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「失業救済」という名のもと(1/3)

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派遣切り「お助け」求人 どこも「応募は意外に少ない」 2009年1月14日(水)18時24分配信 J-CASTニュース
製造業を中心にした大規模な「派遣切り」対し、慢性的な人材不足に悩む介護業界、タクシー会社、サービス業などでは、「失業救済」という名のもとに新規雇用を呼びかける動きが活発だ。しかし、各社とも「思ったほど応募が来ない」のが現状だ。情報が届いていないせいもあるが、「報じられているほど深刻なのか」と疑問視する声も上がっている。
元派遣社員の応募は2~3人しかいない
全国の労働局と公共職業安定所は、非正規労働者の雇い止めの状況に関して企業への聞き取り調査を2008年12月に行った。それを元に厚生労働省が試算したところ、10月から09年3月までに約8万5000人が失業する見通しであるとがわかった。08年11月の同調査では3万人と予測していたが、1か月間で 3倍に急増した。
失業者が増える一方で、厚生労働省が発表している一般職業紹介状況(08年11月)によると、相変わらず人手不足の業種もある。有効求人倍率(求人数/求職者数)は接客・給仕が3.1倍、介護などを含む家庭支援サービスが2.38倍、自動車運転の職業が1.22倍、建設躯体(骨組み)工事の職業が4.10倍となっている。
大分キヤノン、大分キヤノンマテリアル、東芝大分工場などの製造業で数百から数千人規模の「派遣切り」が行われている大分県。失業者を受け入れようと、同県にあるタクシー会社、大分第一交通(大分市)は、330人の運転手を正社員として新たに雇用すると2008年12月29日に発表した。(注:福岡県に本社を置く、タクシー・ハイヤー事業の他に路線バス・不動産事業等を運営する第一交通産業株式会社Grの系列会社。第一交通産業グループ全体の保有台数は業界首位の6,500台。廃止代替バス受託業務と沖縄県の大手バス会社2社の経営にかかわっている。)
多数の応募が来ており、年始から連日のように面接を行っているが、そのうち元派遣社員は2~3人しかいないそうだ。
人事担当者は、こう語る。
「もっと多く(元派遣社員の応募が)来ると思っていました。テレビで派遣社員が『明日から住むところがない』『所持金が数百円しかない』などと言っている割には、あれ?っという感じです」
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求人数は増えているが、紹介しても応募しない
同社はハローワークにも求人を出しているが、応募は少ない。元派遣社員の7~8割が、前職と同じ業種を希望し、なおかつ「正社員ではなく派遣社員にこだわっている」と指摘する。
「慣れた生活スタイルがいいのでしょうが、ハローワークの担当者からも、長く勤めようとしているのか、という疑問が出ているそうです。大分では派遣切りにあった人を救おうと、余裕のある企業が求人募集をかけている。求人数はむしろ増えているが、紹介しても応募しないと聞いています」
タクシー運転手の給与は「水揚げ」(売上げ)により異なる。同社の場合、入社3か月間は月額18万円を保証している。一方、自動車製造業の派遣社員の給与は一般に月額30万円以上とも言われる。運転手になれば給与は下がるが、大分第一交通ではマンションを借り上げており、1人暮らしなら1ルーム、家族がいるなら2ルームというように、住む場所を提供している。
「家族がいて何としても食いつながなければならないという人は、新しい職でもいい、とすぐに決めていく。それに比べて、テレビで報じられているような人は本当に多いのかな、と疑問に思ってしまいます」
グループ全体で運転手1万人を新規雇用すると発表したのは、大手タクシー会社「エムケイ」(京都市)だ。08年12月12日から20日までの間に、問い合わせは160件あり、募集前の1.4倍に増えた。説明会には2倍多い150人が参加した。ところが経営企画部の担当者は、
「説明会の参加者のうち、製造業などで派遣切りにあったという人はそんなにいませんでした」
と話し、ここも元派遣社員の応募は少ないようだ。
介護業者「応募があったのは、今のところ1件です」
全国143カ所で有料老人ホームを運営している介護事業会社「メデカジャパン」(さいたま市)。日産、マツダ、ソニー、日本IBMなど人員削減を表明した大企業30社(09年1月9日現在)に、元派遣社員や期間工らの受け入れを伝える案内状を送った。同社は慢性的な人員不足に悩んでおり、毎月200人程度を募集している。
人事担当者は、
「通知した企業から応募があったのは、今のところ1件です。それ以外での応募も特に増えていません」
と明かし、派遣先から受け入れの情報が伝わっていないのではないか、とみている。
応募が少ないのには、給与の水準も影響していそうだ。同社の月額給与は、栃木県が18万円、九州が14万円から(残業代、手当を除く)。介護の仕事は「きつい」というイメージが定着しており、給与を下げてまでやりたくない、という人が多いらしい。
農業や畜産業も、高齢化で人手が足りていない。1600の農家や養豚会社が所属する日本養豚生産者協議会(東京都渋谷区)は、全国の養豚経営各社で約100 人を雇用する、と08年12月25日に発表。仕事内容は養豚場での作業で、具体的には豚の繁殖・肥育育成に携わる。初任給は20万円前後。同協議会事務局長は、
「今のところ全部で24、5人しか来ていないですね。中には派遣切りに遭い、応募してきた人もいますが、思っていたより少ないです」
と困惑している。
農業の場合、JAが一斉に求人募集をすることが多い。「JAおおいた」の人事担当者は、
「大分キヤノンなどの製造業で働いていて解雇されたという元派遣社員の応募は、1件もありません」
と明かす。
人手不足に悩んでいる業界では、「失業者が増えているのに、必要なところに人材が回ってこない」という不満の声も上がっている。
製造業の元派遣社員や期間工がたくさん来ているというハローワーク大分。職業相談部の職員は、
