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日本社会で起業(2/3)

(承前)
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日本社会で起業するため本当に必要な9つのモノ 2007年03月31日 06時16分00秒 GIGAZINE
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それはロングテールではなくてただのニッチ市場
同様に2006年から頻繁に聞かれるようになったのが「ロングテール」という考え方です。実際の小売店の売れ筋は全商品種類の2割であり、その2割が全体の8割の利益を占めるため、いかにして死に筋の商品を排除して売れ筋の商品を維持するかがこれまでの商売。それに対してAmazonのようなネット上のサービスであれば実際の店舗と違って商品陳列棚という物理的制約および維持管理コストが最小化できるため、死に筋になっている残り8割の商品でも、ちりも積もれば山となる方式で利益が出る……というのがロングテール的考え方。グラフ化した際に恐竜のしっぽみたいに長く伸びるので「ロング」な「テール」というわけ。
つまり、売れ筋がある中で死に筋からも利益をちゃんと出す、というのがビジネス的側面で見た場合の「ロングテール」なわけです。そのため、最初から「ロングテール狙い」というのは存在するわけがないのです。ものすごく頻繁に聞かれる「市場のロングテールから利益を出す」という説明があるプランは既にその時点で破綻しており、自称ベンチャー志望者は何も理解していないと言うことを白日の下に晒しており、既に死亡しているも同じです。それはただのニッチ市場狙いというやつであって、そういう自覚がない場合はただ死を待つのみです。
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頻繁に聞かれる「市場のロングテールから利益を出す」という説明があるプランは、確かに問題でしょうな。たくさんある中でのあくまでロングテールでして、そこらの店で売っていないからおおきな専門店に行くというロングテール狙いのパターンは、基本的にある程度潜在的な恒久需要がある製品群を持っているから成り立つし、逆にロングテールがあるからこそ潜在的な恒久需要がある製品群が買われる卵か鶏かの側面があります。
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だから、ロングテールは結果的に成り立つだけで、目的にはなりえないということだろうと思います。もちろん制度設計中に市場のロングテールを盛り込んだもの(東急ハンズなんかはこれですかね)は成り立つでしょうが、「市場のロングテールを狙う」ことを維持するための東急ハンズの労力は並大抵ではないといえますしそのノウハウを精力的につんでいると聞きます。。
但し、市場融資を得る段階で、「ニッチ市場狙い」をして一定の収益を得る、小さくても利潤が出る会社を企画していても、そこに投資する人々はハイリターンを期待するんですから、「ニッチ市場狙い」とはいえないのです。その齟齬を考えておいたほうがいい。
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その会社は何年続くのか
新しく企業を志す人が熱く夢を語るたびに聞いている質問がこれです。この質問にどう答えるかがその人のすべてであり、最終的にはその会社の行く末になります。これは既存の企業に就職する場合も同じはずです。明日か明後日に倒産するかもしれない会社に新卒で入りたい人はあまりいないはず。
この質問には続きがあり、「100年後もあなたの会社は存在しているのですか、そのときその会社は何をする企業になっているのですか?」となります。というのも、成功している企業のほとんどが延々と同じことを繰り返しやり続けたわけではなく、どこかの時点で方向転換をしたり、それこそブルーオーシャン戦略によって新規市場を開拓したりしています。
要するに、最初のプランはあくまでも最初のベンチャー的立場ゆえに出てくるスタートアップでしかなく、そこからさらにどうやって発展させていくのか、最終的にはどうするのか、さらにそこから次の目標をどのように見つけて梶を切っていくのかが「経営」というものなのに、そのことを理解せず目先の夢とやらを実現するためだけに邁進するケースがあまりにも多すぎるということ。結果、最初はうまくいったけど、長続きせず、倒産という憂き目にあうわけです。
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長期計画を立てる力量がないということでは起業は困難だろうと思います。長期計画を立てて訴える上で人が聞いてくれるという中身と前提があるということです。明日か明後日に倒産するかもしれない会社に新卒で入りたい人はあまりいないですが、ゼロではないということであって、そこで説得できる社員・・・これは使用人ということでなく一緒に考えてくれるパートナーを選び出すという視点に立たないと、実は自己矛盾をしていることになります。そもそも、明日か明後日に倒産するかもしれない会社に新卒で入りたくない人は、起業者としてその段階では不適格です。(年を経ると変わってくる場合も多いですが)
筆者は、企業の長期計画をもって判断するということを言っていますが、本当はそれは既存の経験だけでしか理解できないという限界を自ら認識しているようなものであります。むしろ、頑健な長期計画の文言の是非ではなく、しなやかな「長期計画を立てる力量」自体の有無のほうが大切なんでしょうがそこをいわないと問題でしょう。
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お前が死ねばその会社は終わる
