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早春の房総路にて(3/3)

(承前)
となると免れないのがこの話になるんではないかな。
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http://www.afpbb.com/article/economy/2583622/3931953
AIGの巨額ボーナス問題、CEOが公聴会で苦しい言い訳 2009年03月19日 07:43 発信地:ワシントンD.C./米国 AFP
【3月19日 AFP】米政府の実質的な管理下で経営再建中の米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(American International Group、AIG)のエドワード・リディ(Edward Liddy)最高経営責任者(CEO)が18日、米下院の公聴会で、巨額ボーナス問題について証言を行った。
 公聴会では、リディCEOに対して議員らから強い怒りの声があがった。この問題では、バラク・オバマ米大統領に対しても批判の声が上がっている。
 リディCEOは、10万ドル(約960万円)以上という「好ましくない」額のボーナスを受け取った社員に対し、「支給額の少なくとも半分」を返還するように要請したことを明らかにした。
 リディCEOは「米国民が怒りの声をあげているのはわかっている」としながらも、ボーナスを受け取った約400人の名前を明かすことについては、生命の危険もある脅迫があったとして、裁判所から召喚される可能性があるにもかかわらず、かたくなに拒否した。
 また、「ボーナスを受け取った社員の中には、自ら進んで名乗り出て、全額の返還を申し出ている社員もいる」とも語った。
 リディCEOは、そもそもなぜ1億6500万ドル(約159億円)の残留特別手当が必要だったかと問われ、AIGの金融商品部門は現在も1兆6000億ドル(約154兆円)の投資残高があり、その処理のためには技能の高い専門家が必要だったと強調した。(c)AFP/Jitendra Joshi
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私は、この巨額ボーナスというのは経営陣に対してというのかなと思ったのですが、実は、CEOら経営者は今回は一切ボーナスを受けとってないんですね。(本社のCEO自身の年俸は1ドルで、ボーナスも返上しているという。そこは議会は理解したようだ)どうやら専門職や経営幹部以下の上級幹部社員のことのようです。AIGは公的支援を受ける前の雇用契約に基づいて1億6500万ドル(約160億円)のボーナスを金融商品部門の400人以上の社員に支給した。但し契約ということは企業が経営上どうなったとしても企業が存続する以上、約束不履行で経営幹部から訴えられるから条件も変えられない。せいぜいリディ会長が10万ドル(約980万円)以上のボーナスを受け取った幹部に対し、半額返還要請するしかないというのも判らなくもない。
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ボーナスを成果給与と言う考え方もあるしそれがもともと前提条件のはずですが、雇用流動の激しい米国では「収入=モチベーション」「技術=収入」というかたちで収斂し、企業の社会的意義も、企業に居ることの帰属意識がこの業界では全く無いからこその事情のようですね。この場合企業存続でなくて事業存続と言う前提で政府管理下におかれたのに、その事業存続の前提が高額の給与であるというまたメタ的なシステムになっている所が、なやんでしまう現象なのだと思う。
元本が2兆ドルを超す取引精算に従事する幹部社員たちが退社したら「背を向けてAIGの帳簿とは逆張り取引をする」という経営者の苦悩はわかる。要するに爆弾をつくり信管の外し方を知る唯一の集団をつなぎとめられないというのである。再建の障害となり、結果的に納税者の不利益とならないためにも、流動性の激しい金融界で「異色な頭脳の人々」をつなぎ止める正当な理由はある、というのだ。もっとも、ボーナス支給は、公的資金注入前に決まっていた既成事実、かつ雇用に対しての条件であるため、訴訟になる可能性があったという。当然、この会社の日本法人では、社員のボーナスは業績に応じて支払う条件で、働く前から何年も先のボーナスが決まっているということはないという。つまり、AIG本社はでは、この社員契約をすることを前提に保険業務をしなければならなかったといえる。
そうなるといくらこの「ボーナスに90%課税」のような回収策を講じるのは 雇用契約を有効にしかつ事実上の回収を行うということになる。だが、短期的には金銭回収を行ったとしても、勤務している人々に志向が代わらず、ただ同業に異動するだけなら・・・・
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ボーナスに90%課税=AIG法案、米下院がスピード可決 3月20日6時38分配信 時事通信
 【ワシントン19日時事】米下院本会議は19日、政府管理下で経営再建中の保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の高額ボーナス支払いに課税する法案を賛成328、反対93で可決した。支給されたボーナスの大半を国庫に取り戻すため、90%という異例の高税率を適用する。上院も同様の法案を検討しており、上下両院は早期成立を目指す。
 オバマ大統領は、国民の怒りに対する「正しい反応だ」として法案を支持する声明を発表した。
 下院が可決した法案は、ボーナスを受け取った年収25万ドル(約2400万円)以上の同社従業員が対象。50億ドル(約4700億円)超の公的資金注入を受けた金融機関や政府管理下にある連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)にも適用する。
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・・・AIGは専門職が離脱して再建の障害となり失踪してしまうといえ、彼らはより先鋒的な金融業務他社へのシフトを図ると考える。(もちろん引退を図るものの多かろう。その可能性があるため、賃金がかえって高止まりになる。)本質的にいずれはAIGは業務停滞状態になるという見方が正しいと私は思うのである。精神・倫理が「金(かね)本位制」になることが前提の世界で、そもそも政治的倫理、心理的概念が成り立たない側面があるわけで、実はそれは日本人がはげたかファンドに対する感覚とになじめないことが国際的に日本投資の意欲減退を招いたのと代わらない。ただ表面的な事象が変わるだけであろう。

今年も房総に春がやってくる。毎年いく花見のお誘い(房総地域なんです)も来た。けど、働き甲斐というような貨幣価値以外の基準が、現在の「科学的思考による定「量」的比較」では創りにくい。感性の量的評価は難しいからである。桜花の価値を定量化したら・・・というと結果的に「観光による経済効果」とか、「桜の花の漬物による生産額」とかいう、経済効果評価になってしまう。そこが貨幣経済の限界でもある。

(PS)
その後、あるセミナーにいったのだが、そこでアメリカにおける職業倫理(この場合ボーナスを業績連動でなく契約で定額でもらうこと)では、常に大衆(技術倫理では「公衆」という)の意向によっていかようにも動くという考え方をするため朝令暮改もおきるのが普通という指摘があった。
となると、この場合はAIGの再建以外に、業界全体の高給与体質・・・というか、製造業でない金融サービス業における高給与自体を、大衆が否定したということもいえると考える。金融による利潤追求行為自体を、結果的には全面的に否定した(景気のいい会社でも、社員のモチベーション向上の材料に高給を使えない)という視点もあるかもしれない。

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