「ほとんどの人が再び、製造業で働きたいと望んでいます。その一方で、介護や接客業では以前から人手が足りていませんが、我々は『職業選択の自由』を大前提として紹介しているので、希望しない人には勧められません。うまくいきませんね」
と話しており、雇用のミスマッチをどう解決するかが今後の課題になりそうだ。
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たまたまなのだろうが、私の知っている人の仲でのはなしになるが、結果的に人的かかわりに疲れたり、そこでかなりの挫折のある人が派遣社員になり命令と指示が定型的なところを求めると製造業の直接業務にかかわるのかなあと思うのは感じる。同じ製造業でも最近は直接勤務の人でもQCサークル活動という形で人とかかわることを求めている場面が多いし、それを雇用者側が強く求めるところがある。ところが、これが非常に苦手なひとで、むしろ製造工程やまじめな勤務というところに自分の存在価値を求める人も多い。前職と同じ業種を希望しというのはキャリアの連続性をかんがえてるともいえるので即断ができないが、正社員ではなく派遣社員にこだわっているというのは、人的かかわりの問題なのかと考えるにいたった。
以前の勤務者では企業で働くにせよ、発言や人とのかかわりを求めずこつこつ働くという人が十分活躍できた。いわゆる「人に使われる側のプロ」とでもいおうか。ただそういうところに対してもきわめて苦手な場合はおおいようである。中にはそういうところを求める職種もいまでもあって、たとえば分析技術者や研究者のなかにはそういうことで(更にコミニケーションがうまい同調とのいいコラボを得て)活躍する人もいるのだが、いかんせん不得意でそこに自分の生き方の限界を感じていると確かに、違う業界に手が出ないというのはわからなくもない。
もっとも医師で大学教授の香山 リカさんが、たまたま私がヘルスセンターで見た新聞(爆笑)に書いていたような、心理的な側面も本当はいくらかの人にはあるのかもしれない。
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香山リカのココロの万華鏡:「年越し派遣村」の教訓 毎日新聞 2009年1月14日都内版
 年末年始の最大の話題は、なんといっても「年越し派遣村」。
 短期間の告知で、500人を超える入村者が集まった、というのだから、仕事も住居もない人たちの問題がいかに深刻なのかがわかる。大晦日、帰省の空港ロビーでぼんやりテレビニュースを見ていたら、隣に座っていた男性たちが話していた。「派遣切りで職がない? 死ぬ気になって探せば何かあるんじゃないの?」「自力でなんとかしよう、というファイトや根性はないのかね」
 彼らもまた、厳しい労働環境で必死に仕事をしている人たちなのだろう。
 しかし、この人たちにわかってもらいたいことが、ひとつだけある。それは、突然の「派遣切り」にあい、住まいまで失ってしまった人の多くは、自尊心がズタズタに傷つき、「ファイトや根性」で奮い立つエネルギーも失ってしまっている、ということだ。
 派遣村に集まった人たちのインタビューを聞いていると、もしかするとすでにうつ病の状態になっているのでは、と思われる人も何人かいた。こうなってしまうと、たとえ目の前で働き口の情報を見せても、「やります」と手をあげることさえできないだろう。
 派遣村は、「私なんて生きていても価値がない」というところまで自己肯定感を失った労働者に「こうなっているのはあなたのせいではない」「困難に直面しているのはあなただけではない」と伝え、彼らに傷ついた心の羽をとりあえず休める居場所を提供する、という大きな役割を果たしたのだ。
 「私にもまだできることがあるんだ」と最低限の自信を回復して、はじめて空港の人たちが言っていた「ファイトや根性」を持つこともできるようになるのだ。
 しかし問題は、派遣村にまでたどり着くこともできない人たちだ。「行きたいけれど行く元気もない」「行ってもどうにもならない」と出かけるのをやめてしまった人たちは、どうやって傷ついた自尊心を回復させ、適切な医療を受けられるようにすればよいのか。それぞれの地域で、「とりあえずここに来てみて」と呼びかける取り組みが行われることを期待したい。
 まず、最低限の生活と医療、そして人とのつながりが保証されなければ、立ち上がろうという気力、職探しの気力も失われてしまう。
 年越し派遣村が教えてくれたその教訓を、今年一年、私たちはどう生かしていくことができるだろう。
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ぜんぶ肯定するのではさらさらないが、この骨子にはある程度、彼女の見識と精神医療という側面から見てから見て理解できる話である。
(続く)

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コメント

ほんと、やる気を失っているのは事実だと思います。
私は事業主としてやってますが、ほんとに足りないものは心なんじゃないですかね。
従業員を必至に救う心
そして、働く側のやる気えお見せるという名の心、精神というか・・・
そういうのってすごく大事だと感じています。
うちも細々と求人してやっているんですが、やる気ないとほんと使おうという気にはならないですよね。
逆に事業主は、従業員を大切にする心って大事ですよね。
このところ派遣問題でいろんなことを考えます。

投稿: くにとき | 2009年3月 5日 (木曜日) 17時47分

>ほんと、やる気を失っているのは事実だと思います。
簡単にやる気をなくされても困るといういいかたもありでしょうが、当事者にとって気持ちの切り替えが簡単に出来るかというと、これまた難しいものです。
最近某経済団体の幹部と話をしたのです。従業員を大事にするということを判らない株主からの攻めで、憔悴しきってる幹部も多いということを聞きました。事業主は、従業員を大切にする心って大事なのにこれがしたくてもできない(また経営の永続性からしたくない)という経営者も本当は多いのは、オフレコということですが聞いています。

投稿: デハボ1000 | 2009年3月 5日 (木曜日) 22時42分

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