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26年前の映画近日公開

新宿国際名画座:新宿駅南口下車徒歩3分 武蔵野通り 3/31(火)~4/9(木) 蒼井そら 肉欲授業/未亡人 男と女がいる限り…/色情淫婦 こまされた女たち 4/10(金)~20(月) 痴漢電車 百恵のお尻/Mの呪縛/保健教師 ダブル不倫 4/21(火)~27(月) 発情妻 口いっぱいの欲情/エロ探偵 名器さがし/濡れた太股 揺れた車内で

成人映画である。こうやってみると「蒼井そら」なんて名前があるから、すこしは新しい企画で最新作をだしてるんですね(この映画自体はAVからのリメークみたい)。もともと大手以外の映画製作会社によって製作されたポルノ映画作品で、代表的な制作・配給会社としては新東宝映画(旧新東宝映画関西支店の有志が設立)、オーピー映画(旧大蔵映画 新東宝の経営者だった大蔵貢が設立)、新日本映像(通称エクセス・フィルム)なぞがある。
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あくまで性描写のための映画であるが、当時映画界の衰退がでていたこともあり人材が比較的遊んでいた事、そして大学や映画専門学校出身の作家(監督、脚本家)やスタッフ、俳優がいたから、一般映画としての質を望め、欧米のポルノ映画ではあまりない映画評価と、性描写や女優の美貌などポルノとしてのクオリティが共存する日本独特の物となった。(この傾向は、日本製のアダルトビデオが海外で独自の評価を得ている場合がある事につながっている)低予算・早撮りという制作形態は映画監督の養成機関・登竜門としての役割を果たした。その後、今はアダルトビデオにポルノの方向性は移行し、このような試作的・実験的・人材養成的視点は、Vシネマに代表されるビデオ作品が担うようになっている。
また実験的な映像を試みたものとしても有名である。たとえば、カラー映画のなかで、普通の場面は白黒、特殊な場面だけはカラーという(この場合の特殊な場面はカラミの部分です)儀表を好んで使い、白黒になると観客は身を乗り出す(おい)いわゆる「パートカラー」を使っていたし、また色眼鏡を観客に貸し出して立体画像を見せる手法も初期にやっている。
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こういうことを考えると若松孝二・崔洋一といった癖の有る作風の世界の作家とか、黒沢清(東京藝大教授。『ドレミファ娘の血は騒ぐ』が出世作だったがもともとこの映画は発売中止されたポルノ映画であった)、周防正行(『ファンシイダンス』)のような監督までいる。たしかにその意味では商業主義と独自性をバランスよく配置した映画を作る監督さんが多い。高橋伴明(『TATOO<刺青>あり』)とか、中村幻児(「ウィークエンド・シャッフル」)などのような新進気鋭の動きもある。(高橋さんの場合は、かれの高校時代の話をちょっと聞いている。相当な文学青年だったらしい)
また、あくまで映像という意味でピンク映画を見ている人もいる。吉行 由実(一般映画の女優として活躍するが、ピンク映画を中心にした映画監督としても多作)とか、浜野佐知(延べ300本以上のピンク映画を撮り最近は一般映画を撮るというベテラン女性)もいる。これもひとつのこだわりである。
同時期に一時代を気付いたロマンポルノやピンク映画は、人材育成と画像創造性のある人材を育てたということで、英米のポルノとまた違った側面がある。(英米でもここからグローバルな演劇人が育ってはいるが、製作側でなく演技側という場合が多いと思う)
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ただおどろいたのは、「痴漢電車 百恵のお尻」のポスターを最近私がみたときである。
痴漢電車 百恵のお尻は1983年の作品。主演女優が山内百恵(爆笑・・そっくりさんなんですな)脇に、蛍雪次郎(脇役としてドラマに出ている)、竹村祐佳。

視聴率に悩む女性ディレクターが勤めるテレビ局。百恵がいつものように歌を歌う時、テレビ局に脅迫電話が。曰く「嫌ならば俺の言う事を聞け!」「百恵に服を脱ぐように伝えろ!」・・・やむをえず犯人の要求を呑む。しかしこの脅迫は、視聴率欲しさで百恵を脱がせるための辣腕ディレクターのやらせだった。

そして今公開のこの映画のポスターには「おくりびとの滝田 洋二郎の作品」という字が印刷された新しいポスターである。そうなんです。成人映画の監督として話題作を連発し、注目された時期のもので、確かに時々は名画座で時々やっていた、独創的な作品らしい。黄金町の名画座であるシネマ・ジャックでもいまやっているようだ。

確かにわたしがこのポスターをみたのは場末の映画館である。だからこそこのポスターがなんだかなあという感じは避けられない。たまたま同じポスターを、笑福亭鶴瓶は西成だったか新世界かのぼろぼろの映画館の前でみてあきれかえったといっていたらしい。曰く、ここまで商売として使うか。そっちのほうがますますすごい。しかも、この映画26年前のものですしね。
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じつはこのように、「「商業主義」と「独自性のなかで最適解を見出すこと」」はそれなりに、その人の存在価値を高くするんでしょうね。この関係は実は「「工学」と「工業」」、「「科学」と「工学」」というにているようで違う場面との挙動の類似性を、私は強く感じるのだが。

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