これは大企業でも時として言えることですが、誰かが死ぬと経営が傾くとか、利益が大幅に減少するとか、事業が頓挫するという状態である場合、その企業はまだ未成熟です。ベンチャー企業の場合は立ち上げの時に人が少ないため、ほとんどが「誰かが死ねば終わる」式ですが、だからといっていつまでもそのままの状態ではダメです。特に、たったひとり、自分だけで始めるという場合は失敗する確率は飛躍的に高まります。意気揚々と「まずは自分だけでやってみて、それで軌道に乗ったら人を雇って……」などというプランはダメダメです。
もし自分が病気になったらどうなるのか、自分が事故を起こしたらどうなるのか、最悪の場合、自分が死んでもその企業は続行できるのか?こういうリスクを考えに入れていないビジネスプランが本当に多いです。そのため、複数人でちゃんとバックアップしながら実行できる体制を構築する方向を考慮しないプランはどうしても「机上の空論」になります。
極端な話、ある程度までこういうことを考える既存の成功している経営者は「電車の一番前の車両には極力乗らない」ということから始まって、「会社の重要なポジションの人間を同じ飛行機に乗せず時間差で分乗させる」「命を落とす危険のあるサバイバル的趣味は持たない」「不慮の事故で死んだ場合に備えて保険金の受取人を会社法人に指定している」というケースが非常に多いです。これぐらいのことを考えていない人や考えもしなかった人は起業家として不適切です。
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うーむ。誰かが死ぬと経営が傾くとか、利益が大幅に減少するとか、事業が頓挫するという状態である場合、その企業はまだ未成熟ではあるのは異実ですが、成熟した企業が今度は、企業の永続性を前提として行動することで、結果制度硬直を起こすのも多いですから、もともと成熟したところで同じ現象は起こるだろうと思います。だからこれを突き詰めると組織論になってしまいます。
極端ですが、ある程度までこういうことを考える既存の成功している経営者は「電・・・・・・・・・ている」というケースが非常に多いというのは判るのです。飛行機事故で経営陣がなくなった結果倒産する企業は、固定資本を持っている会社では少ないですが、固定資本を持たないか、きわめて流動性が高い企業体(たとえば不動産業)ではよーくあります。但し、成熟された経営がもっとも大切と考える人間は、そもそも起業しようなんて日本社会ではきわめて排除される(社会的に歓迎される米欧ではもっと安直な起業・倒産は日常です)行為はしないですよね。
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代表取締役とCEOと社長は違う
やりたいことはあるが、既存の企業だと思うようにそれができないので、自由に自分の意志で経営方向を決定するために起業する、というケースがあります。特に昨今のWeb2.0的な流れの中ではアイディア一つで起業していくことが多いためです。この場合にぶつかる壁が、「自分はやりたいことを思うがままにやりたいだけであり、決して経営や会社の成長などに興味があるわけではない」というものです。
単純に「社長」「代表取締役」などという肩書きがかっこいいのでそれにあこがれ、起業したいという人であればそれはそれで実は問題など無いのですが、そういうわけではないのに起業したからには経営もやらざるを得ないという場合、自分の好きなことだけをやり続けたくて、それ以外のことに手抜きになってしまい、夢実現の半ばで頓挫するという羽目になります。良いものを作っていれば必ず成功するわけではないのです。
このような場合、本来であれば「経営のプロ」をトップに据え、実権は自分が最大株式数を保有するなどで確保しつつ、自分のやりたいことに集中する…というのが正しい方向です。経営に興味はないが自分のしたいことをなすために起業するのであれば、良き経営パートナーとしての相棒を見つけるのが必須です。熱く夢を語る人に共通する罠がまさにこれで、「で、どうやって経営を軌道に乗せるの?」と聞かれると途端に具体的な言葉が出てこなくなると言うわけです。
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これはわかりますね。但し、このあたりを理解してもらうことは至難の技です。多分に計画性というところに係わるんでしょう。もちろん、経営者には「「経営のプロ」をトップに据え、実権は自分が最大株式数を保有するなどで確保しつつ、自分のやりたいことに集中する」事を最終的には志向しているという場合も多くあります。そしてこのような原資が企業にいては確保できないというのも事実です。企業経営をしている社内からあがった社長・経営幹部とて、リタイアメントするときに他の事業を自分で起こすほどの固定資本を持たないのがほとんどだからで、むしろ起業者で上場をして成功した人しかオーナーの席にいることが成り立たないように見えるからもありましょう。
(海外企業ではCEOなどが極端に高い報酬を出来高でもらい、その結果起業を行う場合があります。これに近いのがスピンアウト(親会社の一部が親会社から分離し、親会社との関係が薄いか全くない別会社を興す)ですが、日本ではその昔はのれんわけという形で結構あったものの、今はその企業同士の競合過剰が市場の拡大が限界に来ているからかすたれ、成功例が今は少ないです。代わってカーブアウト(大企業の中で埋もれた技術や人材を社外の別組織として独立させる。将来的に有望な技術を抱え実益を求める狙いならばカーブアウトになる)が多いんですが、概して社内ベンチャーからになってしまうのは、資本蓄積と配分手法の差であります。)
