにはジャズ・・・ではなくてつりかけのモーター音である。長電2000系の塗装変更車などの写真が回ってくる。そういう意味では初めてお会いする方でも、皆、鉄道好きと言う事もあって、すぐに溶け込むことが出来そうである。楽しく終電近くの23時まで過ごした。
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ただしある意味これは「はまると怖い」物である。
この店ではエコノミーで客層も排他的でないものの、そのバックボーンは電車の音に対し感覚を研ぎ澄ますなどのコアな世界である。たとえば当日は、北総の運賃の高さ(北総鉄道は東京通勤路線の中で運賃が際立って高い。建設コストがあまりにも高くついたことと、千葉ニュータウン事業計画の大幅な遅れによる。顧客訪問のときも北総線を使わず東武や新京成で行くようにという通達を私の勤務先でも出していたことがある。「財布落としても北総の定期落とすな」とか言われたり、住民が増えても鉄道に乗らないとか、定期の高さに悲鳴を上げて家を引っ越す通勤者(企業によっては迂回でしか定期を支給しないから)というのもある。)で話が盛り上がっていたり、マイナーなバス会社の写真(けんちゃんバスとか、大成交通とか)が回っていることは楽しい。このような雰囲気だからこそ、この店には常連が多く、週2回来る人も多くいた。大雨の日でもこれだけお客がいるのがその証拠だ。
だからこそ楽しいのであるが、その分浸ると他の場所で平衡感覚を保つのが非常に難しいと感じるのである。通いつめたら仕事のうえでも鉄でない人を捕まえて、趣味的な話をとうとうと述べかねないと意志の弱い私は感じた。大事にしたい店であるが、月1回ぐらいに節制するのが、かえって楽しい時間を過ごし、趣味性の高い時間で自分をブラッシュアップできるのだろう。もしかすると、LittleTGVもそういう形なら付き合ってもいいのかもとは想う。
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いい店ではあるからこそ、後を引く。それだからこそ頻繁に行かないで大切に育てるというひとつの価値観もあろう。そしてかなりのスパンがあってもなおかつ行きたくなるのが本当のいい店だとおもう。さらに素地のある店を育てるのも客の持つステータスである。(ただしこの間に店の収支バランスとの、二律相反もあるのだが)
いい酒は朝が知っている
いい店は明日が知っている。

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コメント

こんばんは。
>そのバックボーンは電車の音に対し感覚を研ぎ澄ますなどのコアな世界である
うーむコアな世界です。。。興味ありますが私のような素人さんは入りにくいですね。

投稿: kunihiko_ouchi | 2009年5月31日 (日曜日) 20時38分

>コアな世界
このモーターは東洋電機に何とかとか、国電のなんとかとか・・・いうやつです。もう罹患してる人はいまさらというところですが、あえて入ることはないでしょう。
ただし、このエンジンはUD・このエンジンはいすゞ・・・とかいうのもいますし、高官上げますと、真空管を変えて音が変わるというオーディオの世界と実はそう変わらないともいえます。

投稿: デハボ1000 | 2009年6月 2日 (火曜日) 08時37分

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