この場合は、すみやかに引き下がるべく、何らかの指導者が進言するのが望ましいのですが、これがうまくいっている事例は正直言って世界どこでもないというのに等しいのではあります。
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足し算と引き算ができるかできないか
企業はボランティア団体ではないので、利益を出さなくてはいけません。いつまでも赤字が続くとか、負債を多く抱えると経営できなくなって倒産します。例えば、東京商工リサーチの倒産速報や帝国データバンクの大型倒産速報を読めば、いろいろな事例がわかります。
企業の会計はいろいろと複雑な用語や計算方法が絡んできますが、極端に突き詰めるとすべて足し算と引き算の繰り返しです。ですが、意外なことにビジネスプランのほとんどは計算がまともにできていません。「開始3ヶ月目から利益がこれぐらい出て黒字化し、1年後には年商3億になります」というようなことをきれいなグラフ付きで説明されたときにはめまいがしました。事業が軌道に乗れば拡大路線を目指すのは必然ですが、そうなると付随するコストも大きくなるという計算が勘定に入っていないわけです。そして、それを計算することを避ける場合が非常に多い。なぜなら、実際の数字は嘘をつかないため、突きつけられる試算結果はいつだって「赤字」だからです。
しかし、赤字と言っても今すぐにつぶれるわけではありません。それは倒産速報を見ても明らかですし、一部上場企業の決算書を見れば自明の理です。純利益が出ていなくても会社は走り続けることが可能です。「現状だとあと何年でつぶれるが、もう少し利益が上がれば実は寿命が結構延びる」というような計算をする勇気がない人は企業の経営の途中で心が折れるので、だめです。
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さて、これは事実の項目で異論をはさむこともないのだが、誤解されていることに、『「開始3ヶ月目から利益がこれぐらい出て黒字化し、1年後には年商3億になります」というようなことをきれいなグラフ付きで説明された』ということそのものの問題である、プレゼンの技量が起業の資金集め自体に影響するという流れがあるから、この認識にそった「作文」をすることが起業の目的であるとかんがえるのであろう。だから本当はこの前の計画性の問題である。しかし、だからといってこれが無いと投資が出来ないともいえるのが問題である。
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■ロジックが正しくても利益は出ない
今まで提示してきたような数々の現実的問題をすべてクリアするビジネスプランが最後に直面するのがこの壁です。つまり、そのアイディアは「机上の空論でしかない」という問題。ちゃんと利益を出す理屈も理論も整合性があるが、突発的なトラブルや予期せぬ自体になった場合にちゃんと回復できる手段が構築されていないという場合や、現状の社会状況に合致しているだけであって、将来的な変化に対応できるとは思えないという場合、さらにはあまりにも機械的ロジックの度が過ぎていて、人間が間に介在することを軽視しているという場合もあります。
最終的にビジネスというのを突き詰めると、人と人の取引です。人間という要素がどこかに必ず介在する以上、理屈をねじ曲げる理不尽が存在し、逆に言えば強引に押し通すことさえも可能になっているわけです。例えば、Aという商品が1000円、Bという商品が1500円であるとします。Aの方がBよりも上質です。ということは理屈上はAが売れるはずです。しかし、実際にはBも売れます。条件次第ではBの方が圧倒的にAよりも売れたりします。どういう条件かというと、それがブランドであったり、営業力であったり、コネであったり、バイヤーへの賄賂であったり、バックペイであったり、熱狂的なファンであったり…… というもの。わかりやすい例を出すと、全世界的に見るとGoogleが勝っているのに日本市場ではYahoo!が勝っているという現象などが該当します。
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これは、要するに「計画のフレキシブルな修正」ができるかという資質に係わっているのでしょう。ただ不確実な問題があるよというだけです。但し若年の起業者にはこのリスクにまったく気がつかない人がいますね。投資側にこれを意識させないということになると、今度は確実性を装う「作文」にいそしむことになる。
(続く)

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コメント

こんにちは。最近、市場性がなくて捨てられていた魚をネット直売で売り、漁業を復活させようという番組を見ました。葉っぱビジネスも話題になっていますし、あるところにはニッチな市場があるんですね。私のねじ書籍もある意味、ニッチな市場に意外な需要があったということで。

投稿: KADOTA | 2009年4月23日 (木曜日) 22時12分

>あるところにはニッチな市場があるんですね。
捨てられていた魚をネット直売で売りというのは、「いくらをとった残りの旨くないサケをほぐして瓶につめて販売」「夕張メロンの熟成がよくないものを果汁を採って食品材料に使用」とちかいですねえ。
ただしニッチな市場を掘り出すということでは最近は銀行の融資が取れなくなっています。また日本特有なんだそうですが、急速にこのニッチ市場にたくさんの人が入り込み、食い散らかされて全うな企業も共倒れして、気がつくと海外企業のみが残っていたということも多いようです。

投稿: デハボ1000 | 2009年4月24日 (金曜日) 07時59分

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